部屋の片付け

私は時々、自分の部屋を掃除したのに「部屋を片付けろ」と言われてしまうことがあります。「掃除したよ」「いや、片付いていないじゃないか」っていう感じです。
しかしですよ、ここで言わせていただきますが、掃除と片付けは別物なんです。掃除は、汚れを落とすこと。片付けは、置き場所を整頓すること。
私の場合は、本が本棚にきっちり並べられている時というのは、その本を使っていない時です。ちゃんと本を使っていれば、机の脇あたりに何冊も積み上げられている状態になるわけで、つまりは、本は使えば置き場所が乱れる、と。でもって、本は並べるためにあるのではないわけだから、適当に散らかっている状態こそが正常なのですよ。それでも、ちょくちょく掃除しています。大したものだ、と自分では思っています。
しかし最近は、その掃除の頻度もかなり落ちていることに気づきました。あちこちで汚れが目立ってきました。昔ドラえもんの話であった「建物は古いけれどもホコリひとつ落ちていないまんじゅう屋」みたいな風景が私の理想ですから、ここで部屋をきれいにしてみます。
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さて前回のつづきですが、机を大きくすればそのぶん、本を置く場所は狭くなります。それなのに本は多くなる。そうなれば、本を置く部屋と机のある部屋とを分けるという選択肢がでてきます。これを専門用語で「書斎と書庫の分化」といいます。書斎は物を書いたり作業をするための部屋で、書庫は本を置く部屋です。この両方が一つの部屋で収まらないときは、2つの部屋を確保する、というわけです。ただ、これでは2部屋使うことになるので、あまり現実的ではありません。ここでいろいろ苦戦することになります。
私のような場合は、大きい机といってもそれほどの大きさは必要ありません。遠くに本を開いて置いても本の字が読めませんから、極端に大きい机を用意しても遠くの部分はデッドスペースになって物置になってしまいます。なので、普通の事務用の机の2〜3倍ほどあれば十分です。そうすると、書斎は4.5畳くらいあればOKです。いっぽう書庫も、今のところは4.5畳ほどで大丈夫だと思います。
というわけで、4.5畳くらいの部屋が2つあれば私はそれで満足なのです。ですが、最近は4.5畳という大きさの部屋が少なくなってきました。そこで、9畳の部屋を用意して2分割するという手を考えます。その場合には、やっぱり部屋の真ん中に本棚を置くことになります。なぜなら、書庫ではまずは壁に沿って本棚を置くので、部屋を分割した「書庫部分」のまわりもぐるっと本棚で囲むことになり、結局、書庫部分と書斎部分との境界(これが部屋の真ん中を通るのですが)に本棚が置かれるのです。
そうまでして書斎と書庫を分けたいかといえば、やっぱり分けたいのです。岩田由紀夫の自宅は、音楽を聞くための装置を置いている部屋と、音楽ディスクを保管する部屋とを、別に用意しているらしいです。そうです。それでこそプロなのです。
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しかし困ったことに、今の私の部屋の広さは、9畳ではなく6畳です。がんばって隣のキッチンを合わせると9畳になりますが、さすがに私には台所に本を置く勇気はありません。だいいち本がぬれちゃいますよね。そんなわけで6畳なのですが、通常は、6畳の部屋を2分割すると3畳になってしまいます。どうにもこうにも、3畳では何も置けないです。でも、狭い部屋をいくら嘆いても部屋は広がりません。とりあえず3畳+3畳で話を進めてみます。
続きは次回。