2007-01-01から1年間の記事一覧

刑法施行法第3条の適用(後編)

前回(id:kokekokko:20070808)のつづき。 旧刑法では、同種の刑罰であっても、異なる種類の刑とされるものがありました。たとえば重懲役と軽懲役の差異は刑期の長さですが、それぞれ異なる刑であるとされ、各則でも「重懲役又ハ軽懲役ニ処ス」とされていま…

刑法施行法第3条の適用(前編)

複数の罪の対照についての規定として、刑法施行法の第3条があります。 刑法施行法(明治41年法律第29号) 第3条 法律ニ依リ刑ヲ加重減軽ス可キトキ又ハ酌量減軽ヲ為ス可キトキハ加重又ハ減軽ヲ為シタル後刑ノ対照ヲ為ス可シ 2 数罪ヲ犯シタル者ニ付テハ併合…

アカデミックなゲーム

どこからともなく教えていただいた話。いわゆる「学界ゲーム」の本当の問題点は、どのあたりにあるのでしょうか。 学界ゲーム 1.無能教員とつるんでいる無能院生が愚劣論文を書きなぐる。 2.愚劣論文の本数が揃うと無能院生は就職する。 3.職を得ると…

押送規則

受刑者処遇法の改正に伴い、施行令の改正が検討されています(警察庁パブコメ)が、そこでは押送(おうそう)についての規定も設けられるようです。 刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備等に関する政令案…

石井徹哉「無免許運転罪の故意」(岡野古稀133ページ)

事実的故意に評価的要素を含ませないという流れは近時かなり強くなっています。責任説の立場からも(たとえば山中敬一)、故意説の立場からも(たとえば浅田和茂)、事実的故意の過度の規範化に対して歯止めをかけ、法益侵害性の認識などに対して「故意の対…

刑事判例

【特別刑法判例研究】いわゆるピッキング防止法四条にいう「業務その他正当な理由による場合」に当たらないとされた事例(法律時報2007年5月号107ページ)「業務その他正当な理由」や「隠して」という、特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律第4…

告示をすべきとする省令を挙げればよいのか

地上デジタル放送への移行を定める法律(参議院法制局) http://houseikyoku.sangiin.go.jp/column/column071.htm 電波法は、有限な資源とも言うべき電波の割当てのため、総務大臣が周波数割当計画等の計画を定めることとしています。そして、平成13年の電波…

伊藤真実務法律基礎講座 知的財産法 第2版

- 伊藤真実務法律基礎講座 知的財産法 第2版作者: 伊藤塾出版社/メーカー: 弘文堂発売日: 2006/04/30メディア: 単行本 クリック: 2回この商品を含むブログ (3件) を見る - 伊藤真氏が、なぜか知的財産法の入門書を書いています。よくこれだけ幅広く書けるも…

すべては今日からです。

仕事がひと段落ついたらこのメモを更新しようと思っていたのですが、いつまでたっても「ひと段落」なんてつかないようです。やれやれです。