2015-01-01から1年間の記事一覧

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■大庭沙織「刑法上の故意と強制医療の対象行為該当性要件としての故意」(刑事法ジャーナル41号79ページ) <概要> ・刑法上の故意について、規範化説は不合理な認識を持った行為者の故意について妥当な結論を得ようと試みるものである。行為者が有した…

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■伊東研祐「故意と行為意思の犯罪論体系的内実規定」(川端古稀269ページ) <概要> ・最決平成16・3・22(クロロホルム吸引事件)では、被害者を昏倒させた(第1行為)うえ2キロ離れた場所で自動車ごと海中に転落させた(第2行為)が、被害者は…

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■城下裕二「医療観察法における対象行為の主観的要件について」(岩井古稀99ページ) <概要> ・「医療観察法と故意」の問題。立案担当者によれば対象行為は「構成要件に該当し違法ではあるが責任の有無は問わない」とされる。しかし法の目的に照らして、…

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■箭野章五郎「精神の障害にもとづく錯誤の場合の医療観察法における「対象行為該当性」判断」(刑事法ジャーナル41号70ページ) <概要> ・精神の障害に基づく錯誤において、故意が欠けると判断されれば、医療観察法の対象行為該当性も欠けることになり…

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■青木陽介「自動改札機を利用したキセル乗車の場合の電子計算機使用詐欺罪の成否」(上智法学論集58巻3・4号55ページ) <概要> ・東京地判の事案は、上野駅(又は鶯谷駅)で「130円切符」を購入して自動改札機で入場して宇都宮駅まで乗車して、あ…

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■岡上雅美「終身刑についての規範的考察」(川端古稀879ページ) <概要> ・わが国の「無期懲役」は、仮釈放運用が厳しく、平均在所期間は長期化傾向にある。施設内で死亡した無期刑受刑者も多く、文字通りの終身刑となっている。 ・しかし現行無期刑は…

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■高山佳奈子「違法性と責任の区別について」(川端古稀47ページ) <概要> ・大阪地判平成24.3.16では、「急迫不正の侵害を受けている認識」と「逃げる意思」を有していた行為者につき、過失を認めながら正当防衛を成立させた。しかし防衛の意思が…

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■三田菜穂「明治三十八年「刑ノ執行猶予ニ関スル法律」(法律第七十号)について」(成蹊法学81号1ページ) <概要> ・国際監獄会議の第4回会議(1890(明治23)サンクトペテルブルク)にて、刑の執行猶予(当時は「条件付判決」)が議題として上…

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きのうにひきつづき。 <読んで>の記述は、当該文献に対する言及だけでなく、かかる見解を敷衍するとこうなるかもしれないというものも含む。 ■松原芳博「刑法と哲学」(法と哲学1号57ページ) <概要> ・刑罰の正当化根拠のうちの応報刑論としては、(…

論文を読むことにしました。

最近読んでないな、と思って。 週5日、毎日1本のペースで1か月間を目標にしてみます。 ■鎌田隆志「危険ドラッグ事犯における故意に関する捜査とその立証」(警察学論集68巻3号42ページ) <概要> ・危険ドラッグには定義がなく、「規制薬物」(覚せ…