2008-01-01から1年間の記事一覧

法律効力(5・完)

前回(id:kokekokko:20081010#p1、id:kokekokko:20080910#p1、id:kokekokko:20080908#p2、id:kokekokko:20080906#p1)のつづき。 「法律としての効力」について、形式面と内容面があることは前回書きました。では、これら両者の関係については、どのように考…

法律効力(4)

「法律効力」という概念には、形式面と内容面の2種類があります。まず、形式のうえでの法律効力は、その改廃が法律によるべきかどうかというものです。のちに法律で効力を付与されたポツダム命令や、太政官布告の大部分が、形式のうえでの法律効力を認めら…

続・返信(1)

ひきつづき返信です。 まず、昭和49年建設省令第1号と法令番号について。 昭和49年建設省令第1号 都市緑地保全法【中略】の規定に基づき、並びに都市緑地保全法を実施するため、都市緑地保全法施行規則を次のように定める。 都市緑地保全法施行規則 (収容委…

返信と検討(後編)

前回(id:kokekokko:20080908#p1、id:kokekokko:20080914#p1)につづいて、みうらさんからのコメントについて検討します。まず、 http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/B6B5BB00703012A349256D41000A77D3.pdf 東京高判昭和50年9月10日行政事件裁判例集26巻9号…

返信と検討(中編)

前回にひきつづき、みうらさんからいただいたコメントについて考えてみます。 まず、自動車交通事業法は廃止されているが自動車交通事業財団抵当登記取扱手続(司法省令)が廃止されていない、という件についてです。 たしかに自動車交通事業法は廃止されて…

法律効力(3)

前回(id:kokekokko:20080908#p2)のつづき。 法律によって命令が改廃される場合、その命令が「法律としての内容」を持っていると考えられていたということが多いです。罰則規定はもちろんのこと、たとえば、「第○条 内閣は、団体を指定(指定解除)する。」…

法律効力(2)

今回取り上げる法令をみてみます。まずは、刑事訴訟法施行法です。 刑事訴訟法施行法(昭和23年12月18日法律第249号) 第17条 司法警察事務上巡査に於て警部代理方(明治14年司法省布達甲第5号)及び裁判言渡の謄本等を求むる者費用上納額(明治14年司法省布…

返信と検討(前編)

今回は前回に引き続き、法律で改廃された命令についてみてみようと思いましたが、前回の記述についてみうらさんからコメントをいただいたので、先にそれについて検討してみます。 まず2006/8/8付の記事(id:kokekokko:20060808#p1)について。廃止直前の法令…

法律効力(1)

法律の改正や廃止は、法律によって行われます。また逆にいえば、法律によって改正・廃止することができる対象は、基本的には法律であるということになります。これは当然でして、政令や省令が法律よりも下位の法規範であるとしても、国会以外が制定・公布す…

条文記憶・会社法

前回(id:kokekokko:20080610)(民法)のつづき。このノートの概要はid:kokekokko:20080610:p1参照。1 株式会社1 設立 (株式会社の設立) 第25条1項 株式会社は、次に掲げるいずれかの方法により設立することができる。 1 次節から第8節までに規定すると…

条文記憶・民法総則

前回(id:kokekokko:20080609)のつづき。このノートの概要はid:kokekokko:20080610:p1参照。3 権利主体1 権利能力・意思能力・行為能力 (未成年者の法律行為) 第5条 未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。ただし…

民法・会社法条文記憶ノート

数学・物理の公式集みたいなものである。ゆえに、 ・厳密な正確さにこだわるより、おおまかに割り切る記述を心がけた。 ・学問としての新規性は全くない。オリジナルの解釈や新しい資料は含まれていない。また、学説や判例を網羅しているものでもない。 ・こ…

条文記憶・民法総則

民法条文記憶ノート前回(id:kokekokko:20080605)のつづき。数学・物理の公式集みたいなものである。ゆえに、 ・厳密な正確さにこだわるより、おおまかに割り切る記述を心がけた。 ・学問としての新規性は全くない。オリジナルの解釈や新しい資料は含まれて…

条文記憶・民法総則

民法総則条文記憶メモこのメモは数学・物理の公式集みたいなものである。ゆえに、 ・厳密な正確さにこだわるより、おおまかに割り切る記述を心がけた。 ・学問としての新規性は全くない。オリジナルの解釈や新しい資料は含まれていない。また、学説や判例を…

条文の記憶

ある程度法律の学習が進んだ者が条文を覚えていくのに使う条文集を作る、ということで雛型をアップしてみました。 今回は民法総則の代理です。復代理などの細かいところは除いて、代理制度のおおまかな枠組みを把握するというレベルです。条文は3つ程度に絞…

汽車検疫

先日(id:kokekokko:20080505)のつづき。 汽車検疫規則が内務省令であることからもわかるとおり、検疫は内務省衛生局の所轄でした。 汽車検疫規則 第2条 汽車中ニ伝染病患者又ハ死者アリタルトキハ患者ハ之ヲ市町村立ノ伝染病院又ハ隔離病舎其ノ他適当ノ場…

鉄道と法

wikipedia・鉄道営業法では、次のような記述があります。 鉄道営業法(てつどうえいぎょうほう;明治33年3月16日法律第65号)は、鉄道運送に関する民法及び商法並びに刑法の特別法である。最近の改正は、平成11年(1999年)12月22日法律第160号。 「最近の改…

論説

著作権法における私法的解釈と刑法的解釈(青山法学論集第49巻3号1ページ)winny事件の正犯判決*1に関して、「光が電気でないから光ファイバーは電気通信回線にも有線電気通信にも該当しない」という見解に対して検討しています。 本件は、刑事事件であるか…