著作権法の検討・リンクと著作権(1)

ここでも検討してみます。初心者向けに解説する気はないので、条文とか用語の参照は適当に検索で。

まず前提ですが、ハイパーリンクを張ること(アンカータグの使用、要するにブラウザで文字が青くなって文字の下に線がつく類のもの)は、リンク先文書の場所を示しているだけですから、複製や引用にあたらず、著作権を侵害しません。そのあたりは後藤斉のページを参照してください。
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そのうえで、画像へのリンクについて検討してみます。
これについては、たとえば以下のサイト様が書かれています。
「電子ネットワークの知的所有権法」
F.A.Q.
バーチャルネット法律娘 真紀奈17歳
★ 新聞記事の見出しの引用と無断リンクの禁止について 〜Ver.2〜★

ただし、Webページ内で使用されている画像等のファイルのみにリンクをはるという方法の場合、侵害を言える可能性があります。

以下、ここでいう画像形式とは、画像形式のmimeのファイルです。HTML上でテキストによって描かれた文字絵のたぐいは含みません。また、自分のサイト内に他人の画像をIMG要素のSRC属性で表示させる類のリンクではなく(それならば明らかに著作権侵害です)、画像データのURLを表記する形式のリンクです。この形式ならば、現在地のサイトとリンク先のサイトを混同するおそれはなくなります。

以前から言っていることなのですが、HTMLファイル(以下HTML)への無断リンクを認めておいて、画像形式ファイルへの無断リンクが侵害であるというのは、少々矛盾しています。
つまり、HTMLへの無断リンクが自由である根拠として「一度サーバにアップさせたものは公開されたものとみなす」「リンクは参照であり、公開されたHTMLの場所を教えているに過ぎないから、引用ではない」というのなら、全く同様のことが画像についても当てはまるわけです。
逆に、

本来はリンク先のページの構成部分の一つであった画像が、それ単体で表示されることになってしまうわけですから、

などという理由で画像への無断リンクが侵害になる可能性がある、と言ってしまえば、まったく同様のことが、フレームの一部へのリンク、つまり、相手がフレームを用いてページを構成している場合にそのページを構成する一部のHTMLだけに単独でリンクすること、についても当てはまります。
「リンク先のページの作者が意図していたものとは違う形に表示されてしまう」という点においては、画像への直接リンクも、フレームの一部へのリンクも、本質は同じだからです。

ここでもし、画像とHTMLは扱いが違うのだというならば、文章をgifなりpngなりで画像化してしまえば無断リンクできなくなるわけです。そのように、保存形式やmimeタイプによる差異で著作権上の扱いが異なるというのは、不合理でしょう。

それに、フレームの一部へのリンクだって「リンク先のページの作者が意図していたものとは違う形に表示されてしまう」わけです。もしそれも無断リンクできないならば、フレームで構成されたページにはことごとくリンクできないことになるでしょう。

私の主張はその先にあるのですが、それは次回に。