ゲームの目標(5)

さて次は、スターソルジャー*1です。プレイヤーの意思にかかわらず前方へスクロールする、いわゆる強制スクロール型のゲームです。
これについても、解釈は2とおりあります。まず、スターソルジャーというゲームはサバイバル型であり、目標は死亡結果の回避であり、そしてゲーム終了条件は一定地点への到達である、という解釈です。そしてもう一つの解釈は、目標は一定地点への到達であり最終ボスの撃破である、というもの(任務遂行型)です。ふつうはこっちの解釈を取りますよね。スターソルジャーの目標はラスボスの撃破だ、と。

しかし、スーパーマリオとの相違は、このゲームは強制スクロールであるゆえに、トークン(駒のこと)である自機が、勝手に進みます。つまり、イヤでも一定地点にたどり着きます。そうなると、地点到達がプレイヤーの任意ではないので、サバイバル型のゲームと考える余地が出てきそうです。
この両方の解釈の相違は、プレイヤーが選択する行動の相違に現れます。任務遂行型のゲーム(ほとんどがサドンデス制です)の場合は、じっとしていても始まらないので、プレイヤーはともかく行ける所に行こうとします。情報を探し、自己を強化し、そしてめざすものへと突き進むわけです。これらの点、いわば攻めの楽しさに、ゲームの面白さがあるわけです。いっぽうサバイバル型は、じっとしていて生き残れるならそれにこしたことはありません。それではゲームとして面白くないので、制作者はいろいろとプレイヤーに刺客を送りこみます。プレイヤーは、これら刺客から身を守る点に面白さを見出します。敵の弾をよける面白さはこれでしょう。

では、スターソルジャーが楽しいのはなぜでしょうか。
攻めの楽しさを持ち出そうとしても、敵が出てくるタイミングは一定です。なにせ強制スクロールですから。自機のパワーアップも、敵の襲撃に備えてのことです。スターソルジャーの楽しさは、この、「来るなら来い!」と思わず叫んでしまいたくなるような気持ち良さにあるわけです。どうやら、スターソルジャーの目標は、「死なないこと」にある、といえそうです。すくなくとも、そう考えたほうがこのゲームの面白さがよく捉えられます。

ところが、スターソルジャーでは、ボス戦ではスクロールしません。ボスを倒さないと前に進めないのです。ですからスターソルジャーでは、ボス戦の時には、サドンデス制の任務遂行型ゲームになります。

というわけで、スクロールの状態というのは、ゲームの性質を変えてしまうほどに影響力が強いものなのです。

*1:どうでもいいことですが、にわとりネットの管理人は、このゲームが異様に上手いです。私は苦手です。