AV機器とルーミングとの対話、そしてオーディオの独り言(その3・完)

前回(id:kokekokko:20041005#p1)のつづきです。個室に置く物をいろいろ考えてみます。

■ヘッドフォン
広くなく、大きい物がたくさんある部屋では、ヘッドフォンも役に立ちます。ヘッドフォンは、大まかに分類するとオープンエア型と密閉型(クローズド)とに分けられます*1。オープンエアは背面(外側)から音が漏れる構造になっていて、自然なリスニングができます。いっぽう密閉は背面から音が漏れないようになっています。両者のどちらがいいかは好みの問題ですが、圧迫感が少ないオープンエアのほうが疲れない傾向があります。私は両方持っています。
はまぞうではオーディオテクニカが紹介できるようです。オーディオテクニカはスタジオモニタ的な音が少しするのであまり好きではないのですが、ATH-A900は(唯一の)好みです。

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audio-technica アートモニターヘッドホン ATH-A900

audio-technica アートモニターヘッドホン ATH-A900

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このまえのAAでは、小林貢がゼンハの折りたたみPXC-250をすすめていました。ノイズガード機能というのが、いかにも持ち運び式っぽい機能です。リモコンにしては大きすぎる(そして重い)電源なんかも本格派っぽいです。音もゼンハとしてはかなりいいです。
でもって私の本命はAKGです。K501は自分の耳に慣れるともう手放せなくなります。K301 XTRAも気になっていて、店に行くたびに聴いているのですが、 この製品のセミオープン(開放と密閉の中間)はどうも両者の悪い点が強調されているような気がして(圧迫感があって低音が弱い)、個人的には次点です。

■本棚
私の部屋には専用の本棚がなくて、カラーボックスとスチールラックを使っています。理由は、本棚が高いからなのと、自由度が小さいからです。カラーボックスは小さいから置き場所の工夫ができるのです。
しかし、高いにはそれなりの理由があって、やっぱり本という重い物を専用に収納するために設計されたものは質がいいのかな、なんて最近は思っています。カラーボックスはですね、無駄に奥行きがあるからスペースを取るのです。でもって本が奥にいってしまうから取り出しにくいですし。そして安物のカラーボックスはすぐに痛みます。
でもってスチールラックも同じように奥行きがあるから取り出しにくいです。加えて、スチールラックの上に置いた本は並べにくいのです。すぐ滑って倒れるので。これについては、私の仕事先では、スチールラックの棚部分だけ木材を使っています。これは参考になりそうです。
収納用のラック類の質では、まず接続部分、つまり壁板が棚を支えている部分が大切だと思います。安物はこの部分がチャチで、私のカラーボックスやスチールラックでも数本のビスネジだけで止めている状態です。この部分の強度が、結局、板にどれだけの重さの物を載せることができるかを決定するのです。ですから、私が持っている安いスチールラックは、見た目に反して重いものは載せられないのです(載せていますが)。

■機械用の棚
同じような話をかぶせてしまってすみません。オーディオ用、PC用、あるいは無線用の機械を収納するために最もふさわしいラックとして、まず思いつくのが金属性でしょう。見た目にもいちばんしっくりきます。
ところが、金属性のものは意外と頑丈ではないのです。それに本と違って、機械類はいろいろな操作方法があります。機械そのものを出し入れするという場面は少ないですが、CDプレイヤーなら機械前面を操作しますし、プリンタなら上部を使います。そのあたりをいろいろ考えると、けっこう置き方には頭を使ってしまいます。私の場合、PC用のモニタをラックに置いているのですが、できるだけスペースを稼ごうとして狭い棚板間隔でがんばろうとして、結局、先にモニタを置いてからそのあとでラックを組みたてました。ですから、モニタを取り出そうと思えば、ラックの板を取り外さないといけないんですね。こうなると、スチールラックはそれ自体で一つの大きな機械だといえそうで、そして、それこそが私の好みです。
ですが、AV機器についていえば、TVの下に置きそうな木製ラックとかそういうものよりもスチールラックのほうが優れている面があります。それは横や後ろが開いているということです。機器背面の接続変更が容易だというメリットもありますし、なにより、機器の美しさは背面にこそ宿っているものなので、後ろが見えるというのは非常に大切です。逆に、機械が目立つのはイヤだ、ラックの中に入れておくべきだ、と考えたのであれば、その方はそもそも私のサイトと相性が合っていないのです。

■PCの収納
さて、ノートPCならそれほど収納の問題は起こらないでしょうが、デスクトップ、しかも周辺機器がいっぱいついている場合には置き場所を考える必要があります。これについて、いわゆるパソコンデスクは評判が悪いです。機能的ではない、疲れる、と。
参考までに、林望を引用してみます。

ここで補足すると、そこらの家具センターなどで売っているような何段にもなっている安物のコンピュータデスクだけはやめたほうがいい。ディスプレイを真ん中の段に置いて、上段にプリンター、下段に紙を置いてというやつですが、ああいうものを使うぐらいだったら、ふつうの机のほうがまだまし、とそれが私の経験的真実であります。(「書斎の造りかた」)

しかし「ふつうの机」もそれはそれで不便です。彼自身、キーボード台がついている机が理想だと言っています。そして、両サイドには機械や本棚があるとすぐに手が届いて便利ですから、結局、見た感じでは閉塞感がありそうなブース状のスペースがいちばん機能的です。スピーカーは、この状態で大きな物を使うことができない(貴重な場所を取ってしまう)ので、小さいブックシェルフのものがいいです。照明も、背後から頭越しに手許を照らす感じになればいいと思います。
そうなると、まずテーブルっぽい机を壁にくっつけて置いて、椅子を置く。そしてその両側にラックとかカラーボックスとかを並べる。という置き方がいいかな、と思います。これで3畳ほどだから、大きさもしっくり来ます。
 
というわけで、続きはまた、いつの日にか。

*1:静電型とダイナミック型(動電型)という分類もできますが、売られている製品の大半はダイナミック型です。静電型は専用のアンプが必要になります。