デジタル放送の録画(その1)

今日は初心者〜中級者向けに書いてみます。次回あたりで完結する予定です。
(1)放送の録画
放送(たとえばテレビ番組)の再生は、次のような信号の流れを踏みます。
 
<音声> アンテナ → チューナー → アンプ → スピーカー 
<音声>      (電波信号) (音声信号) (増幅音声)
 
<映像> アンテナ → チューナー → ディスプレイ
<映像>      (電波信号) (映像信号) 
 
通常のテレビ受信機では、チューナー以下すべてが内蔵されているので、この流れを意識することはないかもしれません。でもって、録画の場合は、音声・映像信号を記録することになります。通常のビデオデッキやDVDレコーダも、たいていチューナーが内蔵されていますので、アンテナからの電線に直接つなげばいいです。
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ところで、映像放送の種類としては、「地上」と「衛星」とにまず分かれます*1。そしてその両方に、アナログとデジタルとが存在します。というわけで、これらの組み合わせをちょっと見てみます。
「地上アナログ」とは、いわゆる地上波、ふつうのTV放送です。そのうち消えるとかいろいろ言われています。地上アナログ用のチューナーは、ほとんどがディスプレイ・ビデオデッキなどに内蔵されています。
地上デジタル」とは、デジタル圧縮した信号を送信するしくみです。最近はじまった仕組みで、ハイビジョン放送もあります。
「衛星アナログ」は、NHK衛星とかWOWOWとかのチャンネルが長く続いていました。これもそのうち消える運命です。衛星放送専用のアンテナやチューナが必要なのですが、基本的なしくみは地上アナログと同じです。
「衛星デジタル」は、デジタル圧縮した信号を衛星で送信するしくみです。使用している衛星の違いによって、BSデジタルとCSデジタルとがあり、それぞれのハイビジョン放送もあります。
 
(2)ハイビジョン放送の録画
さてここでの問題は、デジタル放送、とくにハイビジョン*2の録画です。というのも、普通に録画したのではハイビジョンでの録画にはならないのです。録画での映像信号の流れを追ってみますと、
 
<映像> アンテナ  →  チューナー → 録画装置
<映像>      (デジタル電波) (デジタル映像信号) 
 
となります。録画されるのはあくまで映像信号ですから、どんな録画装置でも接続さえきっちりすれば全ての映像放送を録画できます。しかし、画質が高い信号を、わざわざ低い画質に落として録画するというのは、どうにももったいない話です。
録画装置を大きく分けると、アナログ録画にはVHSやS−VHSなどのビデオデッキがあり、デジタル録画にはHDDレコーダ、DVDレコーダ(メディア規格がいくつかあります)、D−VHSデッキ、そしてブルーレイ(Blu-ray)レコーダなどがあります。
でもって、ハイビジョン放送をそのまま録画できるものは、ハイビジョン対応をうたっている一部の装置、つまり、HDDレコーダ、D−VHSデッキ、そしてブルーレイです。
実は、この時点で私は本気でブルーレイを買おうかと思ったくらいです。HDDレコーダは保存がきかない(すぐにHDの容量がいっぱいになってしまう)から苦しいし、個人的にテープメディアは好きではないのでD-VHSもしっくりこないですし。
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ここでさらに解決すべき問題があります。まず、アナログの場合と違い、デジタル映像信号では、録画用デッキにチューナーが必ずしもついているわけではない、という点です。ふつうのDVDレコーダにはアナログ放送のチューナーがついていますが、デジタル放送のチューナーがついているとは限りません。というか、ついていないほうが多いです。逆に、ディスプレイの側にデジタルチューナがついていることが多いです。ですが、古いTVなんかを使う場合には、デジタルチューナを別途使う必要があります。
次の問題として、デジタル放送のコピープロテクトがあります。特に、CPRMに対応したメディアは少なく、DVD-Rでも無理です。コピーワンスなのに録画できないことになります。

*1:「ケーブル」はいったん措きます

*2:アナログ放送にもハイビジョンはありますが、ここではデジタルのみ扱います。