精神医療に関する条文・審議(その65)

前回(id:kokekokko:20051009)のつづき。初回は2004/10/28。
平成5年法律第89号(行政手続法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律)による精神保健法改正をみてみます。
行政手続法の施行により、精神病院指定の取消についての弁明手続が整備されました。ここでは、それに伴う法改正に関する議論に絞ってアップします。

行政手続法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案【第102条と附則第1条、13条〜15条】
精神保健法の一部改正)
第102条 精神保健法(昭和二十五年法律第百二十三号)の一部を次のように改正する。
  第十一条第二項中「、指定病院の設置者にその取消しの理由を通知し、弁明及び有利な証拠の提出の機会を与えるとともに」を削る。
  第十九条の二第三項中「、その相手方にその処分の理由を通知し、弁明及び有利な証拠の提出の機会を与えるとともに」を削る。
 
 附則
(施行期日)
第1条 この法律は、行政手続法(平成五年法律第八十八号)の施行の日から施行する。
 
(諮問等がされた不利益処分に関する経過措置)
第2条 この法律の施行前に法令に基づき審議会その他の合議制の機関に対し行政手続法第十三条に規定する聴聞又は弁明の機会の付与の手続その他の意見陳述のための手続に相当する手続を執るべきことの諮問その他の求めがされた場合においては、当該諮問その他の求めに係る不利益処分の手続に関しては、この法律による改正後の関係法律の規定にかかわらず、なお従前の例による。
 
(罰則に関する経過措置)
第13条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
 
聴聞に関する規定の整理に伴う経過措置)
第14条 この法律の施行前に法律の規定により行われた聴聞、聴問若しくは聴聞会(不利益処分に係るものを除く。)又はこれらのための手続は、この法律による改正後の関係法律の相当規定により行われたものとみなす。
 
政令への委任)
第15条 附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関して必要な経過措置は、政令で定める。
 
理由
行政手続法の施行に伴い私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律その他の関係法律の規定を整備する必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

第128回衆議院 内閣委員会会議録第1号(平成5年9月17日)
○左藤委員長 次に、内閣提出、行政手続法案及び行政手続法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案の両案を一括して議題といたします。
 趣旨の説明を聴取いたします。石田総務庁長官。
○石田国務大臣 ただいま議題となりました行政手続法案及び行政手続法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明いたします。
 まず、行政手続法案について御説明いたします。
 行政手続の法的整備については、昭和三十七年に行政庁の処分に対する不服申し立ての手続を定める一般法として行政不服審査法が制定されておりますが、行政庁の処分の事前手続についてはこれまで一般法がなく、個別の法律による措置にゆだねられてきております。このため、従来から、事前手続における不備・不統一が生じていること、必要な手続規定が欠如しているものがあること等の指摘がなされております。また、近年においては、行政運営において行政指導が多用される傾向があること、あるいは処分によっては審査の処理や基準が明確にされていないこと等の指摘がなされるなど、国内のみならず諸外国からも、公正で透明な行政運営の確保を求める声が高まっております。
 このような情勢にかんがみまして、政府におきましては、さきに臨時行政改革推進審議会に対して行政手続法制の統一的な整備について諮問し、審議を求めておりましたところ、一昨年十二月に答申を得ましたので、これに基づきまして、このたび行政手続法案として取りまとめたものであります。
 以下、法律案の内容について、その概要を御説明いたします。
 この法律案は、行政庁の処分、行政指導及び届け出に関する手続に関し、共通する事項を定めることによって、行政運営における公正の確保と透明性の向上を図り、もって国民の権利利益の保護に資することを目的とするものであります。
 この法律案の要点は、【略】第二に、不利益処分につきまして、行政運営における公正の確保を図るとともに、処分の相手方の権利利益の保護を図る観点から、必要な規定を整備するものであります。すなわち、不利益処分をしようとする場合には、相手方に意見陳述の機会を与えるため、あらかじめ通知するとともに、許認可の取り消し等の処分については聴聞手続、その他の不利益処分については弁明の機会の付与の手続をとることとし、それぞれについて、所要の規定を整備することといたしております。また、不利益処分をするかどうかの判断の基準を定め、公にしておくよう努めるとともに、不利益処分をする際には、その名あて人に対し、原則として、その理由を示すことといたしております。
 【略】
 次に、行政手続法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案について御説明いたします。
 この法律案は、行政手続法が、行政庁が処分を行おうとする場合の手続に関する一般法として施行されるのに伴いまして、関係法律三百六十件について、必要な規定の整備を行おうとするものであります。
 以下、法律案の内容について、その概要を御説明いたします。
 第一に、行政手続法の規定と重複する手続規定を削除したことであります。このうち、行政手続法において、不利益処分をする場合には、原則として、聴聞手続または弁明の機会の付与の手続をとることとしたため、関係法律において既に存在している同趣旨の規定を削除しております。
 【略】
 これらは、いずれも、行政手続法の趣旨及び現行制度の運用の実態等に照らし必要とされる関係法律の改正であります。
 以上が、行政手続法案及び行政手続法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案の提案理由及びその内答の概要であります。
 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願いを申し上げます。
○左藤委員長 これにて両案についての趣旨の説明は終わりました。

第128回衆議院 内閣委員会会議録第2号(平成5年9月19日)
○田口委員 そこで、行政手続法が施行されますと、実際に行政あるいは国民生活にどういう変化が起きてくるのか、一応頭の中ではイメージとしてはわかるのですが、なかなか具体的に、じゃ、どれが、どういうことがどう変わっていくのだということなどがちょっとまだ一つわからない点もあるわけで、少しその辺を幾つか具体的に説明をしてほしいと思います。
○八木政府委員 行政手続法が、今回お願いをいたしております法律が制定されることになりますといたしますと、例えて申しますと、申請に対する処分につきましては審査基準が原則公開される、こういうことでございます。行政運営の透明性が向上するということになろうと思います。したがいまして、また、許可、不許可の予見可能性が高まっていくわけでございまして、目安がつけやすい、こういうように一般の市民あるいはまた経済諸分野の側からは見ることができようかと思うわけでございます。
 さらにまた、標準処理期間、これを設けることによりまして、申請者側といたしますと処理の目安が明らかになるということがございますし、また、標準処理期間に合わない行政運営でございますと、行政側の処理の迅速化、これが当然求められる、批判され、かつ、それをばねとして迅速化が図られる、こういうことではないかと考えております。
 二番目に、不利益処分につきましては、これは理由を明示することにいたしておりますので、行政運営の透明化が図られるのではないかというふうに考えている次第でございます。
 不利益処分をしようとする場合には、原則といたしまして、その相手方に意見陳述の機会を与えなければならない、こういう基本原則を御提案を申し上げている次第でございまして、これによりまして国民の権利利益の保護に資するということになるとともに、意見陳述の方法が聴聞、弁明手続に統一される、法律ごとのばらつきが解消されるということになろうかと思いますので、国民にとってもわかりやすい仕組みということになるのではないかと考えている次第でございます。
 第三点に、行政指導でございますが、これにつきましては、いろいろと政府の行政指導のあり方について論議があることは私ども承知しているところでございますが、このあり方を改善していく、相手方の求めに応じて書面を交付するなど、その明確性、透明性、これを向上させていく、その上で、さまざまな御批判あらば受けとめてまいる、こういう行政体質に持っていこうということでございまして、さまざまな効果がこれから期待されるのではないかと考えている次第でございます。
 許認可等の全体のあり方につきましては、現に国民生活のさまざまな面に関連がございます。このような行政手続法の制定が仮に図られるといたしますと、その許認可行政の公正・透明性の向上といった観点から、現在問題になっております公的規制の運用面での改善にも大きく結びついていくのではないかと考えている次第でございます。
○田口委員 そこでもう一点、これが施行されてまいりますと、整備法からいっても三百件を超える法律が改正をされていく。ほとんどの行政機関あるいは行政事務の分野において影響が出てくるわけですね。この手続法というのが法律の趣旨どおりに正しく実施をされていくかどうかという点について、それをチェックする、あるいはフォローしていくということはどこかの、総務庁なら総務庁でそのことをやっていくのか、そういうことについては一体どうお考えになっているのでしょうか。
○八木政府委員 行政手続法は、行政の全体を対象といたします関係で、その施行につきましては政府全体がこれに取り組む、こういうことは当然でございますが、なかんずく、手続法本体を御提案申し上げております私ども総務庁といたしましては、この運用につきまして共通的に責任を持たなければならないと考えているところでございます。
 仮に手続法を御議了いただきますと、当面の運用に関するその施行方針、運用方針を明らかにした文書を各省にお示しを申し上げないといかぬなと思っている次第でございます。そして、この法律の趣旨を十分徹底し、運用方針の具体化を図ってまいりたい。そして、各省におかれましては、政省令の改正あるいはまた各省内部の運用基準、こうしたことをお考えをいただく。そしてまた、下部機関にも十分この法律の趣旨を御徹底をいただくという必要があろうかと思います。さらには、職員研修等の機会を通じまして、職員一人一人にこの法案の趣旨が十分理解されるように、これは努力をしていかなければならない、そんなふうに考えている次第でございまして、あえて一年という施行期間をお願いを申し上げておりますのも、そうした趣旨からでございます。

第128回衆議院 内閣委員会会議録第3号(平成5年9月21日)
○左藤委員長 この際、行政手続法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案に対し、松本善明君から修正案が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を求めます。松本善明君。
○松本(善)委員 日本共産党を代表して、ただいま議題となっております行政手続法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案に対して、修正案の提案理由とその内容の概要を御説明申し上げます。
【略】
 修正案の概要は、国税通則法並びに地方税法を適用除外にしている行政手続法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案第六十四条及び第三百五十五条を削除するとともに、所要の規定を整備するものであります。
 以上が修正案の提案理由とその概要であります。
 委員各位の御賛同をいただき、速やかに可決されますことを要望いたしまして、修正案の趣旨説明を終わります。
○左藤委員長 これにて修正案についての趣旨説明は終わりました。
○左藤委員長 これより両案及び修正案を一括して討論に付するのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 まず、行政手続法案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○左藤委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 次に、行政手続法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案及びこれに対する修正案について採決いたします。
 まず、松本善明君提出の修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○左藤委員長 起立少数。よって、松本善明君提出の修正案は否決されました。
 次に、原案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○左藤委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

第128回衆議院 本会議会議録第6号(平成5年9月26日)
○議長(土井たか子君) 日程第一、行政手続法案、日程第二、行政手続法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案、右両案を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。内閣委員長左藤恵さん。
    〔左藤恵君登壇〕
左藤恵君 ただいま議題となりました両法律案につき、内閣委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 まず、行政手続法案について申し上げます。
 本案は、行政運営における公正の確保と透明性の向上を図り、もって国民の権利利益を保護しようとするもので、その主な内容は、
【略】
 第二に、不利益処分について処分の判断基準を定め、聴聞手続、弁明手続を保障すること、
【略】
 次に、行政手続法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案についてでありますが、本案は、行政手続法の施行に伴い重複する手続規定を削除すること、聴聞の名称を整理すること、独自の手続体系が定められているものについて行政手続法の規定の対象から除外すること等、関係法律三百六十の規定を整備しようとするものであります。
 両法律案は、九月二十七日本委員会に付託され、十月十四日石田総務庁長官から提案理由の説明を聴取し、十九日質疑に入り、二十一日参考人の意見を聴取するなど慎重に審査を行い、同日質疑を終了いたしましたところ、行政手続法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案に対し、日本共産党から修正案が提出され、趣旨説明の後、採決の結果、修正案は賛成少数をもって否決され、両法律案はいずれも全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
○議長(土井たか子君) 両案を一括して採決いたします。
 両案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(土井たか子君) 御異議なしと認めます。よって、両案とも委員長報告のとおり可決いたしました。

第128回参議院 内閣委員会会議録第1号(平成5年10月28日)
○委員長(岡部三郎君) 行政手続法案及び行政手続法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案、以上両案を一括して議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。石田総務庁長官。
国務大臣石田幸四郎君) ただいま議題となりました行政手続法案及び行政手続法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案について、その提案理由及び内客の概要を御説明いたします。
 まず、行政手続法案について御説明いたします。
 行政手続の法的整備については、昭和三十七年に行政庁の処分に対する不服申し立ての手続を定める一般法として行政不服審査法が制定されておりますが、行政庁の処分の事前手続についてはこれまで一般法がなく、個別の法律による措置にゆだねられてきております。このため、従来から、事前手続における不備・不統一が生じていること、必要な手続規定が欠如しているものがあること等の指摘がなされております。また、近年においては、行政運営において行政指導が多用される傾向があること、あるいは処分によっては審査の処理や基準が明確にされていないこと等の指摘がなされるなど、国内のみならず諸外国からも、公正で透明な行政運営の確保を求める声が高まっております。
 このような情勢にかんがみまして、政府におきましては、さきに臨時行政改革推進審議会に対して行政手続法制の統一的な整備について諮問し、審議を求めておりましたところ、一昨年十二月に答申を得ましたので、これに基づきまして、このたび行政手続法案として取りまとめたものであります。
 以下、法律案の内容について、その概要を御説明いたします。
 この法律案は、行政庁の処分、行政指導及び届け出に関する手続に関し、共通する事項を定めることによって、行政運営における公正の確保と透
明性の向上を図り、もって国民の権利利益の保護に資することを目的とするものであります。
 この法律案の要点は、【略】第二に、不利益処分につきまして、行政運営における公正の確保を図るとともに、処分の相手方の権利利益の保護を図る観点から、必要な規定を整備するものであります。すなわち、不利益処分をしようとする場合には、相手方に意見陳述の機会を与えるため、あらかじめ通知するとともに、許認可の取り消し等の処分については聴聞手続、その他の不利益処分については弁明の機会の付与の手続をとることとし、それぞれについて、所要の規定を整備することといたしております。また、不利益処分をするかどうかの判断の基準を定め、公にしておくよう努めるとともに、不利益処分をする際には、その名あて人に対し、原則として、その理由を示すことといたしております。
【略】
 次に、行政手続法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案について御説明いたします。
 この法律案は、行政手続法が、行政庁が処分を行おうとする場合の手続に関する一般法として施行されるのに伴いまして、関係法律三百六十件について、必要な規定の整備を行おうとするものであります。
 以下、法律案の内容について、その概要を御説明いたします。
 第一に、行政手続法の規定と重複する手続規定を削除したことであります。このうち、行政手続法において、不利益処分をする場合には、原則として、聴聞手続または弁明の機会の付与の手続をとることとしたため、関係法律において既に存在している同趣旨の規定を削除しております。
【略】
 これらは、いずれも、行政手続法の趣旨及び現行制度の運用の実態等に照らし必要とされる関係法律の改正であります。
 以上が、行政手続法案及び行政手続法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案の提案理由及びその内客の概要であります。
 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願いを申し上げます。

第128回参議院 内閣委員会会議録第3号(平成5年11月4日)
○委員長(岡部三郎君) 
 行政手続法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案の修正について聴濤君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。聴濤弘君。
○聴濤弘君 私は、日本共産党を代表して、行政手続法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案に対する修正案を提出いたしまとおりでごます。
 【略】
 以上の立場に立って、政府案に対する最低限の修正措置として、政府案が行政手続法から適用除外している国税通則法並びに地方税法を適用させる修正案を提案するものです。修正案の概要は、国税通則法並びに地方税法を適用除外している行政手続法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案第六十四条及び第三百五十五条を削除するとともに、所要の規定を整備するものであります。
 以上が修正案の提案理由とその概要でございます。
 委員各位の御賛同をいただき、速やかに可決されますことを要望いたしまして、修正案の趣旨説明を終わります。
○委員長(岡部三郎君) これより両案並びに修正案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 まず、行政手続法案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(岡部三郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、行政手続法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案について採決を行います。
 まず、聴濤君提出の修正案の採決を行います。
 本修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(岡部三郎君) 少数と認めます。よって、聴濤君提出の修正案は否決されました。
 それでは次に、原案全部の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(岡部三郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。

第128回参議院 本会議会議録第5号(平成5年11月5日)
議長(原文兵衛君) 日程第六 行政手続法案
 日程第七 行政手続法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案
 日程第八 一般職の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案
 日程第九 特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案
 日程第一〇 防衛庁の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案
  (いず九も内閣提出、衆議院送付)
 以上五案を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。内閣委員長岡部三郎君。
   〔岡部三郎君登壇、拍手〕
○岡部三郎君 ただいま議題となりました五法案につきまして御報告申し上げます。
 まず、行政手続関係二法案について御説明申し上げます。
 行政手続法案は、行政庁の処分、行政指導及び届け出に関する手続に関し、共通する事項を定めることによって、行政運営における公正の確保と透明性の向上を図り、もって国民の権利利益の保護に資することを目的とするものでありまして、【略】第二に、不利益処分に関して、処分基準の設定・公表、聴聞または弁明機会の付与、不利益処分の理由の提示等について定めております。
【略】
 次に、行政手続法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案は、行政手続法が行政庁が処分を行おうとする場合の手続に関する一般法として施行されるのに伴いまして、関係法律三百六十件について必要な規定の整備を行おうとするものでありまして、本法の区分によれば、弁明によることとなる不利益処分に聴聞を認める特例、行政手続法の規定と重複する手続規定の削除、関係法律に規定されている聴聞等の名称の整理、行政手続法に定める規定の適用除外等に関して必要な措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、両案を一括して議題とし、規制緩和と行政手続法の関係、適用除外の理由、命令制定手続及び計画策定手続の整備問題等について質疑が行われ、また、参考人から意見を聴取いたしましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終わりましたところ、行政手続法整備法案に対し、日本共産党の聴濤委員より、国税通則法及び地方税法に係る申請に対する処分、不利益処分及び行政指導に関する一定の手続の適用除外規定を削除する修正案が提出されました。
 次いで、順次採決の結果、行政手続法案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定し、また、行政手続法整備法案は、聴濤委員提出の修正案を否決した後、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
【略】
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
○議長(原文兵衛君) これより採決をいたします。
 まず、行政手続法案、行政手続法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案及び一般職の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案を一括して採決いたします。
 三案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
○議長(原文兵衛君) 総員起立と認めます。
 よって、三案は全会一致をもって可決されました。

行政手続法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律(平成5年法律第89号)【第102条と附則第1条、13条〜15条】
精神保健法の一部改正)
第102条 精神保健法(昭和二十五年法律第百二十三号)の一部を次のように改正する。
  第十一条第二項中「、指定病院の設置者にその取消しの理由を通知し、弁明及び有利な証拠の提出の機会を与えるとともに」を削る。
  第十九条の二第三項中「、その相手方にその処分の理由を通知し、弁明及び有利な証拠の提出の機会を与えるとともに」を削る。
 
 附則
(施行期日)
第1条 この法律は、行政手続法(平成五年法律第八十八号)の施行の日から施行する。
 
(諮問等がされた不利益処分に関する経過措置)
第2条 この法律の施行前に法令に基づき審議会その他の合議制の機関に対し行政手続法第十三条に規定する聴聞又は弁明の機会の付与の手続その他の意見陳述のための手続に相当する手続を執るべきことの諮問その他の求めがされた場合においては、当該諮問その他の求めに係る不利益処分の手続に関しては、この法律による改正後の関係法律の規定にかかわらず、なお従前の例による。
 
(罰則に関する経過措置)
第13条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
 
聴聞に関する規定の整理に伴う経過措置)
第14条 この法律の施行前に法律の規定により行われた聴聞、聴問若しくは聴聞会(不利益処分に係るものを除く。)又はこれらのための手続は、この法律による改正後の関係法律の相当規定により行われたものとみなす。
 
政令への委任)
第15条 附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関して必要な経過措置は、政令で定める。
 
 内閣総理大臣 細川護熙
 法務大臣 三ケ月 章
 外務大臣 羽田孜
 大蔵大臣 藤井裕久
 文部大臣 赤松良子
 厚生大臣 大内敬伍
 農林水産大臣 畑英次郎
 通商産業大臣 熊谷弘
 運輸大臣 伊藤茂
 郵政大臣 神崎武法
 労働大臣 坂口力
 建設大臣 五十嵐広三
 自治大臣 佐藤観樹