精神医療に関する条文・審議(その123)

前回(id:kokekokko:20051209)のつづき。初回は2004/10/28。
ひきつづき、平成12年法律第111号による精神保健福祉法改正についてみてみます。

社会福祉の増進のための社会福祉事業法等の一部を改正する等の法律案【附則第1条、第2条、第30条】
 附則
(施行期日)
第一条 この法律は、平成十二年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、それぞれ当該各号に定める日から施行する。
 【略】
 
(検討)
第二条 政府は、この法律の施行後十年を経過した場合において、この法律の規定の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
 
(健康保険法等の一部改正)
第三十条 次に掲げる法律の規定中「社会福祉事業法」を「社会福祉法」に改める。
 【略】
 三 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(昭和二十五年法律第百二十三号)第四十七条第三項及び第五十条の三第二項
 【略】

第147回参議院 本会議会議録第25号(平成12年5月12日)
○議長(斎藤十朗君) この際、日程に追加して、
 社会福祉の増進のための社会福祉事業法等の一部を改正する等の法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(斎藤十朗君) 御異議ないと認めます。丹羽厚生大臣
   〔国務大臣丹羽雄哉君登壇、拍手〕
国務大臣丹羽雄哉君) 社会福祉の増進のための社会福祉事業法等の一部を改正する等の法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 社会福祉制度につきましては、少子高齢化核家族化の進展など社会構造の変化に対応して、だれもが家庭や地域の中で自立し、尊厳を持った生活を送ることができる制度の構築が求められております。こうした状況を踏まえ、措置制度など、社会福祉の仕組み全般にわたって見直しを行うこととした次第であります。
 以下、この法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。
【略】
 このほか、社会福祉施設職員等退職手当共済制度を見直すとともに、関係法律についても所要の規定の整備を行うこととしております。
 政府といたしましては、以上を内容とする法律案を提出した次第でありますが、衆議院におきまして、本法律案の施行日を平成十二年四月一日から公布の日に改める旨の修正が行われております。
 以上がこの法律案の趣旨でございます。(拍手)

第147回参議院 国民福祉委員会会議録第21号(平成12年5月18日)
○委員長(狩野安君) 次に、社会福祉の増進のための社会福祉事業法等の一部を改正する等の法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明及び衆議院における修正部分の説明を聴取いたします。丹羽厚生大臣
国務大臣丹羽雄哉君) ただいま議題となりました社会福祉の増進のための社会福祉事業法等の一部を改正する等の法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 社会福祉制度につきましては、少子高齢化核家族化の進展等社会構造の変化に対応して、だれもが家庭や地域の中で自立し、尊厳を持った生活を送ることができる制度の構築が求められております。こうした状況を踏まえ、措置制度等、社会福祉の仕組み全般にわたって見直しを行うこととした次第であります。
 以下、この法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。
【略】
 このほか、社会福祉施設職員等退職手当共済制度を見直すとともに、関係法律についても所要の規定の整備を行うこととしております。
 政府といたしましては、以上を内容とする法律案を提出した次第でありますが、衆議院におきまして、本法律案の施行日を、平成十二年四月一日から公布の日に改める旨の修正が行われております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその内容であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
【略】
○山本保君  それと少し関連しましてもう一つは、介護においては基本がまさに在宅サービスであると。ですから、ヘルパーさんということでその養成、そしてその配置、またヘルパー派遣の事業主の認定と、大変な状況でありますけれども、方針ははっきりしておりますし動いていると思うんですけれども、障害を持った方に対して在宅の支援、ヘルプというものについては、私は介護、老人の問題よりはどうもおくれているんではないかという気がいたします。この辺についてお伺いしたいんです。
 特に、精神障害者の方については、今までほかの障害と比べてどうも制度的にも壁があった、実際にも整備が進んでいないというふうに感ずるわけでございますけれども、この辺について今後どういう方針なのか、お聞きしたいと思います。
○政府参考人(今田寛睦君) 障害者のホームヘルプサービス、御指摘のように家庭でお世話をいただいている皆さん、あるいは自立して生活しようとしていらっしゃる方々にとって、このホームヘルプサービスというのは大変重要な機能を持っているだろうと思います。そういうこともありまして、障害者プランに基づいて現在その整備を進めているわけでありますが、その進捗状況につきましてはおおむね順調というふうに認識をいたしておりますし、平成十四年の目標達成に向けまして今後も整備を進めていきたいと考えております。
 障害者のホームヘルパーの養成研修につきましても、従来、高齢者のホームヘルパーと一体で行われておりましたけれども、障害者固有のニーズというものがさらにあるだろうということもありまして、平成十二年度、今年度から障害者ホームヘルパーの養成研修を行うことといたしております。
 それから精神障害者ホームヘルプサービスでございますけれども、精神障害者に対しても、例えば生活習慣の乱れでありますとか服薬の中断、あるいは過度なストレスが発生するといったようなことに対して一定の役割を演じていただく必要があろうかと思います。それで、昨年、精神保健福祉法を改正いたしまして、このホームヘルプサービス精神保健福祉法の上で法定化させていただきました。十四年度から本格実施をすることになっております。
 その主な理由は、従来の身体介護ということだけではなくて、先ほど申し上げました服薬の問題あるいはコミュニケーションの問題、そういったことについてヘルパーさん自身にもそういった意味で一定の理解を持っておいていただく必要があろうかということから、一定の準備期間を置いております。ただ、昨年度から精神障害者訪問介護試行的事業、いわばホームヘルプサービスでありますが、これを実施して、その試行結果を評価しつつ適切なホームヘルプサービス精神障害者に対して提供できるように今後も検討を重ねていきたい、このように思っておるところであります。
○山本保君 お聞きしますと一生懸命やっているということですが、まだ十四年からやるというような事業もあるようでありまして、これは地域型の福祉にしていくというのがひとつ大きな理念だと思いますので、それも含めまして、まずこういうことのあるべき姿を各団体やまた現場で頑張っている方を交えて、研究費を大至急国としては用意して、ぜひことしじゅうにでも研究をきちんと開始すべきじゃないかなという気もするんです。
 ちょっと細かい話になりますけれども、私は、各団体の方、地域の方が大変心配されておりますので、大丈夫だと、前向きにやっていくんだというためにも、まず大至急研究費をことしじゅうにとって研究開始すべきではないかと思います。具体的な提案ですが、いかがでございましょうか。
○政府参考人(炭谷茂君) 今回の改正におきましては、小規模な通所授産施設の取り扱いなど、また地域福祉の推進というようなことを柱にいたしておるわけでございます。新しい地域型の福祉サービスをつくろうということにしておるわけでございます。何分にも新しい分野でございます。いろいろな地域の特性とか、また住民をどのように参加させるか、また経営をどのようにしたらいいか、新しいいろいろと研究しなければならない課題、開発していかなければならない課題というのは御指摘のようにたくさんあるだろう、そして本当にそのようなサービスを創造していくということが重要であろうと思っております。
 このような見地からこのような研究を深めていくということが望まれるわけでございますので、今、先生の御提案がありましたように、例えば現行の長寿社会福祉基金という制度もございますので、この研究費の活用ができないだろうかということについて検討させていただきたいというふうに思います。
○山本保君 どうぞよろしくお願いします。

第147回参議院 国民福祉委員会会議録第22号(平成12年5月23日)
小池晃君 【略】
 きょうは、障害者のためのサービス提供の現状について私は質問をしていきたいと思います。
 障害者の社会福祉施設の中でも最もおくれているのは精神障害者の社会復帰施設であります。そこでお聞きしますけれども、精神障害者のための法定施設が設置されている市町村は全体の何%になるんでしょうか。
○政府参考人(今田寛睦君) 精神保健福祉法に規定しております法定施設でございますが、精神障害者生活訓練施設、精神障害者福祉ホーム、精神障害者授産施設精神障害者福祉工場、精神障害者地域生活支援センターがございます。平成十一年十月現在でありますが、これらの施設は全国で二百八十五市町村に設置されておりまして、全国三千二百五十二市町村を分母に置きますと、おおむね八・八%ということになっております。
小池晃君 全市町村の八・八%と極めておくれているわけであります。
 例えば、佐賀県を調べてみたんですが、精神障害者のための法定施設があるのは四十九市町村中、これは嬉野町といって長崎県にかなり近いような場所ですが、ここ一町だけだと。四十九市町村のうち一町のみだと。全体として精神障害者の社会復帰施設は特におくれているわけでありますけれども、三障害を合わせても法定施設のある自治体というのは全体の四割しかないんだと。
 こうした現状がある中で、障害者のための基盤整備、在宅も施設も、これはいずれにしても基盤整備を進めることが急務ではないかと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
国務大臣丹羽雄哉君) 厚生省におきましては、障害者プランに基づきまして、平成十四年度末の目標に向けまして、障害者に対する在宅サービスの充実、さらに社会福祉施設の整備などを積極的に進めておるわけでございます。デイサービスやヘルパーなどの在宅サービスや、精神障害者生活訓練施設や身体障害者療護施設などの施設サービスの整備は、この障害者プランに基づきましておおむね順調に進捗しておるところでございます。
 確かに一部の地域においてそういったようななかなか難しい地域、あるいは地元住民の皆さん方の強い反発などもあってなかなかできにくいというところがあるのも事実でございますが、全体においてはおおむね順調に進捗しておる、このように考えております。
 なお、障害者に対します相談支援事業など一部の事業につきましては必ずしも順調とは言えないものがございますが、いずれにいたしましても、障害者プランの目標を達成するために、事業の実施に向けて市町村や都道府県の取り組みを支援しながら、在宅、施設両面にわたりましてサービス基盤の全面的な御支援を申し上げたい、こう考えているような次第でございます。
小池晃君 全体として障害者プランに基づいてやっている、順調に進んでいるという認識は、私は根本的に間違っているというふうに思います。一部の地域でしか問題が起きていないのであれば、何で全体の八・八%しか精神障害者の法定施設がないのか、三障害合わせて全体の四割しか施設がないのか、こういう現状を全く見ていない御発言だというふうに思うんですね。
 障害者プランは順調に進んでいるとおっしゃるが、果たしてそうか。確かに目標に接近している分野があることは、それはそうだと思います。ただ、大変おくれている分野もあるわけであります。ホームヘルパーはおおむね順調だとおっしゃったけれども、私は決してそうは思わない。
 生活支援事業とホームヘルパーについて、これは数字を示していただきたいんですが、障害者プランでの目標と、それから九八年度末の実績について数を示していただきたいと思います。
○政府参考人(今田寛睦君) 生活支援事業につきましては三つあるわけでございます。市町村障害者生活支援事業、障害児者地域療育等支援事業、それから精神障害者地域生活支援事業、この三つがあるわけでございます。これらのプランにおきます平成十四年度の目標値、それから平成十年末の実績について御報告を申し上げます。
 まず、市町村障害者生活支援事業の場合、目標が六百九十カ所でございますけれども、平成十年では七十九カ所でございます。障害児者地域療育等支援事業の場合、目標六百九十カ所に対しまして百八十九カ所でございます。精神障害者地域生活支援事業の場合、目標が六百五十カ所に対しまして百一カ所となっております。
 また、訪問介護員につきましては、障害者プランにおいて四万五千三百人を上乗せして整備することとしておりますが、平成十年度末現在における実績が四万二千六百四十六人となっております。
小池晃君 まず、生活支援事業は三事業ありますが、これは目標に照らして極めておくれているわけですね。先ほど大臣もこれはお認めになった。あと二年間で障害者プランが終了するにもかかわらずこの到達度。全く到達する展望はないわけであります。
【略】
小池晃君 九六年十一月十五日の障害保健福祉部長による「厚生省関係障害者プランの推進方策について」という文書があります。この文書を見ると、障害者プランの目標についての考え方はこうだというふうに述べられております。「第一に、目標年度である平成十四年度末において、障害者のニーズに対応できるようにすることを原則としている。」と。平成十四年度で障害者のニーズに対応するのが原則だ、それで目標をつくったんだと、そう言っているわけですね。
【略】
小池晃君 この推進方策の第二には何と書いてあるかというと、「第二に、精神障害者施策については、退院可能な入院患者等の社会復帰及び自立と社会経済活動への参加の促進を図るための基盤整備を行うことを政策目標として、目標を設定している」となっているわけですね。要するに、社会的入院の解消が政策目標で、その目標で設定したんだと。
 では、精神障害者について、社会的入院の解消、退院可能な患者の社会復帰及び自立、社会経済活動への参加、これがあと二年後の我が国で実現可能となるというふうにお考えなんでしょうか。
○政府参考人(今田寛睦君) 障害者の社会福祉の充実あるいは社会参加の促進につきましては、委員も御承知かと思いますが、昨年の精神保健福祉法の改正におきまして一部法定化をする事業も設けました。そういったこともあわせてこの障害者プランの達成につきまして精いっぱいの努力をしなければならないと、このように考えております。
小池晃君 結局、努力をする、障害者プランの実現達成に努めるということしかお答えがないわけであります。
【略】
小池晃君 残った時間で小規模作業所の問題についてお聞きしたいと思うんですが、法定施設の整備が大変おくれている中で大きな役割を果たしてきたわけです。全国五千二百カ所、七万五千人の利用者総数がある。前回、与党の議員も指摘されたように、大変、法のもとの平等に反するような一カ所百十万円という極めて低水準の支援しか今まで行われてこなかった。このたび、通所授産施設の施設要件を二十人以上を十人以上に引き下げて、小規模通所授産施設とする方向が出されております。
 お聞きしたいのは、今までの小規模作業所に対する補助金の性格と、それから今後の小規模通所授産施設に認定された場合の補助金の性格の違いについて説明をしていただきたいと思います。
○政府参考人(今田寛睦君) 精神障害者に係ります通所授産施設については、その施設基準を踏まえて運営に必要な費用について一定額を補助する、こういう仕組みになっているわけでございます。
 一方で、いわゆる小規模作業所につきましては、その地域に根差した自主的な取り組みを展開されているということに対しての活動を奨励するために障害者団体を通じて国庫補助をしている、こういう性格のものでございます。
 そこで、今回の小規模通所授産施設に対します補助のあり方については……
小池晃君 それはいいです。それは後で聞きます。
 現在、精神障害者の通所授産施設に対しても補助金が出されていると思うんですが、この補助金の性格とその額を教えていただきたい。
○政府参考人(今田寛睦君) 精神障害者に係る通所授産施設につきましては設備及び運営に関する基準がございますが、これによりまして必要な規模、設備、職員の配置等を定めておりまして、この基準を踏まえて施設の運営に必要な費用について一定の額を補助している、そういう仕組みでございます。
 平成十二年度の予算におきましては、この補助額を増強したわけであります。ちなみに平成十一年では、大都市をイメージしていただければと思いますが、平成十一年には二十人規模で二千四百万円の補助基準額を設けておりましたものを、平成十二年度、今年度から二十人規模で三千五百万程度の補助基準額に設定するということで、百七十二カ所に対して総額二十四億円の確保を行ったところでございます。
小池晃君 確認したいんですが、今までの小規模作業所への国庫補助はあくまでも奨励金的な性格だった。今後、小規模通所授産施設に認定した場合は運営費補助だと。今までの精神障害者の通所授産施設への補助金も運営費補助だと。ということは、これからつくろうとしている小規模通所授産施設に対する補助金と、それから今までの精神障害者の通所授産施設に対する補助金の性格は同じというふうに考えていいんですね。
○政府参考人(今田寛睦君) 先ほど若干踏み込んでお答えを申し上げましたが、精神障害者の通所授産施設につきましては、その施設基準を踏まえて運営に必要な費用について一定の額を補助すると、こういう仕組みでございます。
 今回の小規模通所授産施設に対する補助につきましては、小規模作業所の持つよさを失うことなく法定施設に移行できるよう、現行の通所授産施設に比べて緩やかな施設基準を設定することといたしております。したがいまして、その施設基準を踏まえて施設の運営に必要な費用の一部を補助することを検討していきたいと考えております。
小池晃君 ちょっと児童家庭局長においでいただいているので一言聞きたいんですが、ことしの三月三十日に小規模保育所の設置認可要件が緩和されています。この場合の保育単価は小規模の方が高くなっていると思うんですが、その理由について簡潔に御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(真野章君) 保育所につきましては、原則定員六十人以上ということが認可の基準でございますが、先生今お話のございましたように、三月三十日、大都市周辺や過疎地域につきまして定員二十人以上の小規模保育所の設置を認めております。
 若干数字を申し上げますと、二十人定員の小規模保育所と、平均的な規模でございます九十人の……
小池晃君 理由だけでいいです。
○政府参考人(真野章君) 理由につきましては、二十人定員の保育所、それから平均的な九十人の保育所でございましても施設長の人件費は一緒であるとか、施設の管理費の一部につきましては規模にかかわらず必要な経費があるということを勘案いたしまして、その結果、保育単価に差が出るということでございます。
小池晃君 要するに、小規模の方が運営コスト、管理コストがかかるから単価は高くなると。これは極めて当然な話だと思うんですね。
 最後に、大臣にちょっとお伺いしたいんですが、小規模作業所の運営費補助を思い切って引き上げるというふうに衆議院で御答弁されました。しかし、百十万円という水準から、そこから思い切ってということであればこれは話にならないわけであります。
 今、お話があったように、精神障害者の通所授産施設には年額二千四百万円の運営費補助が出ている。これは知的とか身体は措置の世界でもっと高いんです。運営費補助という点では同じ性格になってくるわけですから、そういう意味では今度新たに小規模通所授産施設に行われる運営費補助、これは少なくとも性格の非常に近い精神障害者の通所授産施設に対する運営費補助の水準と遜色のないものにする、これを基準に考えていくということが当然必要になってくるんじゃないかと思うんですが、大臣の御見解を伺いたいと思います。
国務大臣丹羽雄哉君) 小規模作業所でございますが、障害者の自立であるとか社会参加を促進する上におきまして大変これまでも重要な役割を果たしてきていると、このように考えておるような次第でございます。
 今回の改正におきましては、御案内のように、通所授産施設の規模要件を二十人から十人に引き下げることになったわけでございます。小規模作業所の法定施設化を促進することによりまして、その際、助成のあり方につきましても、従来の小規模作業所のよさを失うことがないように十分に配慮しながら、これからひとつ十分に私どもといたしまして財政当局に対しまして私どもの要望というものをお伝え申し上げたいと、このように考えております。
小池晃君 そういう一般論では困るわけでありまして、百四十六臨時国会で「小規模作業所の法定化に伴う運営の安定化に関する請願」が採択されています。「小規模作業所の法定化に当たっては、運営費及び施設整備費等において現行の通所授産施設の水準と同等とすること。」と、これを全会一致で採択しているわけです。
 今のような一般的なことではなくて、やはり小規模作業所を法定化するのであれば、少なくとも現行の精神障害者の通所授産施設に対する運営費補助の額を基準に設定を考えていくべきじゃないですか、そういう方向で財政当局に厚生省として働きかけていくべきではないですかというふうに考えるんですが、そのことについての大臣の御所見、御決意を私はぜひ伺いたいと思います。
国務大臣丹羽雄哉君) ただいまの小池委員のお考えは一つの考え方として十分承っておきます。
 いずれにいたしましても、小規模作業所が障害者の自立に果たしている役割というのは大変大きいわけでございますので、全面的に支援していく方向で努力をしていきたい、このように考えております。

第147回参議院 国民福祉委員会会議録第23号(平成12年5月25日)
○佐藤泰介君 次に、身体、知的、精神障害者の三障害者の福祉施設について伺いたいと思います。
 重度の重複障害者などがサービスを受ける場合は、これまでの障害の分類で一緒に受け入れられなかったものが受け入れられるようになる、このことは私は前進だと思いますが、ここで三障害の福祉施設に格差があっては整合性がつかないと、このように思うわけです。特に、各障害者間に対する施策や予算などどのように是正をしていくのか。とりわけ、私は精神障害者に対する施策等が大変立ちおくれているではないかというふうに思っておりますので、その辺の整合性をつけていくために、今後この改正を機にどのような対策あるいは予算措置を講じられていくのか、そのあたりについてお伺いしたいと思います。
国務大臣丹羽雄哉君) 身体障害者さらに知的障害者に対する福祉施策につきましては、御案内のように昭和二十年代より関係の法律を整備いたしましてその推進を図ってきたところでございますが、精神障害者につきましてはそれより大分おくれまして、昭和六十二年の法改正によりまして福祉施策が法律上位置づけられるまで医療中心の施策を講じてきたところでございます。
 それぞれの障害者施策につきましてはそれぞれの障害の特性に応じまして実施しておるわけでございます。その沿革も異なっておりますので一概に比較するということは大変難しいことではございますが、あえて申し上げさせていただきますならば、精神障害者に対する福祉施策につきましてはほかの障害種別に比べまして取り組みの歴史がまだまだ浅い、こういうことから今後強力に推進をしていくことが必要であると、このように考えているような次第でございます。
○佐藤泰介君 冒頭申し上げたように、三障害の施策が整合性がとれるように、今、大臣の御答弁を十分に理解させていただきますので、これからの御努力をいただきたいというふうに思います。
 では、次の質問に移りますけれども、社会福祉事業として新たに九項目が追加されたことは大変評価を私もしたいと思います。
 しかし、今の問題とのかかわりで、社会就労センターや精神障害者授産施設など精神障害者にかかわる施設や施策のみが第二種事業になっていると、こう私は理解しているわけですけれども、障害の種別を超えた事業を展開する方向にある今回の改正案の趣旨からは、精神障害者の事業のみを二種にとどめておくことは整合性矛盾になってしまうのではないかと、このように思います。今後、第一種事業への位置づけを検討すべきではないかと私は思いますけれども、この点についてはどんなお考えでございましょうか。
国務大臣丹羽雄哉君) 精神障害者の方々が就労を通じて社会活動にかかわっていくことが何よりもまず大変重要なことであると考えております。こうした考え方に立ちまして、厚生省といたしましては、精神障害者の方々が自活のための作業訓練を行って社会復帰と自立を目指すための施設であります精神障害者授産施設の整備であるとか、あるいはその運営を支援しているところでございます。
 これらの施設につきましては、平成十四年度を目標とする障害者プランに基づきまして着実に進めているところでございますが、特に今年度におきましては運営費補助単価を一挙に一・五倍に引き上げまして、その目標の達成に向けてさらに整備の促進を図ることにいたしております。
 以上でございます。
○佐藤泰介君 ぜひ今の御答弁にあったような方向での取り組みを強力に進めていただきたいと思います。
 答弁の中にもありましたが、精神障害者の社会復帰を促進するためには、精神障害者生活訓練施設あるいは精神科デイケア施設、社会適応訓練事業、それらのものが今実施されているというふうに思いますけれども、その多くの施設が精神病院の施設内に設置されていると、このように聞いております。地域における障害者の、今、大臣も答弁されました自立あるいは社会復帰を目指していくとするならば、さまざまな地域にそのような施設があることがむしろ私は望ましいのではないかと。現在のような施設の設置は何か病院の中に囲い込むような気が私はするわけですけれども、大臣、どんなお考えでございましょうか。
国務大臣丹羽雄哉君) 精神障害者の方々の社会復帰と自立を促進するために、地域において精神障害者を支援していく体制を整備することが何よりも重要であると思います。地域の住民の皆さん方の温かい御理解をいただかなければならないと、このように考えているような次第でございます。
 厚生省といたしましては、現在、障害者プランに基づきましてこれらの施設、事業の着実な整備を進めておるわけでございます。平成十年度の予算に比べまして精神障害者生活訓練施設は一〇四%などと順調に進捗をいたしているところでございますが、今後とも平成十四年度の目標達成に向けて全力で取り組んでまいる、こういう決意でございます。
○佐藤泰介君 私に与えられたのはあと一分ですので、私が申し上げたかったのは、そういう施設が病院と併設していることに問題があるのではないか、病院の中に囲い込んじゃうんじゃないかということを申し上げたかったわけです。そういう施設ができて訓練していくということは重要なことですけれども、病院の施設内のみにそういうものがどんどんつくられていくということは、病院の中に囲い込んじゃうんじゃないかと。諸外国においてはさまざまな形でそういう施設や事業が病院以外のところで実施をされている、このように私は聞いております。
 そうすると、知的障害とか身体障害というのは社会復帰をするときに中間の施設がありますね、知的なら学校でも何か中間のものがあって社会復帰、身体もリハビリなどがあってこうと。しかし、精神障害の場合は病院の中に全部囲い込んで、そこから直ちに社会復帰というのは不可能ではないかということを一番申し上げたいわけです。精神障害は、社会復帰あるいは自立していくときの中間的な受け皿が今はないのではないかと私は思うわけです。したがって、中間的な受け皿をぜひこれから検討していただきたいということを一番申し上げたかったわけです。
 これは、バスのときにもそうですよ。なぜ精神病院から出したんだと。しかし、ちょっと病院で落ちついたときに、中間のものがないわけですから、家庭に帰すかあるいはずっとその病院に置いておくかになっちゃうわけでしょう。そうすると、中間的なものが精神障害の方々にはないことが私は問題ではないかと。何%何ができてという答弁でしたけれども、私はそのことを申し上げたかったわけでございます。
 この点について何か御所見があればお伺いして、私の質問を終わります。
国務大臣丹羽雄哉君) 前の答弁の前半で答弁をさせていただいたつもりでございますが、確かに委員が御指摘のように、いわゆる障害者の施設と一般の社会で生活をするまでの間の中間的な施設の役割は大変重要であるということは十分に認識いたしております。
 この問題が社会的に取り上げられましてから相当長い時間がたっておるわけでございますけれども、現実問題といたしまして、なかなか地域の住民の皆様方の御理解等が得られにくい、そこが先ほど申し上げた問題でございます。
 いわゆる精神障害者の方々を含めたそういったような障害を持っている方々の施設のまさに中間的なものの重要性というものをさらに広めていくとともに、やはりそこにおきます地域住民の皆さん方のそれに対する偏見であるとか、そういうものを是正して、御理解をいただいて、そしてそういう方々を一日も早く一般の社会の中で自活していけるような方向に導いていくことが何よりも大切である、このように認識をいたしておるような次第でございます。
【略】
○堀利和君 そういうことであるから、もともと入っていない精神保健福祉法にもテーブルの上に乗っかってこないわけでしょうけれども、私は、先ほど佐藤委員が取り上げましたけれども、精神障害者の施策というのは大変おくれているわけなんですね。そういう点ではどんどん福祉の方に引き込むといいますか、そういう施策を進めることが重要だということを指摘しておきたいと思います。
 それで、精神障害者の福祉施策の充実、障害者プランの中でも地域にどう復帰していくかということも含めてプランの数値前倒しをお聞きしたいと思うんですけれども、大体お答えもわかりますので、お願いだけまずしておきたいと思います。積極的にやってください。
 次に、精神障害者の社会復帰施設などの新設に際して、設置者に地域住民、地元の方々の同意を求めるというようにこれまでなっておりまして、こういう国庫補助の条件として厚生省は同意書を課していたんですけれども、それを撤廃したというふうに聞いております。
 これは私は、確かにこれまでの偏見も含めて、身体がまずそうでした。知的障害、精神障害という、非常に地域住民を含めた理解が乏しいために、偏見があるためにそういった意味で拒否反応というのがあるんですけれども、同意をなくしたということは、私はある意味で積極的になったのかな、厚生省はそういういい意味で一時同意は要らないよというふうになったのかどうだかわかりませんけれども、その辺のいきさつをちょっとお聞かせください。
○政府参考人(今田寛睦君) 精神障害者社会復帰施設の施設整備に係ります国庫補助金の交付申請に当たりまして、その計画の進捗状況を把握するということから、整備計画書の様式の中に地域住民の同意の欄を設けておりました。そういう意味では、同意があるということはまさにその計画がスムーズに進むのだろうということを把握する手段としておったわけであります。
 しかし、このことがかえって、国庫補助を交付する要件だと、つまりそれがなければつくれないんだというような、実はそういった解釈にとられてしまう、いわば誤解を招いてしまったという点において、私どもも反省しなければならない点があったのではないかと思います。
 御指摘のように、精神障害者に対する社会的理解というものをもちろんこれからも進めていかなければならないわけでありますが、住民の同意ということを、あえて状況の把握という観点からこの欄を設けたということがそういう誤解を生むようであれば、かえってせっかくこれまでの皆さん方の努力には報いることができないということから、十二年度の事業計画書の様式の中で地域住民の同意の欄を削除させていただいた、こういう経緯でございます。
○堀利和君 私もそれは賛成いたしたいと思うんです。ただ、理解は求めるべきだと思うんです。つまり、反対があるということはそれだけ偏見があるということですから、やっぱり偏見をなくしていくということの努力はぜひ今後もお続け願いたいと思います。
 次に、試行的に行われておりました地域福祉権利擁護事業の実施状況、そしてその結果についてどのような評価をしていらっしゃるのか、お聞きしたいと思います。
 また、権利擁護となりますと、精神障害者の場合には今のお話のように、言うなれば身体障害者以上に厳しいものがございます。そういう意味で、専門員としての精神保健福祉士の配置も不十分ですから、ぜひこの配置も十分しながら精神障害者に対しては権利擁護を十分やっていただきたいと思いますけれども、その辺はどうでしょうか。
○政府参考人(炭谷茂君) 地域福祉権利擁護事業の実施状況につきましては、昨年の十月の試行的な事業開始から四月末までの調査をいたしてみますと、利用に関する相談件数は一万七千件に上っております。このうち、利用の決定もしくは契約の準備中のものを含めますと現在六百二十件になっております。一定程度の活用が図られつつあるというふうに考えております。私どもといたしましては、さらにその普及を図ってまいりたいというふうに思っております。
 また、この地域福祉権利擁護事業の中心になっていただく専門員の方につきましては、例えば精神保健の分野におきましても、その専門的な知識というものがあることが望ましいわけで、必要なことだろうというふうに思っております。先生が御指摘されました精神保健福祉士さんもぜひこのような仕事に携わっていただくということは望ましいわけでございますし、現実にも専門員の方々の中に精神保健福祉士の資格を持って活躍していただいている方も既にいらっしゃるわけでございます。このようなことで、私どもとしてこの事業がさらに円滑に実施できるよう努力してまいりたいというふうに思っております。
○堀利和君 精神障害者の施策については、これまでは医療中心でしたから、福祉の分野では人材も含めて不足しているというのが現状だと思うんですね。そういう点ではぜひ力を入れて精神保健福祉士、恐らくまだまだ足りないと思いますので、その辺の養成もお願いしておきたいと思います。
 次に、同じく精神障害者の施策についてお伺いしますけれども、医療中心の施策がとられてきたわけですけれども、これから福祉施策となりますと、どうしても市町村が中心になって行っていくわけでございます。平成十四年の四月からは窓口が今後市町村に移っていく。そうなりますと精神保健福祉法自体が保健医療と福祉という両方を兼ね備えた施策になっているわけですから、言うなれば福祉は市町村、保健医療は都道府県ということになるわけでございます。
 そうしますと、やはり今以上に実際に福祉ということで市町村が担うものも出てくるわけですので、福祉と医療、それから市町村と都道府県、この辺の協力関係、調整、福祉事務所と保健所、こういうことが極めて重要になろうと思いますけれども、この辺の調整機能、連携、これは十分準備されていらっしゃるんでしょうか。
○政府参考人(今田寛睦君) 御指摘のように、昨年の精神保健福祉法の改正によりまして、これまで精神障害者施策というのが基本的には都道府県で実施しておりましたものを、これから福祉の重視という視点から、市町村も大いにこれに参画いただこうという考え方から幾つかの改正をさせていただきました。
 まず一つは、市町村が精神障害者福祉サービスの利用に関しまして相談助言を行う役割、それから施設あるいはホームヘルプサービスの利用のあっせん調整、こういったことを行う機関として位置づけたところであります。また、そうなった場合に都道府県との関係になりますが、基本的には精神保健福祉センターあるいは保健所になろうかと思いますが、都道府県が市町村に対しまして専門的、広域的な支援を行い、また市町村相互の連絡調整を行う仕組みとして改正を行ったところであります。
 一方、精神障害者の医療でありますが、これは都道府県において事務を行うわけでありますけれども、福祉サービスと医療サービスの連携をとらなければならないということから、ことしの三月三十一日付で御通知申し上げましたが、保健所及び市町村における精神保健福祉業務運営要綱を定めることといたしました。市町村、保健所、福祉事務所、児童相談所社会福祉協議会職業安定所教育委員会などの関係機関の間で連絡会議を持つなどしてこの連携に努めるようお願いをしているところであります。
 また、十四年からまさに市町村の皆さんが精神障害者福祉のサービスに深くかかわっていただくことになります。これまで経験したことのなかった業務でもありますので、市町村の職員に対しまして、本年度から各都道府県において研修を実施することとしておりまして、その際、保健所、福祉事務所との連携についても十分に配慮していきたいと考えております。
○堀利和君 九〇年でしたか、福祉八法の大改正のときに、身体障害者の方は窓口措置が市町村に移ったときに、早く知的障害者精神障害者も同様に市町村でやるようにと私はあの当時取り上げたんです。そうはいっても実際なかなか難しいと思いますけれども、ぜひその辺のところはうまく進むように調整も含めてお願いしたいと思います。

第147回参議院 国民福祉委員会会議録第24号(平成12年5月26日)
○委員長(狩野安君) 次に、社会福祉の増進のための社会福祉事業法等の一部を改正する等の法律案を議題といたします。
 本案につきましては、昨二十五日、質疑を終局いたしておりますので、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○井上美代君 私は、日本共産党と、そしてまた、けさも随分来ているんですが、たくさんの問題点をまだあいまいなままにして、慎重審議、徹底した審議を求めるという要請書がたくさん入っております、こうした方々を代表いたしまして、社会福祉事業法等の一部改正案について反対の討論をいたします。
【略】
○委員長(狩野安君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 社会福祉の増進のための社会福祉事業法等の一部を改正する等の法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(狩野安君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、勝木君から発言を求められておりますので、これを許します。勝木健司君。
○勝木健司君 私は、ただいま可決されました社会福祉の増進のための社会福祉事業法等の一部を改正する等の法律案に対し、自由民主党・保守党、民主党・新緑風会公明党改革クラブ社会民主党・護憲連合、参議院クラブ二院クラブ自由連合の各会派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
 
  社会福祉の増進のための社会福祉事業法等の一部を改正する等の法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
 三、都道府県社会福祉協議会等が実施する福祉サービス利用援助事業については、成年後見制度との連携とNPOを始めとする多様な主体との提携が図られるとともに、利用者の代表を委員にするなど、運営適正化委員会の業務が公正、中立に行われるよう指導すること。また、社会福祉士とともに、専門員として精神保健福祉士の配置を積極的に行うなど、地域で暮らす知的障害者精神障害者の権利擁護に努めること。
 六、利用者の多様な福祉サービスの選択を可能にするよう、障害者プランの着実な推進を図るとともに、著しく立ち遅れている精神障害者の福祉サービスの拡充のための見直しを行うなど、障害者福祉サービスの一層の充実に努めること。特に、居宅生活支援事業、デイサービス事業及び居宅介護支援事業等の在宅サービスの充実を図ること。また、身体障害者知的障害者及び精神障害者のために地域においてきめ細かい福祉サービスを提供している小規模作業所の法定施設への移行に当たっては、運営の安定化に向けた財政的支援に十分配慮すること。
 
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(狩野安君) ただいま勝木君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(狩野安君) 多数と認めます。よって、勝木君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、丹羽厚生大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。丹羽厚生大臣
国務大臣丹羽雄哉君) ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を十分尊重いたしまして、努力をいたします。

第147回参議院 本会議会議録第29号(平成12年5月29日)
○議長(斎藤十朗君) 日程第二 社会福祉の増進のための社会福祉事業法等の一部を改正する等の法律案(内閣提出、衆議院送付)
並びに本日委員長から報告書が提出されました
 浄化槽法の一部を改正する法律案(衆議院提出)
を日程に追加し、両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(斎藤十朗君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。国民福祉委員長狩野安君。
   〔狩野安君登壇、拍手〕
○狩野安君 ただいま議題となりました二法律案につきまして、国民福祉委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 まず、社会福祉の増進のための社会福祉事業法等の一部を改正する等の法律案は、少子高齢化核家族化の進展等社会構造の変化に伴い、今後増大、多様化が見込まれる国民の福祉需要に対応するため、措置制度など社会福祉の仕組み全般にわたって見直しを行おうとするものであります。
 その主な内容は、福祉サービスの利用者の利益の保護を図るとともに、身体障害者等に係る福祉サービスに関し、市町村等による措置から利用者の申請に基づき支援費を支給する制度に改めるほか、地域福祉の推進を図るための規定を整備する等の措置を講じようとするものであります。
 なお、衆議院におきまして、施行期日に関する修正が行われております。
 委員会におきましては、福祉における公的責任のあり方、措置制度の功罪と福祉サービス利用者保護施策、障害者福祉などの福祉の基盤整備の必要性、地域福祉の推進等の諸問題について質疑が行われましたほか、参考人から意見を聴取いたしましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終わり、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して井上委員より反対である旨の意見が述べられました。
 討論を終わり、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。
【略】
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
○議長(斎藤十朗君) これより採決をいたします。
 まず、社会福祉の増進のための社会福祉事業法等の一部を改正する等の法律案の採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
○議長(斎藤十朗君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
○議長(斎藤十朗君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十一  
  賛成            百九十八  
  反対             二十三  
 よって、本案は可決されました。(拍手)

社会福祉の増進のための社会福祉事業法等の一部を改正する等の法律(平成12年6月7日法律第111号)【附則第1条、第2条、第30条】
 附則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、それぞれ当該各号に定める日から施行する。
 【略】
 
(検討)
第二条 政府は、この法律の施行後十年を経過した場合において、この法律の規定の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
 
(健康保険法等の一部改正)
第三十条 次に掲げる法律の規定中「社会福祉事業法」を「社会福祉法」に改める。
 【略】
 三 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(昭和二十五年法律第百二十三号)第四十七条第三項及び第五十条の三第二項
 【略】