効率的なa-pointとa-line(4・完)

きのうのつづき。

□ 連結方法の実際と設計・構成

(1)現実の連絡においては、連絡の絶対量が多いa-point(重点的なa-point)や、特定のa-pointへの連絡が多いa-pointが存在する。私の場合、連絡量を等価にする方針を採用しなかったために、ある時期には連絡量の差が80倍程度に達したことがある。このような事態に対応した連結方法を検討する必要がある。
考えられる方法として、まず、連絡の絶対量が多いa-pointを、ターミナル的なa-pointにして、他のa-pointへの接続を多くするというものである。ここでは便宜上、ターミナル的なa-pointをTと呼ぶ。
これのメリットは、一般a-lineの負荷が低いことである。連絡の絶対量が多いa-pointからの連絡を、数本の一般a-lineへと分散させることができるからである。
デメリットは、Tの負荷が高いことである。連絡の絶対量が多いa-pointが、自己の連絡だけでなく、他のa-pointからの連絡の中継をも担うからである。

(2)その次の方法としては、連絡の絶対量が多いa-pointではないa-pointを、Tとするものである。
これのメリットは、Tの負荷が低いことである。
デメリットは、連絡の絶対量が多いa-pointからの一般a-lineが、高い負荷になることである。Tではないa-pointからは、通常少ない本数の一般a-lineしか出ていないことが多いので、特定の一般a-lineに連絡が集中するのである。

私が実際に見聞した範囲においては、多い連絡量に対応できる特殊a-lineを設定することが多いために、a-lineの負荷による不具合は少ない。その一方で、連絡の絶対量が多いa-pointであってもTであっても、同種のa-pointを設定するために、a-pointの負荷は切実な問題である*1。つまり、Tの負荷をなるべく低くする連結方法が望ましい。
以上の理由により、Tにはなるべく連絡の絶対量が多いa-pointではないa-pointをあて、また、連絡が集中しないようにTを連結する必要がある。

Tを複数個設定すると、どうしてもグループ分けすることになる。そこで、グループ分けの方法を念頭において、連結方法を考える。
まず、T以外のa-pointがTだけにしか連結されていない、という方法は、Tの負荷が高くなるという点で不適切である。この方法だと、T以外のa-pointの連絡がいったん全てTへ集中することになるのである。
そこで、T以外のa-pointが相互に連絡しているという方法が、適切になる。極端に連絡量が多いa-pointでない限りa-lineの負荷はそれほど問題とはならないのであるが、ここではむしろ、Tの負荷の低下を考えて、グループ内の連絡についてはTを経由しないで直接連絡できるように連結するのが適切である。
なお、Tではないa-pointを「末端」と呼ぶことがあるが、これは私は妥当ではないと考える。なぜならば、Tではないa-pointが「末端」となるような連結方法は、Tに負荷のかかる連結であるからである。

(3)グループ分けの基準について検討する。連絡の絶対量が多いa-point(重点的なa-point)のほかに、連絡の絶対量は多くはないが、特定のa-pointへの連絡が多いa-pointが存在する。この、特定のa-pointへの連絡が多いa-point相互については、同一のグループ内として連結し、Tを経由せずに直接連絡できるようにすることが望ましい。グループ間の連絡を少なくすることが、結局、Tの負荷を下げることになるからである。

次に、Tの個数について検討する。Tの数が多くなればなるほど、一つのTが担う連絡の量は少なくなる。a-pointの負荷を低くするという観点からは、Tの個数は多いほうが望ましい。また、Tの個数が多くなれば、グループの数も多くなり、そうなれば一つのグループに属するa-pointの個数は少なくなる。これは、T以外のa-pointから接続されるa-lineの本数が少なくなることを意味する。後述するが、この結果は望ましい。
さらに検討すれば、Tどうしの接続については、単純にすべてのTどうしをa-lineで直接連結する方法が望ましい。Tどうしの接続において、あたかも電気回路の直列接続のように、Tどうしを一列につなぐ方法やTどうしを円形につなぐ方法を見受けるが、特定のTへの負荷が高くなるので注意が必要である。
一方、T以外のa-pointどうしの接続については、グループ間であってもいくつか接続することも有効である。もちろん、Tの負荷を低くするためである。

こうなると、Tを設定せずにすべてのa-pointを相互に連結する、という方法に近づいていくことに気づくであろうか。用意すべき一般a-lineの本数が多くなるなどのデメリットも存在するが、ひとつのa-pointにかかる連絡量という負荷を、なるべく低くするためには、単純に全てのa-pointを直接に相互連結するという原始的な方法が、優れているのである。

(4)さて、ここで別の問題について検討する必要がある。接続負荷の問題である。
一つのa-pointに多数のa-lineを連結することは、それ自体負荷が高い。これが接続負荷である。a-pointから複数のa-lineが連結されていたとしても、一回の連絡に使用できるa-lineは一本だけである。このとき、連絡に使用するa-lineを選択するという作業に、手間がかかるので、多数のa-lineが接続されたa-pointでは、スムーズな連絡ができない。
実際には、一つのa-pointから接続するa-lineは、5本から20本(連絡量による)が限界である。
それゆえ、単純に全てのa-pointを直接に相互連結する方法は、現実的ではない。
そこで、Tを設定することが必要であるし、また、効率的なa-pointとa-lineの配置を検討することが必要になるのである。

結論的には、連絡量に応じた検討による連結が必要になる。しかし現実には、現実の連絡実態に対応していない接続が見うけられる。
私が手がけた連結の例としては、葉脈状にa-lineを連結し、連絡の絶対量が多いa-pointをTとして動脈上に配置する方法がある。動脈にあたる部分に効果的に特殊a-lineを配置することでa-lineの負荷を下げ、さらに連絡の絶対量が多いa-pointどうしを重点的に結ぶ第二幹道を設けることによって、a-pointの負荷をさらに軽減することができるのである。

*1:この点の事情はもちろん、設定者ごとに異なる