インプット

記憶系サスペンスです。飛行機事故に遭った殺し屋が自分の記憶を疑いはじめる、という話です。
 
記憶系のシナリオは私はすごく好きです。ロマンスでもサスペンスでも、観終わったあとの何とも言えない後味がたまりません。自分の記憶なんて疑い出したらきりがないわけで、そのあたりのもやもやをくすぐるフィクションが気持ちいいんです。
さて、この作品ですが、そういう記憶系のサスペンス風味の王道です。タイトルも直球勝負の「インプット」。映画のほうは日本未公開でした。まあ、派手なアクションシーンもなく、涙ちょうだいの感動シーンもなく、でもって大物俳優もでていません。そうなれば、映画でのヒットは望めないわけですから、未公開なのも仕方がないかな、と思います。ビデオでガマンです。
 
こういう記憶系のキモはシナリオの意外性にあると私は思うのですが、そういう意味ではこの作品は及第点でした。それと、謎が解けたあとの部分が「シナリオの後始末」に終わっているのは、少々イマイチでした。もう少し謎解きで引っ張ってくれれば良かったかな、と思います。