ドラえもん声優交代

アニメのドラえもんの声優が代わる、という話題です。それ自体はよくある話で、話題にものぼらずいつの間にか代わっていたコロ助なんかよりはマシではあるのですが、そのなかでひとつだけ注目すべき文章がありました。
http://www.sanspo.com/sokuho/1121sokuho088.html

5人は原作者の故藤子・F・不二雄氏が認めたプロの声優たち。5人の声によるアニメは「ドラえもん・クラシック」として、ファンの間で記憶され、今後も愛好されるのは間違いない。

おお、「ドラえもん・クラシック」!
旧作と新作を別物として扱うべきだという私の年来の主張と一致するではないですか。
以前私が書いた文章を再掲してみます。

私自身は、テレビ自体をほとんど見ないのでもちろんドラえもんも今は見ないのだが、しかし小さい頃はよく見ていた。 同じ藤子Fによる「キテレツ大百科」というアニメ番組は、大学に入るまでは毎週見ていて、これを見ないと日曜日になった気がしなかったものである。
で、リニューアルドラえもんなのだが、投票の結果では8割ぐらいがリニューアル否定だった。これは私の予想通りで、おそらくは、「こんなのドラじゃない」「昔のドラを返せ」「オレの思い出を壊すな」みたいに思っている人が 多いのであろう。
 
しかしそうは言っても作者が鬼籍に入っているわけだし、雰囲気がどんどん変わるのは仕方がないかもしれない。同じような事情の「サザエさん」のほうは、アニメ作品の雰囲気はあまり変わっていないようだけど。
伝統に縛られずに、視聴者に飽きさせないような仕掛けをするのも、それなりに大切なのではないかな、と思う。
一方、私にとってドラえもんは少年時代のよき思い出なのであり、それが改変されるのは耐えられない、という思いも個人的にはある。
 
そこで解決策である。
現行のドラえもんを「ドラえもんZ」などの名前にして、旧作と別物扱いにしたらどうであろうか。
このZというのは、もちろんドラゴンボールZのZからとっている。ドラゴンボールZは、アニメのほうのストーリーが 原作コミックに追いついてきたとかいう理由で、非常に間延びされた物語となっている(無駄な沈黙とかが多い)。だから私は、Zは嫌いで、いっぽうの旧ドラゴンボールは、あの冒険活劇が好きであった。
そういうわけで、私は、あの間延びバージョンが「Z」と名づけられて別物扱いされていることで、納得できているのだ。
 
ほかのTVアニメなんかでも、タイムボカンシリーズは、ほとんど同じ内容にもかかわらず、マメにタイトルを変えてきた。そうやって、伝統と革新を両立させてきたのである。長寿アニメには、やはりそういう工夫が必要なのではないか。
タイトル変更がなかったアニメの例では、ルパンIII世がある。この場合、ファンは、作品の年代ごとに「第一期」「第二期」などと分けて論じていて、互いに別物扱いしている。
その流れでいけば、現行ドラは、少なくとも「第二期」として扱われるべきではないだろうか。

欲を言えば、「ドラえもん・クラシック」は「藤子Fが存命のころのドラ」に限定してほしいな、と。