精神医療に関する条文・審議(その125)

前回(id:kokekokko:20051211)のつづき。初回は2004/10/28。
1.平成14年法律第102号
平成14年法律第102号による精神保健福祉法改正についてみてみます。健康保険法改正により、被保険者の負担割合などが変更されました。これについて議論が紛糾し、委員会採決では正式な採決ができませんでした。
この改正に伴って、精神保健福祉法も改正がなされました。ここでは、成立過程をおおまかにみていきます。

健康保険法等の一部を改正する法律案【附則第1条、第59条】
附則
(施行期日)
第一条 この法律は、平成十四年十月一日から施行する。ただし、第三条中老人保健法第七十九条の二の次に一条を加える改正規定は公布の日から、第二条、第五条及び第八条並びに附則第六条から第八条まで、第三十三条、第三十四条、第三十九条、第四十一条、第四十八条、第四十九条第三項、第五十一条、第五十二条第三項、第五十四条、第六十七条、第六十九条、第七十一条、第七十三条及び第七十七条の規定は平成十五年四月一日から施行する。
 
精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部改正)
第五十九条 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(昭和二十五年法律第百二十三号)の一部を次のように改正する。
 第三十二条第一項中「第四十三条第三項各号」を「第六十三条第三項各号」に改める。

第154回衆議院 本会議会議録第26号(平成14年4月19日)
○議長(綿貫民輔君) この際、内閣提出、健康保険法等の一部を改正する法律案及び健康増進法案並びに山井和則君外三名提出、医療の信頼性の確保向上のための医療情報の提供の促進、医療に係る体制の整備等に関する法律案について、趣旨の説明を順次求めます。厚生労働大臣坂口力君。
    〔国務大臣坂口力君登壇〕
国務大臣坂口力君) 健康保険法等の一部を改正する法律案及び健康増進法案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 まず、健康保険法等の一部を改正する法律案について申し上げます。
 急速な高齢化等による医療費の増大等により、医療保険財政が厳しい状況にある中で、医療保険制度については、給付と負担の公平を図るとともに、将来にわたり持続可能で安定的なものとしていくことが求められています。
 このため、今回の改正では、患者一部負担金の見直し、健康保険の保険料における総報酬制の導入、政府管掌健康保険の保険料の引き上げ、老人医療費拠出金の算定方法の見直し、国民健康保険の財政基盤の強化等の措置を講ずることとしております。
 以下、この法律案の主な内容について御説明申し上げます。
 第一は、健康保険法等の一部改正であります。
 まず、健康保険の本人及び家族の入院時の一部負担金について、各制度間の給付率を統一する観点から三割負担とするとともに、外来に係る薬剤一部負担金を廃止することとしております。ただし、七十歳以上の者については原則一割負担とし、三歳未満の者については二割負担とすることとしております。
 次に、保険料について、総報酬制を導入するほか、政府管掌健康保険の保険料率を千分の八十二とするとともに、中期的に保険財政の均衡が図られるよう、少なくとも二年ごとに保険料率の見直しを行うこととしております。
 このほか、片仮名書き・文語体となっている健康保険法の表記を、平仮名書き・口語体に改め、表記の平易化を図ることとしております。
 また、船員保険法についても、健康保険法の改正に準じて所要の改正を行うこととしております。
【略】
 以上が、健康保険法等の一部を改正する法律案及び健康増進法案の趣旨でございます。
 何とぞよろしくお願い申し上げたいと存じます。(拍手)

第154回衆議院 厚生労働委員会会議録第10号(平成14年4月24日)
○坂口国務大臣 ただいま議題となりました健康保険法等の一部を改正する法律案及び健康増進法案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 まず、健康保険法等の一部を改正する法律案について申し上げます。
 急速な高齢化等による医療費の増大等により、医療保険財政が厳しい状況にある中で、医療保険制度については、給付と負担の公平を図るとともに、将来にわたり持続可能で安定的なものとしていくことが求められています。
 このため、今回の改正では、患者一部負担金の見直し、健康保険の保険料における総報酬制の導入、政府管掌健康保険の保険料の引き上げ、老人医療費拠出金の算定方法の見直し、国民健康保険の財政基盤の強化等の措置を講ずることとしております。
 以下、この法律案の主な内容について御説明申し上げます。
 第一は、健康保険法等の一部改正であります。
 まず、健康保険の本人及び家族の入院時の一部負担金について、各制度間の給付率を統一する観点から三割負担とするとともに、外来に係る薬剤一部負担金を廃止することとしております。ただし、七十歳以上の者については原則一割負担とし、三歳未満の者については二割負担とすることとしております。
 次に、保険料について、総報酬制を導入するほか、政府管掌健康保険の保険料率を千分の八十二とするとともに、中期的に保険財政の均衡が図られるよう、少なくとも二年ごとに保険料率の見直しを行うこととしております。
 このほか、片仮名書き、文語体となっている健康保険法の表記を、平仮名書き、口語体に改め、表記の平易化を図ることとしております。
 また、船員保険法についても、健康保険法の改正に準じて所要の改正を行うこととしております。
【略】
 以上が、健康保険法等の一部を改正する法律案及び健康増進法案の提出理由及びその内容の概要でございます。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げる次第でございます。
 ありがとうございました。

第154回衆議院 厚生労働委員会会議録第21号(平成14年6月14日)
○鴨下委員 ……(発言する者多く、聴取不能)採決されんことを望みます。
○森委員長 鴨下一郎君の動議に賛成の方の起立を求めます。起立多数。よって……(聴取不能)討論の申し出がないので……(聴取不能)一部を改正する……(聴取不能)賛成する諸君の起立を求めます。起立多数。よって、原案のとおり可決されました。次に……(聴取不能)賛成の諸君の起立を求めます。起立多数。よって、原案のとおり可決することといたしました。……(聴取不能)は、委員長に御一任願いたい……(聴取不能)賛成の諸君の起立を求めます。起立多数。よって……(聴取不能)これにて散会いたします。

第154回衆議院 本会議会議録第44号(平成14年6月21日)
○議長(綿貫民輔君) 日程第一、健康保険法等の一部を改正する法律案、日程第二、健康増進法案、右両案を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。厚生労働委員長森英介君。
    〔森英介君登壇〕
森英介君 ただいま議題となりました両案について、厚生労働委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 まず、健康保険法等の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案は、医療保険制度の安定的な運営を図るため、所要の措置を講じようとするもので、【略】
 両案は、去る四月十九日の本会議において趣旨説明が行われ、同日本委員会に付託されました。
 本委員会では、四月二十四日に坂口厚生労働大臣から提案理由説明を聴取し、二十六日から質疑に入り、六月十一日には参考人から意見を聴取し、また、十三日には愛知県及び栃木県に委員を派遣し、健康保険法等の一部を改正する法律案について意見を聴取するなど審査を行い、去る十四日に質疑を終局し、採決の結果、両案はいずれも賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
○議長(綿貫民輔君) 両案につき討論の通告があります。順次これを許します。三井辨雄君。
    〔三井辨雄君登壇〕
三井辨雄君 民主党三井辨雄でございます。
 私は、民主党・無所属クラブを代表して、ただいま議題となりました健康保険法等の一部を改正する法律案及び健康増進法案について、法案の内容はもとより、森英介厚生労働委員長を初めとする与党三党の強行採決に対し、強く反対する立場から討論を行います。(拍手)
【略】
○議長(綿貫民輔君) 鈴木俊一君。
    〔鈴木俊一君登壇〕
鈴木俊一君 私は、自由民主党公明党及び保守党を代表して、ただいま議題となっております健康保険法等の一部を改正する法律案及び健康増進法案に対して、賛成の立場から討論をいたします。(拍手)
【略】
○議長(綿貫民輔君) これにて討論は終局いたしました。
○議長(綿貫民輔君) 両案を一括して採決いたします。
 この採決は記名投票をもって行います。
 両案の委員長の報告はいずれも可決であります。両案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参されることを望みます。――議場閉鎖。
 氏名点呼を命じます。
    〔参事氏名を点呼〕
    〔各員投票〕
○議長(綿貫民輔君) 投票漏れはありませんか。――投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開票。――議場開鎖。
 投票を計算させます。
    〔参事投票を計算〕
○議長(綿貫民輔君) 投票の結果を事務総長から報告させます。
    〔事務総長報告〕
 投票総数 四百五
  可とする者(白票)      二百八十一
  否とする者(青票)       百二十四
    〔拍手〕
○議長(綿貫民輔君) 右の結果、健康保険法等の一部を改正する法律案外一案は委員長報告のとおり可決いたしました。

第154回参議院 本会議会議録第34号(平成14年6月24日)
○議長(倉田寛之君) 日程第一 健康保険法等の一部を改正する法律案(閣法第四六号)(趣旨説明)
 本案について提出者の趣旨説明を求めます。坂口厚生労働大臣
   〔国務大臣坂口力君登壇、拍手〕
国務大臣坂口力君) 健康保険法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 急速な高齢化等による医療費の増大等により、医療保険財政が厳しい状況にある中で、医療保険制度については、給付と負担の公平を図るとともに、将来にわたり持続可能で安定的なものとしていくことが求められています。
 このため、今回の改正では、患者一部負担金の見直し、健康保険の保険料における総報酬制の導入、政府管掌健康保険の保険料の引上げ、老人医療費拠出金の算定方法の見直し、国民健康保険の財政基盤の強化等の措置を講ずることとしております。
 以下、この法律案の主な内容について御説明申し上げます。
 第一は、健康保険法等の一部改正であります。
 まず、健康保険の本人及び家族の入院時の一部負担金について、各制度間の給付率を統一する観点から三割負担とするとともに、外来に係る薬剤一部負担金を廃止することとしております。ただし、七十歳以上の者については原則一割負担とし、三歳未満の者については二割負担とすることとしております。
 次に、保険料について、総報酬制を導入するほか、政府管掌健康保険の保険料率を千分の八十二とするとともに、中期的に保険財政の均衡が図られるよう、少なくとも二年ごとに保険料率の見直しを行うこととしております。
 このほか、片仮名書き・文語体となっている健康保険法の表記を、平仮名書き・口語体に改め、表記の平易化を図ることとしております。
 また、船員保険法についても、健康保険法の改正に準じて所要の改正を行うこととしております。
【略】
 何とぞ、よろしく御審議のほど、お願いを申し上げます。(拍手)

第154回参議院 厚生労働委員会会議録第14号(平成14年6月25日)
○委員長(阿部正俊君) 健康保険法等の一部を改正する法律案、健康増進法案及び医療の信頼性の確保向上のための医療情報の提供の促進、医療に係る体制の整備等に関する法律案を一括して議題といたします。
 政府及び発議者から順次趣旨説明を聴取いたします。まず、坂口厚生労働大臣
国務大臣坂口力君) おはようございます。
 ただいま議題となりました健康保険法等の一部を改正する法律案及び健康増進法案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げたいと存じます。
 まず、健康保険法等の一部を改正する法律案について申し上げます。
 急速な高齢化等による医療費の増大等により、医療保険財政が厳しい状況にある中で、医療保険制度については、給付と負担の公平を図るとともに、将来にわたり持続可能で安定的なものとしていくことが求められています。
 このため、今回の改正では、患者の一部負担金の見直し、健康保険の保険料における総報酬制の導入、政府管掌健康保険の保険料の引上げ、老人医療費拠出金の算定方法の見直し、国民健康保険の財政基盤の強化等の措置を講ずることとしております。
 以下、この法律案の主な内容について御説明申し上げます。
 第一は、健康保険法等の一部改正であります。
 まず、健康保険の本人及び家族の入院時の一部負担金について、各制度間の給付率を統一する観点から三割負担とするとともに、外来に係る薬剤一部負担金を廃止することとしております。ただし、七十歳以上の者については原則一割負担とし、三歳未満の者については二割負担とすることとしております。
 次に、保険料について、総報酬制を導入するほか、政府管掌健康保険の保険料率を千分の八十二とするとともに、中期的に保険財政の均衡が図られるよう、少なくとも二年ごとに保険料率の見直しを行うこととしております。
 このほか、片仮名書き・文語体となっている健康保険法の表記を、平仮名書き・口語体に改め、表記の平易化を図りたいと存じます。
 また、船員保険法につきましても、健康保険法の改正に準じて所要の改正を行うこととしております。
【略】
 以上が健康保険法等の一部を改正する法律案及び健康増進法案の提案理由及びその内容の概要でございます。
 何とぞ、慎重な御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願いを申し上げる次第でございます。

第154回参議院 厚生労働委員会会議録第22号(平成14年7月25日)
○中島眞人君 委員長。
○委員長(阿部正俊君) 中島、中島君。(発言する者多し)
○中島眞人君 私は……(発言する者多く、議場騒然、聴取不能
○委員長(阿部正俊君) ……(発言する者多く、議場騒然、聴取不能
   〔委員長退席〕
     ────・────
  本日の本委員会における中島眞人君の発言の
 後の議事経過は、次のとおりである。
  ○健康保険法等の一部を改正する法律案(閣
   法第四六号)
  ○健康増進法案(閣法第四七号)
    右両案は、質疑を終局した後、いずれも
   可決すべきものと決定した。

第154回参議院 本会議会議録第42号(平成14年7月26日)
○議長(倉田寛之君) これより会議を開きます。
 日程第一 健康保険法等の一部を改正する法律案
 日程第二 健康増進法
  (いずれも内閣提出、衆議院送付)
 以上両案を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。厚生労働委員長阿部正俊君。
   〔阿部正俊君登壇、拍手〕
阿部正俊君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、厚生労働委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 まず、健康保険法等の一部を改正する法律案は、医療保険制度の安定的な運営を図るため、患者一部負担金の見直し、健康保険の保険料における総報酬制の導入、政府管掌健康保険の保険料率の引上げ、老人医療の対象年齢及び公費負担割合の引上げ、国民健康保険の財政基盤の強化等を行おうとするものであります。
【略】
 委員会におきましては、両法律案の審査を一括して行い、今回の医療制度改革に伴う国民の負担増の内容と経済に及ぼす影響、被用者保険の自己負担割合を三割に引き上げることの是非、医療制度の抜本改革の在り方、保険者の統合・再編の考え方、健康診査の情報を個人情報として保護する必要性、受動喫煙の防止に向けた対策の在り方等の諸問題について、小泉内閣総理大臣にも出席を求め質疑を行うとともに、参考人から意見も聴取いたしました。さらに、両法律案に関連する医療事故等の問題についても、参考人を招致するなど慎重に審査を行いましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 次いで、両法律案に対する質疑を終局し、討論を省略の上、直ちに採決に入ることの動議が提出され、採決の結果、本動議は多数をもって可決されました。
 続いて、両法律案を順次採決の結果、両法律案はいずれも多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
○議長(倉田寛之君) これより両案を一括して採決いたします。
 両案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
○議長(倉田寛之君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
○議長(倉田寛之君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          百三十二  
  賛成            百二十九  
  反対               三  
 よって、両案は可決されました。(拍手)

健康保険法等の一部を改正する法律(平成14年8月2日法律第102号)【附則第1条、第59条】
附則
(施行期日)
第一条 この法律は、平成十四年十月一日から施行する。ただし、第三条中老人保健法第七十九条の二の次に一条を加える改正規定は公布の日から、第二条、第五条及び第八条並びに附則第六条から第八条まで、第三十三条、第三十四条、第三十九条、第四十一条、第四十八条、第四十九条第三項、第五十一条、第五十二条第三項、第五十四条、第六十七条、第六十九条、第七十一条、第七十三条及び第七十七条の規定は平成十五年四月一日から施行する。
 
精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部改正)
第五十九条 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(昭和二十五年法律第百二十三号)の一部を次のように改正する。
 第三十二条第一項中「第四十三条第三項各号」を「第六十三条第三項各号」に改める。

2.平成15年法律第102号
平成15年法律第102号による精神保健福祉法改正についてみてみます。
公益法人改革により、精神保健の分野でも、登録研修機関が設置されました。精神保健指定医については従来、厚生労働大臣の指定する者によって研修を行っていました。これが改められ、厚生労働大臣に登録をした登録研修機関によって研修を行うこととしました。
ここでは、精神保健福祉法の改正に絞ってみていきます。

公益法人に係る改革を推進するための厚生労働省関係法律の整備に関する法律案【第1条、附則第1条、第2条】
精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部改正)
第一条 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(昭和二十五年法律第百二十三号)の一部を次のように改正する。
  目次中

第四章 精神保健指定医及び精神病院
   第一節 精神保健指定医(第十八条―第十九条の六)
   第二節 精神病院(第十九条の七―第十九条の十)

 を

第四章 精神保健指定医、登録研修機関及び精神病院
   第一節 精神保健指定医(第十八条―第十九条の六)
   第二節 登録研修機関(第十九条の六の二―第十九条の六の十七)
   第三節 精神病院(第十九条の七―第十九条の十)

 に、「第五十一条の十五」を「第五十一条の十六」に改める。
 
「第四章 精神保健指定医及び精神病院」を「第四章 精神保健指定医、登録研修機関及び精神病院」に改める。
 
第十八条第一項第四号及び第十九条第一項中「又はその指定する」を「の登録を受けた」に改める。
 
第十九条の三を次のように改める。
 第十九条の三 削除
 
第四章中第二節を第三節とし、第一節の次に次の一節を加える。
   第二節 登録研修機関
 (登録)
 第十九条の六の二 第十八条第一項第四号又は第十九条第一項の登録(以下この節において「登録」という。)は、厚生労働省令で定めるところにより、第十八条第一項第四号又は第十九条第一項の研修(以下この節において「研修」という。)を行おうとする者の申請により行う。
 (欠格条項)
 第十九条の六の三 次の各号のいずれかに該当する者は、登録を受けることができない。
  一 この法律又はこの法律に基づく命令に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から二年を経過しない者
  二 第十九条の六の十三の規定により登録を取り消され、その取消しの日から二年を経過しない者
  三 法人であつて、その業務を行う役員のうちに前二号のいずれかに該当する者があるもの
 (登録基準)
 第十九条の六の四 厚生労働大臣は、第十九条の六の二の規定により登録を申請した者が次に掲げる要件のすべてに適合しているときは、その登録をしなければならない。
  一 別表の第一欄に掲げる科目を教授し、その時間数が同表の第三欄又は第四欄に掲げる時間数以上であること。
  二 別表の第二欄で定める条件に適合する学識経験を有する者が前号に規定する科目を教授するものであること。
 2 登録は、研修機関登録簿に登録を受ける者の氏名又は名称、住所、登録の年月日及び登録番号を記載してするものとする。
 (登録の更新)
 第十九条の六の五 登録は、五年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う。
 2 前三条の規定は、前項の登録の更新について準用する。
 (研修の実施義務)
 第十九条の六の六 登録を受けた者(以下「登録研修機関」という。)は、正当な理由がある場合を除き、毎事業年度、研修の実施に関する計画(以下「研修計画」という。)を作成し、研修計画に従つて研修を行わなければならない。
 2 登録研修機関は、公正に、かつ、第十八条第一項第四号又は第十九条第一項の厚生労働省令で定めるところにより研修を行わなければならない。
 3 登録研修機関は、毎事業年度の開始前に、第一項の規定により作成した研修計画を厚生労働大臣に届け出なければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
 (変更の届出)
 第十九条の六の七 登録研修機関は、その氏名若しくは名称又は住所を変更しようとするときは、変更しようとする日の二週間前までに、その旨を厚生労働大臣に届け出なければならない。
 (業務規程)
 第十九条の六の八 登録研修機関は、研修の業務に関する規程(以下「業務規程」という。)を定め、研修の業務の開始前に、厚生労働大臣に届け出なければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
 2 業務規程には、研修の実施方法、研修に関する料金その他の厚生労働省令で定める事項を定めておかなければならない。
 (業務の休廃止)
 第十九条の六の九 登録研修機関は、研修の業務の全部又は一部を休止し、又は廃止しようとするときは、厚生労働省令で定めるところにより、あらかじめ、その旨を厚生労働大臣に届け出なければならない。
 (財務諸表等の備付け及び閲覧等)
 第十九条の六の十 登録研修機関は、毎事業年度経過後三月以内に、当該事業年度の財産目録、貸借対照表及び損益計算書又は収支計算書並びに営業報告書又は事業報告書(その作成に代えて電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他の人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下この条において同じ。)の作成がされている場合における当該電磁的記録を含む。次項及び第五十七条において「財務諸表等」という。)を作成し、五年間事務所に備えて置かなければならない。
 2 研修を受けようとする者その他の利害関係人は、登録研修機関の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、第二号又は第四号の請求をするには、登録研修機関の定めた費用を支払わなければならない。
  一 財務諸表等が書面をもつて作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求
  二 前号の書面の謄本又は抄本の請求
  三 財務諸表等が電磁的記録をもつて作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を厚生労働省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求
  四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であつて厚生労働省令で定めるものにより提供することの請求又は当該事項を記載した書面の交付の請求
 (適合命令)
 第十九条の六の十一 厚生労働大臣は、登録研修機関が第十九条の六の四第一項各号のいずれかに適合しなくなつたと認めるときは、その登録研修機関に対し、これらの規定に適合するため必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
 (改善命令)
 第十九条の六の十二 厚生労働大臣は、登録研修機関が第十九条の六の六第一項又は第二項の規定に違反していると認めるときは、その登録研修機関に対し、研修を行うべきこと又は研修の実施方法その他の業務の方法の改善に関し必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
 (登録の取消し等)
 第十九条の六の十三 厚生労働大臣は、登録研修機関が次の各号のいずれかに該当するときは、その登録を取り消し、又は期間を定めて研修の業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
  一 第十九条の六の三第一号又は第三号に該当するに至つたとき。
  二 第十九条の六の六第三項、第十九条の六の七、第十九条の六の八、第十九条の六の九、第十九条の六の十第一項又は次条の規定に違反したとき。
  三 正当な理由がないのに第十九条の六の十第二項各号の規定による請求を拒んだとき。
  四 第十九条の六の十一又は前条の規定による命令に違反したとき。
  五 不正の手段により登録を受けたとき。
 (帳簿の備付け)
 第十九条の六の十四 登録研修機関は、厚生労働省令で定めるところにより、帳簿を備え、研修に関し厚生労働省令で定める事項を記載し、これを保存しなければならない。
 (厚生労働大臣による研修業務の実施)
 第十九条の六の十五 厚生労働大臣は、登録を受ける者がいないとき、第十九条の六の九の規定による研修の業務の全部又は一部の休止又は廃止の届出があつたとき、第十九条の六の十三の規定により登録を取り消し、又は登録研修機関に対し研修の業務の全部若しくは一部の停止を命じたとき、登録研修機関が天災その他の事由により研修の業務の全部又は一部を実施することが困難となつたときその他必要があると認めるときは、当該研修の業務の全部又は一部を自ら行うことができる。
 2 前項の規定により厚生労働大臣が行う研修を受けようとする者は、実費を勘案して政令で定める金額の手数料を納付しなければならない。
 3 厚生労働大臣が第一項の規定により研修の業務の全部又は一部を自ら行う場合における研修の業務の引継ぎその他の必要な事項については、厚生労働省令で定める。
 (報告の徴収及び立入検査)
 第十九条の六の十六 厚生労働大臣は、研修の業務の適正な運営を確保するために必要な限度において、登録研修機関に対し、必要と認める事項の報告を求め、又は当該職員に、その事務所に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
 2 前項の規定により立入検査を行う当該職員は、その身分を示す証票を携帯し、関係者の請求があつたときは、これを提示しなければならない。
 3 第一項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
 (公示)
 第十九条の六の十七 厚生労働大臣は、次の場合には、その旨を公示しなければならない。
  一 登録をしたとき。
  二 第十九条の六の七の規定による届出があつたとき。
  三 第十九条の六の九の規定による届出があつたとき。
  四 第十九条の六の十三の規定により登録を取り消し、又は研修の業務の停止を命じたとき。
  五 第十九条の六の十五の規定により厚生労働大臣が研修の業務の全部若しくは一部を自ら行うものとするとき、又は自ら行つていた研修の業務の全部若しくは一部を行わないこととするとき。
 
 第二十七条第五項を次のように改める。
 5 第十九条の六の十六第二項及び第三項の規定は、前項の規定による立入りについて準用する。この場合において、同条第二項中「前項」とあるのは「第二十七条第四項」と、「当該職員」とあるのは「指定医及び当該職員」と、同条第三項中「第一項」とあるのは「第二十七条第四項」と読み替えるものとする。
 
 第二十七条第六項を削る。
 
 第二十九条の二第四項中「第二十七条第四項から第六項まで及び」を「第二十七条第四項及び第五項並びに」に改める。
 
 第三十八条の六第三項中「第二十七条第五項及び第六項」を「第十九条の六の十六第二項及び第三項」に改め、同項に後段として次のように加える。
  この場合において、同条第二項中「前項」とあるのは「第三十八条の六第一項」と、「当該職員」とあるのは「当該職員及び指定医」と、同条第三項中「第一項」とあるのは「第三十八条の六第一項」と読み替えるものとする。
 
 第五十条の二の四第二項を次のように改める。
 2 第十九条の六の十六第二項及び第三項の規定は、前項の規定による立入検査について準用する。この場合において、同条第二項中「前項」とあるのは「第五十条の二の四第一項」と、同条第三項中「第一項」とあるのは「第五十条の二の四第一項」と読み替えるものとする。
 
 第五十条の三の三第二項を次のように改める。
 2 第十九条の六の十六第二項及び第三項の規定は、前項の規定による立入検査について準用する。この場合において、同条第二項中「前項」とあるのは「第五十条の三の三第一項」と、同条第三項中「第一項」とあるのは「第五十条の三の三第一項」と読み替えるものとする。
 
 第五十一条の九第二項を次のように改める。
 2 第十九条の六の十六第二項及び第三項の規定は、前項の規定による立入検査について準用する。この場合において、同条第二項中「前項」とあるのは「第五十一条の九第一項」と、同条第三項中「第一項」とあるのは「第五十一条の九第一項」と読み替えるものとする。
 
 第八章中第五十一条の十五の次に次の一条を加える。
 (経過措置)
 第五十一条の十六 この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。
 
 第五十二条中「一に」を「いずれかに」に改める。
 
 第五十四条中「一に」を「いずれかに」に改め、第四号を第五号とし、第一号から第三号までを一号ずつ繰り下げ、第一号として次の一号を加える。
  一 第十九条の六の十三の規定による停止の命令に違反した者
 
 第五十五条中「一に」を「いずれかに」に、「二十万円」を「三十万円」に改め、第七号を第八号とし、第一号から第六号までを一号ずつ繰り下げ、第一号として次の一号を加える。
  一 第十九条の六の十六第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者
 
 第五十六条中「第五十四条第二号若しくは第三号」を「第五十四条第一号、第三号若しくは第四号」に改める。
 
 第五十七条中「一に」を「いずれかに」に改め、第五号を第八号とし、第二号から第四号までを三号ずつ繰り下げ、第一号の次に次の三号を加える。
  二 第十九条の六の九の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
  三 第十九条の六の十第一項の規定に違反して財務諸表等を備えて置かず、財務諸表等に記載すべき事項を記載せず、若しくは虚偽の記載をし、又は正当な理由がないのに同条第二項各号の規定による請求を拒んだ者
  四 第十九条の六の十四の規定に違反して同条に規定する事項の記載をせず、若しくは虚偽の記載をし、又は帳簿を保存しなかつた者
 
 附則の次に次の別表を加える。
 別表(第十九条の六の四関係)【略】
 
附則
(施行期日)
第一条 この法律は、平成十六年三月三十一日までの間において政令で定める日から施行する。ただし、第六条の規定は平成十六年四月一日から、附則第二条第一項、第三条第一項、第四条第一項、第五条第一項及び第六条第一項の規定は公布の日から施行する。
 
精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部改正に伴う経過措置)
第二条 この法律による改正後の精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(以下「新精神保健福祉法」という。)第十八条第一項第四号又は第十九条第一項の登録を受けようとする者は、この法律の施行前においても、その申請を行うことができる。新精神保健福祉法第十九条の六の六第三項の規定による研修計画の届出及び新精神保健福祉法第十九条の六の八第一項の規定による業務規程の届出についても、同様とする。
2 この法律の施行の際現にこの法律による改正前の精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(以下「旧精神保健福祉法」という。)第十八条第一項第四号又は第十九条第一項の指定を受けている者は、この法律の施行の日から起算して六月を経過する日までの間は、新精神保健福祉法第十八条第一項第四号又は第十九条第一項の登録を受けているものとみなす。
3 この法律の施行の際現に旧精神保健福祉法第十八条第一項第四号又は第十九条第一項の研修の課程を修了している者は、それぞれ新精神保健福祉法第十八条第一項第四号又は第十九条第一項の研修の課程を修了しているものとみなす。

第156回参議院 厚生労働委員会会議録第11号(平成15年5月8日)
○委員長(金田勝年君) 次に、公益法人に係る改革を推進するための厚生労働省関係法律の整備に関する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。
 坂口厚生労働大臣が風邪のため、鴨下副大臣の代読を許します。鴨下副大臣
副大臣鴨下一郎君) ただいま議題となりました公益法人に係る改革を推進するための厚生労働省関係法律の整備に関する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 政府におきましては、国から公益法人等が委託等を受けて行っている検査、検定、資格付与等の事務及び事業について、官民の役割分担及び規制改革の観点からの見直しを行うため、平成十四年三月に公益法人に対する行政の関与の在り方の改革実施計画を閣議決定したところであります。
 今般、この計画の実施の一環として、厚生労働省関係の六法律において、厚生労働大臣がこれらの事務及び事業を行わせる者を指定する制度から、法律で定める一定の要件に適合し、かつ、行政の裁量の余地のない形で登録を受けた者がこれを行う制度へと改める等の措置を講じることを目的として、この法律案を提出することとした次第であります。
 以下、この法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律、水道法、建築物における衛生的環境の確保に関する法律、労働安全衛生法、作業環境測定法及び薬事法及び採血及び供血あつせん業取締法の一部を改正する法律の六法律に基づき実施される研修等について、厚生労働大臣の指定する者による実施から、厚生労働大臣の登録を受けた者による実施に改めることとしております。
 第二に、厚生労働大臣は、登録を申請した者が、これらの各法律に規定する登録基準に適合しているときは、登録をしなければならないこととしております。
 第三に、厚生労働大臣の登録を受けた者について、これらの各法律において、研修等の実施義務、業務規程等の届出、財務諸表等の備付け、登録基準への適合命令、研修等の実施義務違反に係る改善命令、登録の取消し等の規定を整備することとしております。
 なお、この法律の施行期日は、一部を除き、平成十六年三月三十一日までの間において政令で定める日としております。
 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(金田勝年君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。

第156回参議院 厚生労働委員会会議録第12号(平成15年5月13日)
山本孝史君 午前の質問時間が来ておりますので、午前はこの程度にさせていただきまして、午後、今補助金の不正流用問題が出ております全国精神障害者家族会連合会、いわゆる全家連ハートピアきつれ川の問題について質問をさせていただきたいというふうに思っております。
【略】
山本孝史君 午前中に引き続きで恐縮でございますが、申し上げましたように、全家連ハートピアきつれ川にかかわりますところの補助金の不正流用問題について、なぜこの問題を取り上げるかと申し上げれば、この当全家連全国精神障害者家族会連合会が厚生省所管の公益法人であるということ、また精神保健福祉法で指定法人になっているということ、あわせて厚生労働省としても補助金を出しておられる対象団体であるということ等々を含めまして、本日の法案審議にもかかわっていることでもございます。また、精神障害者の皆さん、家族の皆さん、大変に心配をしておられる問題でございますので、お取上げをさせていただきたいと思います。
 既に新聞等で御承知だと思います。若干の経緯を御説明申し上げれば、この全家連が栃木県の喜連川町ハートピアきつれ川という精神障害者あるいは一般の方のための保養施設、宿泊施設並びに授産施設を現在持っておられます。ところが、そこの補助金の受取の問題、あるいは運営費等々の問題で大変苦しい状態に追い込まれた中で、補助金をもらっておられる特別会計の方からこのお金を返還する一般会計にお金を振り替えて、一般会計は収入があったように見せて、膨れ上がらせた中でその借金の返済に充てるというような資金操作をされたわけです。そのことが問題であると、もちろん不正なことですから指摘をされたわけですが。
 今日、御質問し、御指摘を申し上げたいのは、なぜ全家連がそのような手だてを取らざるを得ない状態になったのか。だれの責任ということではなくて、なぜそういう状態に追い込まれたのかということについて、この施設の設置に至る経緯も含めて若干御質問したい。それと、財団法人という公益法人が運営をする中でなぜこのような運営が見逃されてきたのか、監査の在り方等々について御質問をさせていただきたい。そしてもう一つの問題は、現実としてどのように対応をこれからしていかなければいけないのか。国会の先生方にも是非お力をおかしをいただきたいという思いでお話をさせていただきたいと思います。
 それで、時間が限られておりますので、若干の事実経過だけ御確認をさせていただきたいと思いますが、この補助金を不正流用せざるを得なくなったのは、申し上げましたように、ハートピアきつれ川を建設をする、その建設資金、並びに運営をする運営費をどのように工面するかという中で、当然不足をした、あるいは建設費を返さなければいけなかったからでございますが、申し上げましたような施設の建設計画はだれが元々発案をしたことなのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○政府参考人(上田茂君) お尋ねのハートピアきつれ川の建設につきましては、平成三年、当時の厚生省精神保健課職員が全家連にその構想を提案しまして、同年の全家連の理事会において決議がなされ、平成六年に着工されたものと承知しております。
山本孝史君 今、上田政府参考人からの御説明ありましたように、元々の案は厚生省の当時の精神保健課の方が発案をされて、その中で、全家連の方もかねてからそういう施設があればいいなと思っていた、そこで意見が一致をしたということですが、やはり基本は、思っていてもお金がないとできないわけですから、厚生省の方からそうやって働き掛けをされた中で施設が造られるということになったということなんですが、よく分からないのは、今申し上げましたように、全家連のこの喜連川の施設は、精神障害者の方の授産施設と一般の方も泊まれる宿泊施設、宿泊・研修施設がありまして、ここの授産施設で働いている方たちが今こちらで訓練を受けておられるという形になっているんですが、元々のその最初の計画ですね。
 なぜそういうふうにお聞きするかというと、全家連さんのそのハートピアきつれ川のホームページを見ておりましても、平成四年に授産施設併設に設計が変更されたということが出てくるんですね。申し上げましたように、授産施設と保養施設が併設されている、両方あるんですが、元々の案は何を造ろうとしていたのかというのがよく分からないので、このことについて御説明をしていただきたいと思います。
○政府参考人(上田茂君) 当初、保養施設ということで進められておりましたが、ただいま委員御指摘の授産施設を、現在授産施設等々が併設されておりますけれども、私ども、そういった設計変更の経過につきましては十分把握していないところでございます。
山本孝史君 ここが僕は分からないんですね。
 私も時間がないので、もう少し調べさせていただかないといけないなと思っていますのは、後で資料をいただければと思っておりますが、一つは、平成四年の四月、今御説明にありましたように、発案は平成三年で実際の建設は平成四年からですけれども、この平成四年の四月に、平成三年の厚生科学研究で精神保健、保養、交流センター設立に関する調査研究という厚生科学研究を行っておられるんですね。この厚生科学研究の中にどういうふうな施設が位置付けられていたのか、元々どういう発案をされたのか。そして、その施設を受け入れましょうというか、造りましょうということで平成四年の五月に全家連の理事会で賛成の旨の、趣旨に賛成するという旨の議決をされておられるんですが、この中でどういう施設を造ろうとしていたのか。ここの部分が何度説明を受けても、今も詳細は分かりませんとこうおっしゃっておられるんですが、元々はその宿泊施設を造ろうとしていて、それで、そこに授産施設を併設をするということを発案をされたように思えるんですね、こう書いてあるものを素直に読んでくると。
 そうすると、なぜそう言っているかといいますと、建設費は総額で二十億五千万円弱です。それで、資金の内訳、その二十億をどうやって調達するかということですが、国庫補助金が二十億五千万円のうちで九億二千万円、その他の補助金がありまして、船舶振興会、日本財団ですけれども、から授産施設の建設に対する補助金と栃木県から土地の購入費に対する補助金が出ておりますが、それが二億二千万円なんですね。そうすると、国の補助金九億二千万円とその他補助金が二億二千万円で十一億四千万円ですから、約九億円余りを全家連が自ら資金調達しなければいけないという建設計画になっているんです。
 こんなことが実際に可能なのかどうかなんですね。
 民間団体に国が補助金を出して施設を建設をさせるといったときに、度々申し上げます、私も財団におりましたので、公益、共益からの補助金もいただいておりましたのでよく分かりますが、自己資金を用意するにしても、経済界なりいろんな団体からの、例えばもう既に寄附金の収入がある、あるいは寄附の申入れ書等々があってやれるから国もゴーサインを出すと、こうなるのが普通なんですが、こんなに、自ら最終的には自己資金、借入金になったんですけれども、で対応しなければいけない、そのような状態を作り出した、すなわち厚生省が、この全家連に建設費、今申し上げました九億一千万円等々を工面する能力があると判断をされてこの建設計画をゴーされたのかということが私には不思議なんですが、この点はどうなんでしょうか。
○政府参考人(上田茂君) 当時、全家連が自助努力により建設費を工面することは可能であると判断したというふうに考えております。
山本孝史君 だから、そう判断をしていると、今から思えばそう言わざるを得ないんだろうけれども、当時そんなことが実現可能だと判断をしたという、その根拠は何ですか。
○政府参考人(上田茂君) 全体の事業費のうち約八億六千万が借入金ということでございますが、全家連としましては、当時、寄附金等の確保によりこの資金を確保する、できるというような、そういうことで当時の厚生省担当としてもそのように可能であるというふうに判断したというふうに考えております。
山本孝史君 今からつじつま合わせをするとそういう話になるんだと思うんだけれども、私も全家連の幹部の方にもお聞きし、喜連川も実際に現地を拝見さしていただきましたけれども、その中での私の思いは、今は全家連の本部がありますいわゆる恵友会館を造る、それもお子さんが精神障害者であった御家族からの御寄附で造られておられる。しかし、そこの建設をしてまだ借金残って、今も借金残っているんですね。だから、当時の全家連に、借金を既に抱えておられるわけで、それ以上の資金を調達する能力があっただろうか、当時の現状がそうだろうか。しかも、何百万とかいう話じゃなくて億単位の、十億に近いようなお金を全家連にいわゆる工面しろということ自体どだい無理がある。
 重ねてお伺いをしたいのは、宿泊施設をこれ造るわけですよね。どういういきさつになったか知らない、できました。宿泊施設ですから、当然、あるいは授産施設補助金がその後あるとしても、宿泊施設は収益事業と位置付けられているんですね、これ。したがって、後、補助金は何も入ってこないんです。そうすると、そこの借金を返しながら、なおかつ運営費を工面しなければいけない。
 その後の状況を見ておりますと、喜連川という場所は必ずしも都心から近いわけではない。いい温泉が出るんだけれども、交通の便はいいわけではない。宿泊施設は八十床ほど、ベッドしかありませんから大きいものではない。セミナーをやろうとしても、会議室は六十人ぐらいしか入らない。せっかく二百人のお客さんを取ってきても、施設は使えない。近くに国民保養センターだとかあるいは国民年金の施設等々があったりして、かんぽの宿があったりして、お客さんはみんなそっちに行ってしまう。こっちはそもそも精神障害者の方が訓練をしてやるわけですから、支配人の方のお話でいけば、普通にパートさんを雇って運営した方がはるかに運営経費は安いんだけれども、精神障害者の方の訓練を兼ねているので訓練の工賃も出すものだから、結局、人手が掛かって運営上は非常にお金が掛かることになっている。そういう中で、もう発足当初から実はとんとんか赤字が続いているわけですね。
 そう考えると、運営も非常に難しいだろうという中で、なおかつこちら側に八億円を超える借金を抱えさせているようなその施設建設に国が、しかも収益事業である宿泊施設の部分に十億円近く補助金を出されるという、これも私分からないんですよ。
 これも小池議員がここで質問されましたけれども、なぜ、収益事業であるところの言わばホテル事業、宿泊事業にこの補助金をお出しになったのか。そう考えてくると、結論から私は申し上げれば、私のこれは想像ですけれども、途中で設計変更がされた、授産施設を併設をした元々のコンセプトは、日ごろの生活の中で御苦労をされておられる、お疲れになっておられる精神障害者の方、その家族の方にゆっくり休んでいただいて、保養していただいて、次のエネルギーを取り戻していただけるような保養施設として考えられたんだけれども、それでは補助対象にはなりにくいので、そこに授産施設を併設をして、授産施設補助金を出して、そこをいろんな形で運用していこうと、こう考えられたんだと思うんですが、いかんせん、どこまで行ってもここの宿泊施設は収益事業になっているんですよ。
 それで、大臣なんかも御存じのとおり、今、こういった温泉付きの保養施設等々を運営するには、お客さんを取ってくるにはやっぱりバスを持ちたいんですね。町内会の方たち、老人会の皆さん方、バスで迎えに行って、また送ってあげるようなことをしないとお客さんは取れない。実際の丘の向こうの上のかんぽの宿はそうやってやっておられるわけですよ。自分たちもやりたいんだけれども、自分たちのホテルは収益事業だから補助金はもらえないんですよ。自分たちで工面しろと言われても、そんなことはできない。しかも、申し上げているように、精神障害者が訓練しながら働いておられる施設だから、どう考えても運営費の工面は難しかったはずだ。あるいは、施設を建設させるのなら、後の運営のことまで責任を持つのが私はやっぱり補助金を出した厚生省の責任じゃないかと、こう思うんですよ。
 その意味で、その運営費をどうやって工面できると考えていたのか、その後、応援をしなくていいと思っておられたのか、これも当時のことなのでお答えは難しいかもしれませんが、どう今判断しておられるんですか。
○政府参考人(上田茂君) 施設の本来的な目的であります精神障害者の自立あるいは社会参加を実現するためには、営業収入により本来的に運営が成り立つべきものというふうに運営費の問題については考えたところでございます。また、確かに全家連も、膨大な初期投資の必要な施設整備の後でありますけれども、運営については営業収入で賄うということを前提とされて事業が開始されたというふうに聞いております。したがいまして、施設の整備についての補助が行われたわけでございますが、ただいま申し上げましたように、運営費につきましては今申し上げたようなことから国庫補助を行わないということで整理し、また全家連の方にもそういった状況について話がされたというふうに伺っているところでございます。
 この事業につきましては、当時、精神障害者の社会参加という観点から非常にユニークな試みであり、そしてまた全家連において自らの事業として決議されたというふうに考えているわけでございますが、しかしながら、景気の悪化等の影響もあって結果的にその運営の見通しについて、全家連とともに国においても認識が甘かったのではないかという御批判があることも承知しているところでございます。
 したがいまして、確かに現在のハートピアの運営についてのいろいろな課題があるわけでございますが、私ども全家連とも今後の運営についても、これまでも相談を受けたりしておりますけれども、引き続きよく相談をして、適正な運営について相談を受けてまいりたいというふうに考えているところでございます。
山本孝史君 最後の部分は私も十分にこの後お願いをし続けなければいけないと思っておりますけれども。
 やっぱり、国がお金を出す、補助金も、しかも多額のお金を出して施設を造らせるという中で、やはりその後の運営の面も、私は、物を作ればそれで終わりではないんですね。生み出した後のやっぱり運営というものが非常に大きいわけで、実はここの喜連川温泉、いい温泉なんですけれども、非常に塩分が強いんですね、温泉のその水の中に。したがって、ポンプですとかあるいは配管ですとか、水回りの部分の傷みは非常に早い。斬新なデザインになっていて、おうちの外にも木がふんだんに使ってあるんですが、木なので残念ながら雨に当たってきたりすると腐ってくるという意味で、建物の傷みは普通の施設よりも早いだろうと思うんです。ところが、赤字なものですから修繕積立金は持っていないんですね。そんなことになってきたらもうにっちもさっちもいかなくなってくるわけで、運営という部分を真剣に考えなければいけない部分があるんですよ。
 何といったっておかしいと思うのは、精神障害者の方が働いて、訓練して、運営していくという中において、普通のホテルじゃないんだからそんなにうまく収益が上がるはずはないわけで、そこを、収益が上がって黒字になって、八億なりのお金が返していけるという資金計画というか運営計画を承認を、私は、もちろん理事会ですから理事会で財団が決められるんだけれども、その報告を受けた厚生省の担当者が、言わばそれでやれる、オーケー、やりなさい、頑張りなさいというような承認を与えているのと同じなので、そこでやっぱり公益法人の主務官庁制度とか監督責任とかいろいろ言われるところだけれども、やっぱりそれは補助金を出した側としての責任は私は免れないと思うんですね。
 恐縮ながら、上田さんは、この一連の建設、計画があって建設があったときの当の栃木県に出向されておられて、栃木県の衛生環境部長さんでいらっしゃったわけで、その意味で、今もお聞きしたら、余り計画のことについては私は存じ上げませんでしたと、こうおっしゃっておられるんだけれども、国が大きなお金を持ってきて施設を造る、自分の担当課の中でやっておられる、その話について御存じなかったというのもちょっと解せない話なんだけれども、ある意味では今もそのお立場にある、当時も御存じであったお立場にあるという意味で二重に責任を感じていただいて、是非この問題、大臣と一緒にしっかりと解決に向かって踏み出していただきたいんですね。
 解決というときのその前提なんですが、不正流用された金額が国なりあるいは補助団体等々で幾らあって、それの加算金が掛かって、今、全家連が返さなければいけないと言われているお金は一体幾らということになるのか、教えてください。
○政府参考人(上田茂君) ただいま委員御指摘の点につきましては、厚生労働省補助金等、あるいは社会福祉・医療事業団あるいは日本自転車振興協会あるいは日本財団等々ございまして、返還金の額につきましては、加算金も含めましてトータルで五億三千八百万円ということでございます。五億三千八百万でございます。
山本孝史君 五億三千八百万円を返さなければいけない。それで、ほぼ七億ぐらいでしょうか、あるいはもう少しでしたか、喜連川の建設にかかわるところのまだ借金を抱えているわけですね。市中銀行からの借入れと社会福祉・医療事業団からの借入れ等あって、こっち側に返さなきゃいけないお金があるんですよ。不正流用したことは悪いとしても、こっち側で返さなきゃいけない、新たに返さなきゃいけないお金として五億四千万近いお金が出てきたわけですね。もうにっちもさっちもこうなるといかなくなってくるんです。
 くるんですが、時間がないので指摘だけしますけれども、監査の問題があるねと申し上げたのは、法人監査ですから当然内部監査があるんですね。それで、外部監査があって、地方は今、会計法人が、監査法人がちゃんと監査に当たっておられるんですよ。補助金団体の当然監査ありますし、国の監査がありますし、当然その間に理事会という議決機関なりチェック機関、評議員会もあるわけで、いろんなスクリーンが掛かっているにもかかわらず、だれも気が付かなかったんですね、この話。やった人が巧妙だというのが厚生省の御説明なんですが。
 しかし、普通に考えて、そんなにお金を、特別会計というこちら側の、特別に通帳を作らなければいけなくて、その中からこっちに、一般会計に動かしてという、こんな大胆な手口は、しかも、こんな巨額のお金は普通にはそんなことはできないんですよ、普通に考えると。それをやっておられたということは、どう考えても私は、これは個人の話ではなくて組織全体の話であって、場合によっては補助金を出しておられた団体の皆さんも御存じだった話なんじゃないのかなと、ぐらいに私には思えるんですね。
 そういう意味で、実はこれは全家連という舞台で新たに何か明らかになった話ではありますけれども、補助金を受けているすべての団体で起こり得る話なんですね。我々は性善説でやっていますけれども、しかし、そうはいかないのは団体運営であって、そうするとやっぱりシステマチックな監査の方法というものを考えないと、同じ話がいろんなところで起こってくると思いました。
 それはそれで考えないといけないとして、残り時間が五分しかありませんので、いろいろと現地を見て、その喜連川町に対して固定資産税も払わなければいけない。不思議ですけれども、これ財団法人なんですね、ここの施設が。
 私、いろいろ考えて申し上げますけれども、申し上げたことについてお答えをいただくと、どれもできませんとおっしゃるのでお答えは結構なんですが、この際、本部の運営は非常にうまくやっておられるんですよ。ここも会員さんがお支えになっておられて、それで、ごらんになった方も多いかと思いますが、きっちりとしたいろんな広報誌なんかもお作りになっているんですね。これも「ぜんかれん」という広報誌ですけれども、これも実は競輪の補助事業としてやっておられて、今回の事件で競輪の補助事業、これなくなるんですけれども、それでもこの本は非常に重要なので出し続けたい、そのための自己努力はしますと、こうおっしゃっておられるんです。
 しかし、こんなこともやっておられる中で、本体はいけるので喜連川の施設を切り離すことはできないんですかと、こう申し上げたんです。例えば、国立の施設にしてくれと言うと、国から民への話の中で今更、運営しているものを国が買い上げるわけにはいかぬと、こうおっしゃるとは思うんですが、国立の施設にするとか、あるいは財団法人の運営から社会福祉法人に切り替えれば、社会福祉法人としては固定資産税を払わなくてもいいという立場になるはずなので、喜連川町には御迷惑掛けますが、その分だけ支出は減るんじゃないかとか、あるいはほかのいろんな補助金が考えられないのかと、こう思うんですよ。
 いろいろとあちこち当たってみても、問題のある財団だからもう手助けはできませんと、こうおっしゃるんですよね。しかし、理事の皆さんは責任取って全員替わられたわけで、新しい執行部になって新しい体制でやっていこうとしておられるわけだから、競輪の補助事業も中断されるのは分かるんだけれども、願わくばその事業を評価していただいて、引き続き出していただきたいと思うんですね。こういった公営競技団体の補助金は、厚生省というか担当者が、役所の方がオーケーしませんと、これは裏書されないと出てこないので、是非そういう意味でも出していただきたいなと、こう思っています。
 様々な手だてが考えられるんだと思いますが、全家連がやっぱりやってこられているお仕事、あるいは全国の中での障害者の皆さん、家族の皆さんが集まっての全国組織として運営をされておられて、非常にいい仕事をしておられる部分で、悪いことは悪いけれども、やっていただかなければいけないという部分、是非切り離して考えていただきたいと思っているんです。
 具体的にこうしますというお話はいただけないということは承知をしておりますし、聞くと一挙に全部やぼになりますのであれですが、是非、坂口大臣、全家連の皆さん方のこれまでの御活動をよく御存じだと思います。とりわけ、自民党の皆さん方もよく御存じだと思います。その中で是非この問題を、だれかの責任とかじゃなくて、どこかに押し付けるというのではなくて、是非、国も、それからここにおられる委員の先生方、国会も含めて、悪いことは悪いことだけれども、何とかしなければいけないということについて、是非大臣に、先頭に立ってくださいというか、一緒に力を出して対応していただきたいと思っています。お言葉をいただければ大変にうれしく思います。
国務大臣坂口力君) 山本議員のお話をずっと聞いておりまして、なかなか説得力のあるお話で、つい引き込まれそうになるわけでございますが。
 確かに、今日に至りますまでの間、様々な行き違い、多分それはあったんだろうと思うんですね。問題はこれからどうしていくかということなんだろうと思うんです。
 全家連というのは一生懸命おやりになっているし、これから地域における精神障害者の対策をしっかりやっていかなきゃならないという時期でございますから、これからいよいよ本格的にこれは力を発揮していただかなければならない団体でもありますし、いろんなことをお願いをしなきゃならない団体でもございます。さりとて、ここがそんなにお金のある団体ではないこともよく承知をいたしております。しかし片や、今、部長からの答弁ありましたとおり、五億円からの借財が残っている、それを何とかしていかなきゃならないということでございます。
 その初めの運営計画なりそうしたものが一体どうだったのかということもよく分かりませんけれども、できました借財はこれはどうしても返していかなけりゃならないわけでございますが、一方の、全家連がこれから一生懸命おやりいただきますことについて、どういう方面でどういうお手伝いができるかということではないか。そして、全体としてこの決着を付けていくということではないかという気がいたします。
 いよいよこれから本格的に、しかも全国レベルでそれぞれの入院しておみえになる患者の皆さん方を地域で見ていただく、そういうことをやらなければならないときを迎えているわけでございまして、そういう中でのこの全家連の御活躍、これから是非ともお願いをしなければならないわけでございますので、そうした中で、あわせてどのようにこの皆さん方をバックアップをしていくかということもひとつ検討したいというふうに思っております。
 今日までできてしまったそのことに対して、もう棒引きにしますよとはなかなかこれは言えないわけでございますが、しかしお手伝いすることはお手伝いをしていきたいというふうに思っている次第でございます。
山本孝史君 全家連の仕事への評価、そしてお手伝いをしていかなければいけないことをしていきましょうというお言葉でしたので、是非我々も知恵をお互い出し合っていきたいと思います。
 確かに、おっしゃるように借金棒引きというのはなかなかほかの補助団体等の絡みもあって難しいと思いますが、借金を凍結することぐらいはできるかなと、こう思ったりもいたしておりまして、多少超法規的なことも含めて是非御検討をいただいて、そのことについて、私たちはそれが厚生省主導で、そして全家連の皆さん方と一緒になっておやりになるということであれば大いに賛成をさせていただきたいというふうに思っております。そのことを申し上げて質問を終わります。
 ありがとうございました。
【略】
○委員長(金田勝年君) これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○井上美代君 私は、日本共産党を代表して、公益法人に係る改革を推進するための厚生労働省関係法律の整備に関する法律案について反対討論を行います。
【略】
○委員長(金田勝年君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 公益法人に係る改革を推進するための厚生労働省関係法律の整備に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(金田勝年君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、山本君から発言を求められておりますので、これを許します。山本孝史君。
山本孝史君 私は、ただいま可決されました公益法人に係る改革を推進するための厚生労働省関係法律の整備に関する法律案に対し、自由民主党保守新党民主党・新緑風会公明党及び社会民主党・護憲連合の各派並びに各派に属しない議員西川きよし君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
 
  公益法人に係る改革を推進するための厚生労働省関係法律の整備に関する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、次の事項について、適切な措置を講ずるべきである。
 一、公益法人が国から委託、推薦等を受けて実施している検査・認定・資格付与等の事務・事業を、登録機関による実施に改める際には、その登録要件を広く国民に明らかにするとともに、登録手続がスムースに行われるよう体制の整備を図ること。
 二、登録機関による実施に移行した後も、検査・認定・資格付与等の事務・事業の一層の整理・合理化に努めるとともに、その必要性について定期的に検証を行い、必要性が認められない制度については廃止すること。
 三、平成十四年三月に閣議決定された「公益法人に対する行政の関与の在り方の改革実施計画」に基づいて講じられた具体的措置内容を逐次公表するとともに、同計画の対象となっていない事務・事業等についても検証を行い、必要な見直しを行うこと。
 四、すべての公益法人において、役員名簿への公務員出身者の最終官職の付記が行われるよう指導を強化するとともに、財務諸表を含め所管する法人に係る情報を簡易な方法で入手できるよう努めること。
 五、公益法人制度の抜本的改革については、できるだけ速やかに、制度の基本的枠組み、改革スケジュール、税制の在り方等の取りまとめを行い、これに従って改革の具体化を図ること。
  右決議する。
 
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(金田勝年君) ただいま山本君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(金田勝年君) 全会一致と認めます。よって、山本君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定をいたしました。
 ただいまの決議に対し、坂口厚生労働大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。坂口厚生労働大臣
国務大臣坂口力君) ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして、努力してまいる所存でございます。
 ありがとうございました。

第156回参議院 本会議会議録第22号(平成15年5月14日)
○議長(倉田寛之君) 日程第四 公益法人に係る改革を推進するための厚生労働省関係法律の整備に関する法律案(内閣提出)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。厚生労働委員長金田勝年君。
   〔金田勝年君登壇、拍手〕
金田勝年君 ただいま議題となりました法律案につきまして、厚生労働委員会における審査の経過と結果を御報告を申し上げます。
 本法律案は、公益法人に係る改革を推進するため、厚生労働省が所管する精神保健及び精神障害者福祉に関する法律等の六法律に基づき実施されている研修等について、厚生労働大臣等の指定する者による実施から、法律で定める一定の要件に適合するものとして登録を受けた者による実施へと改める等の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、公益法人制度の抜本改革の方向性、登録制度化した理由とその効果、公益法人に対する補助金の在り方等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知を願います。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して井上委員より本法律案に反対する旨の意見が述べられました。
 討論を終局し、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。
 以上、御報告を申し上げます。(拍手)
○議長(倉田寛之君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
○議長(倉田寛之君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
○議長(倉田寛之君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十七  
  賛成             二百七  
  反対              三十  
 よって、本案は可決されました。(拍手)

【次回へつづく】