心神喪失者等医療観察法の条文・審議(その59)

前回(id:kokekokko:20060305)のつづき。
ひきつづき、法務委員会での質疑です。
【平野委員質疑】

第156回参議院 法務委員会会議録第15号(同)
平野貞夫君 理事会で御了解をいただきました資料を事務局の方、配付してください。
   〔資料配付〕
平野貞夫君 その間にちょっと委員長に注文を付けておきますが、今朝ほどの理事会で自民党から、三日火曜日にこの法案を採決したいという提案がなされました。私は大変遺憾で腹立たしい思いでございますが、そういう対応で無理してやるんだったらまず定足数を与党の責任でそろえてください。今日なんかもうほとんど定足数がらがらでやっているんじゃないですか。これ委員長責任で与党で定足数をそろえることと、我々はいつでも出て定足数のない会議にしますので。精神障害者にとっては人権問題にかかわる重要な問題をこんなざまで審議するということは僕は遺憾だと思っていますよ。政府の方は熱心に答弁されていますよ。我々やっぱり議員側がもうちょっとしっかりしなきゃいかぬと思っております。
 それからもう一つ、やっぱり採決というのは与野党の了解の下にやるべきだ。このことをしかと委員長、腹の中へ入れておいてください。するとかしないとかということは言えぬと思いますから、まあこれだけにしておきます。二つ注文を付けておきます。
 今配付いたしました資料は、前回から私が、日本精神病院協会政治連盟の政治活動費の動きがこの法案を作るに当たって非常に不明朗な、不透明な動きをしているということにかかわる、これをよく分かりやすく説明しようと思いまして、井上委員とはちょっと違いまして、私の場合には東京都の選管、選挙管理委員会にこの政治連盟が提出した収支報告書を基に作成した資料でございます。大臣にもよく見せておいてください。ですから、出した方のデータでございます。だから、受けた方はそのとおりでないかも分かりません。必ずしも正確でないかも分かりません。
 それから、誤解のないように申し上げておきますが、私は、ここにリストアップしたお金が、資金が違法ということで論ずるわけじゃございません。中にはあるかも分かりませんよ、中にはあるかも分かりませんが、法的な手続で届けられたという前提です。これが、こういうことが違法だということを言っておるわけじゃございません。
 という前提で、それから、私、抜粋と書いていますのは、届出の渉外費の部分については抜粋していません。これそのまま載っけていますが、陣中見舞いについては、三十万以下についてはまあ余り取りざたするのは大人げないということでくるんでおりますので、それ以上のものを対象、取り上げております。そのための抜粋でございます。
 平成十年から十三年までの四年分でございます。この政治連盟が政治家個人あるいは支部、あるいは何か非常にうさん臭い団体が一杯あるんですが、政治家には、そういうものに寄附あるいは献金したものでございます。
 四年間の総額政治活動費は何と一億四千七百九十六万に上ります。これは表の金でございます。永田町の常識なら表には裏がございますからね、裏に幾ら使われていることは我々は知る由もありません。本当は特捜が調べてくれたら分かると思うんですが。
 そこで、これは法案提出に至るまでに使った金ですね、平成十三年までの分ですから。十四年の三月に出すわけですから、提案するわけですから。法案提出までに約一億五千万の表の金が使われているということがこのデータから分かります。
 それから、決して私、法務省や厚生省を責めるわけじゃございません。この資料で私は、触法精神障害者対策と政治の動きという流れと、その資金の、この政治団体の資金がどういうふうに配付されていったかということを時系列的に並べただけでございますが、大臣いろいろおっしゃるけれども、これ一目瞭然なんですね。もっとも、中には個人的なお知り合いだとか、そういう意図なしに寄附いただいた人たちも結構いると思います、それは。しかし、これはトータルとして見ざるを得ませんですから、そういうことを言うわけでございますが。
 そこで、ちょっと特徴を申し上げますと、すぐ見て精査できないと思いますから、実に細かくばらまいているんですね。ほとんどが自由民主党所属の議員さんたち。それで、他党の百万円以上の献金を受けた人は公明党冬柴幹事長、現職では冬柴幹事長だけ。それから、野田毅さんが保守党の党首のころ百万円いただいています、もらっています。それから、何と小泉総理も百万円以上の献金や陣中見舞いを受けているんですよ。それから、KSD事件とは違って表のお金でございますし、それから一人当たりの、巨額にはなっていませんが、それでも三百万という単位で陣中見舞いをぽんと出している、受けている、受けているといいますかな、我々は出していると言った方がいいかも分かりませんが。自民党の幹部も相当いるという事実が分かりました。
 それからもう一つの特徴は、陣中見舞いで衆参を比較すると非常に面白い。平成十二年の衆議院選挙には六千五百二十万、陣中見舞いをやっているんですが、翌年の参議院の選挙には八百八十六万円なんですよね。いかに日精協は衆議院自民党をターゲットにしたかということがこれで証明できます。参議院でも突出している人が二人ぐらいいますが、名前は言いません。ここを見てください。
 そこで、問題が幾つかあるんですが、一つは、やっぱり道義的責任と、もしかしたら法的責任が生ずる人がいるかも分からぬということなんですが、法務大臣ね、年間百億近い、民間精神病院、補助金をもらいまして、更に自分の権益を拡大、あるいは守るために政治家に献金して自分に有利になる法制度を作ろうと、官僚を利用してですよ。法務省も厚生省もしかるべきときには大分突っ張ったようですが。要するに、自民党政治というのは税金の還流ですよね。百億の補助金で表一億五千万出しているとすれば、何%になりますかな、税金の一・五%は政治家に回しているということになりますわね、実際はもっと多いと思いますけれども。
 そういうふうに見れるわけですが、こんなことをしたら国が壊れるということは前回申し上げたんですが、要するに合法的にこういうことができるということが僕は問題にしているわけなんですよ。犯罪を起こす人はこれは断じて許せませんけれどもね。それがやっぱり今の日本の政治構造なんですよ。いわゆる法律で、合法で、法律で責任問われずに何となくこういうことができるという、政官業の癒着の典型的な例だと思うんですよ。こういうことは大臣、もうやめようじゃないですか。大臣は、私、自民党にいるときには政治改革熱心に主張されていた方なんですがね。こういう法案の作り方というのはもうやめるべきだと思うんですよ。まして、医療費が掛かるといって、大幅に値上げしたばかりでしょう。これも医療費の一つでしょう。要するに、日精協の言うなりの制度を、まあ一〇〇%言うなりじゃなかったかも分からぬけれども、満足していますわね、法案出したことで。
 どうですか、こういう政治やめたいと思うんですが、大臣の所感。どういうお考えですか。
国務大臣森山眞弓君) 私は、残念ながらこういう状況に直接関係したことはほとんどございませんで、実際にこういう動きがこんなに細かくたくさんの方々に対して行われていたということは、この資料を今拝見して初めて知ったわけでございます。
 今御審議いただいている法案について申しますと、もうかねてから、十年も、更にもっと前から社会的な問題になる事件が時々ございまして、これを何とかしなければいけないということで、多くの国民の、多くの方が問題意識を持たれ、これを何とか皆さんの要望にこたえてきちんとした仕組みを作らなきゃいけないというふうに思われた議員の皆さん、さらに、そのようなお声を受けまして、政府の方でもかねて勉強したものが今日このように実って提案をさせていただいているわけでございまして、このような働き掛けの結果どうなったとか、あるいは予定したものが変わったとかというようなことはないと私は確信しておりますので、先生のおっしゃるお気持ちも分かりますけれども、それとこれは直接は関係ないということで私としては申し上げたいというふうに思います。
平野貞夫君 私も時間がないですから、ちょっと自分でばかりしゃべっていて悪いんですが、何度も言うように、例えば担当している刑事局長は、この時分には司法制度改革で苦労されていた。今は刑事局長で、こうやっていろいろ矢面に立って気の毒だと思うんですがね。
 端的に言いまして、やっぱりでき上がったものについては、それは皆さん自信持っていると思いますよ。私の党も衆議院では賛成しているんだから。しかし、いや、でき上がり方を私は問題にしているわけですよ。何といっても、やっぱり日精協がこいねがった制度なんですよ。
 そして、厚労省の方に質問しようと思ったけれどももうやめますが、平成十年の明けには、日精協は触法精神障害対策を福祉法に入れろということを要望して、厚生省がうんと言わない。立派だ、なかなか。そこで、これじゃなかなか、政治工作せにゃいかぬという話になって、秋には恫喝的声明を出すんですよ、日精協は。そこから始まるんですよ、話は。かねがね、それはやっぱりこういう制度の在り方について勉強するのは当たり前のことでしてね。
 そして、平成十年から十一年にこの日精協がうるさく言い出したときに、自民党の中にプロジェクトチームができるわけでしょう。厚生省のOBの持永さん。この人も一杯もらっていますよ。これ見てくださいよ。いわゆる表の金をもらっているわけですよ。そして、苦労して訳の分からぬあの附帯決議になるわけですよ、幅広い観点から検討を行うという。衆参両院でやる。これはやっぱり国会でやった附帯決議ですから、大臣には責任がありませんよ。それは国会議員に責任があるわけですよ。幸い、これ参議院は法務委員会でやらなかったから私もそんな、ちょっと責任回避できると思うんですが。
 そして、保岡さんが、鹿児島の精神病のお医者さんに言われて、今村先生に言われて、私的勉強会を作るわけですよ。この方は弁護士ですから、そう我々みたいな者がつっついても穴の空くようなことはしませんよ。なかなか、だから大したものなんですよ。そして、この平成十一年から日精協の交渉費がわあっと多方面に広がっていくんですよ。これ、数字見てください。これ、私、ごまかしていませんから。
 そして、いろいろ精神病医療の特例措置の堅持とかいろんな問題があって、平成十二年に総選挙があって、どかんと陣中見舞いを出すわけですよね。それで、日精協は一生懸命それに掛けるわけなんですよ。ですから、平成十二年に出した金というのは、やっぱり相当な額なんですよ。それがずうっと、これ見ていただければ分かると思います。
 そして、保岡さんは百万円もらって、まだ一月もたたないのに、七月の四日、総選挙が終わった後、法務大臣になる。津島さんも百万もらって厚生大臣になると。
 そして、日精協の機関誌によると、保岡法務大臣と津島厚生大臣が、まあ保岡さんがいろいろ話を掛けて、合同の検討会を作ったと。これは日精協が言うから間違いないと思いますよ。日精協は、保岡さんが自分らの思うとおりに動いてくれたと思っておるんです。
 だから、法務大臣の責任というのはすごく僕はあると思うんですよ、保岡さんの。ですから、この保岡さんの、法務大臣になる前後、なってからの動きというのは、法務省と関係ないということはないんですよ。個別の問題じゃないんですよ。少なくてもこの合同検討会を立ち上げるについて、まあ保岡さんは立派な理屈を言うんでしょうけれども、日精協からの働き掛けがあったということは事実だと思うんですよ。ここら辺の確認は僕はやってもらいたいと思っているんですよ、法務省で。しかし、今は聞きません。いずれ後で聞きますけれども。そういう流れになっておるんですよ。
 そして、かなり高額をもらった富山の長勢さん、この方は富山市で精神病院の経営者と仲がいいんですよ。癒着しているんですよ。私のところの党の広野ただしという人が小選挙区で負けた人でございまして、だからよく情報は入っているんですよ。そこで、法務省副大臣をやっていたんですよ、平成十三年。副大臣をやめて十日目に衆議院の法務委員会で日精協の立場で保護観察的司法制度の整備を主張する、整備をしろという主張を質問するわけですよ。あの会議録を読んだら、これ贈収賄そのものですよ。
 私も今政治家ですけれども、昔は衆議院事務局で政治家の質疑応答を通じて贈収賄をやったという事件について、特捜の窓口で何度も体験していますからね。弁護士じゃない、素人ですけれども、感触的に、勘的にはこれは臭いということが分かるんですよ。
 そして、長勢さんが質問をした一月もたたぬうちに池田小学校の事件が起こるわけでしょう。そこで、日精協、悪乗りするわけですよね。八月の二日に、重大な犯罪を犯した精神障害の処遇に関する新たな法制度の確立について意見を表明しておるわけですよ。ずっとこの十三年も、いろいろと金を出して、方々に大きくばらまくわけですよ、日精協は。
 悪乗りした人がもう一人いますよ。小泉総理ですよ。刑法改正しろと言ったでしょう。これはさすが、森山法務大臣は、それはできぬと言った、よくないと言った。しかし、あの人は刑法とこの、あれじゃないですかな、心神喪失者医療法と間違えていたんじゃないですかな。小泉さんも百万以上もらっていますからね。まあこれはちょっと脱線したんですけれども。そして、平成十三年の十一月に与党のプロジェクトが法案作るべきだという報告書を作るわけでしょう。
 で、その横を見てごらんなさいよ、表を。ずうっとお金が出ているでしょう。その間、私は、法務省と厚生省の合同委員会で、当初は法務省は必要ないというあれじゃなかったんですかな。その点だけは質問、余り自分ばかりしゃべっちゃいかぬから聞きますが。
 この法務省と厚生省の合同検討会が立ち上がったときに、法務省刑事局の担当者はこの会議に、犯罪精神障害者対策についてという手持ちのメモを持って対応するわけですね、厚生省と。その中で、精神障害者の犯罪は最近特に増加しているわけではない、精神障害者を危険な存在と見ることは社会情勢から見て困難であると考えられる、むしろ精神障害者はその者が抱える精神障害に対して適切な医療措置を施されるべき存在であるととらえるべきことが必要であると。
 私は、この保岡さんとか長勢さんの構想、いわゆる日精協の構想には、このとき法務省は反対というか消極的というか、もっともっと研究せにゃいかぬという姿勢だったと思うんですが、この点については、局長。
○政府参考人(樋渡利秋君) 突然のその点についてのお尋ねでございまして、委員先ほどおっしゃっていましたように、当時、私はこの任に当たっておりませんでして、どうなのか、私には今何ともお答えできません。
平野貞夫君 大臣は、当初、このころ法務省は余り積極的でなかったという答弁どこかでなさっていましたね、今回。衆議院でなさったかも分からぬ。私、衆議院の質疑を見ていておやっと思ったことがあるんですが、そういう答弁なさった記憶ないですか。
国務大臣森山眞弓君) 私はそういうお答えをした記憶はございませんですが。
 ちょうど、おっしゃいます平成十三年の初めからこの勉強会が始まったということでございますけれども、それは、そういうことをスタートしたということは後で聞きましたが、私が大臣になりましたのは同じ年の四月の終わりでございましたので、細かいことまで最初からよく存じているわけではございません。
平野貞夫君 これ、質問じゃないんですけれども、お願いなんですが、まず、その合同検討会を立ち上げるについて、保岡法務大臣と津島厚生大臣がどういうプロセスでどういう話合いで立ち上げたかということを、今答弁されなくてもいいんですけれども、それは調べていただけますか。
○政府参考人(樋渡利秋君) まず、今分かっておりますことは、委員の御指摘の検討会の開催は、平成十二年十一月、当時の保岡法務大臣と津島厚生大臣との間の合意に基づくものでございますが、これらの者の、これらの者というのは、精神障害者の、心神喪失等に触れた処遇の問題の者でございますけれども、これらの者の処遇の在り方につきましてはそれ以前から両省の担当者において検討を行っておりまして、意見交換を行うこともあったというふうに承知しております。
平野貞夫君 その合同検討会が何回開かれて、概要どういうような論議の推移であったかということは分かりませんか。
○政府参考人(樋渡利秋君) 法務省と厚生省の合同検討会は平成十三年一月から同年の十月までの間に七回開催されております。この検討会は、精神障害に起因する犯罪の被害者を可能な限り減らし、また重大な犯罪を犯した精神障害者精神障害に起因するこのような不幸な事態を繰り返さないようにするための対策を検討するために設けられたものでございます。
 具体的には、精神医療及び刑事法の学者、病院関係者、この問題に造詣の深い弁護士、被害者等から御意見を伺いつつ、重大な犯罪行為をした精神障害者の入退院等を決定する手続、治療施設の在り方、退院後の地域社会でのケアの確保のための体制、司法精神医学に関する研究、研修の必要性などにつき様々な角度から調査検討を進めたものでございます。
平野貞夫君 雰囲気としては分かるんですが、かなりやっぱりじっくり構えていたというか、慎重に幅広く議論しようという姿勢だったという印象を私受けますよ、今のお話で。しかし、法案ができたのは、法案出したのは次の三月ですからね、十四年の、十四年の三月ですから。これはちょっと法案のまとめ方は速過ぎるといいますか、その検討委員会の雰囲気とはちょっと私は違うと思うんですがね。
 それから、合同検討会が立ち上がっていろいろ議論される中で当時の副大臣の長勢さんはどういうかかわりをしたかということは分かりませんか。分からなかったらちょっと調べてくれませんか。ここら辺がやっぱり私は、寄附金を、届けていたとはいえ寄附金の疑惑というのは非常に問題のポイントじゃないかと思うんですが、それを、保岡元法務大臣、長勢元法務副大臣に、合同会あるいはこの法案についてどういうふうにかかわってきたかということは、本人をここに呼ぶわけにもいかぬでしょうから、これはやっぱり法務省から尋ねてもらえればと思うんですが、その点、どうでございますか。
○政府参考人(樋渡利秋君) 法案を検討する過程におきまして、当方の大臣、副大臣が我々に対して意見を申したり、私たちが報告を、当時私ではありませんが、部下が報告をして意見を求めたりすることは当然のことでございまして、大臣、副大臣として、その務めとして果たしている部分は多いだろうというふうにも思うわけであります。
平野貞夫君 それは当然のことでしょう。その当然のことの中に私的な利益の問題を入れるというのが今の政治の大勢ですからね。そこに職務とのかかわりができるわけですから。
 時間が来ましたからもうやめますが、私がやっぱり解明せなきゃいかぬという現段階でのポイントというのは三つあります。いろいろありますが、三つに絞っておるんですが、それはやっぱり保岡元法務大臣の問題、それから長勢元法務副大臣の問題、それから、何といいましても、この平成十四年、衆議院に出されていろんな流れがあるわけなんですが、強行採決を最後にはしたわけですが、これを解明するためにはやっぱり平成十四年度の日精協の政治連盟の収支報告書がないと駄目なんです。これは法務省に言う話じゃないんですが。
 委員長、総務省からでもいいし、選管からでもいいし、それは当事者からでもいいですから、ここを、何せ出すまでに一億五千万ぐらい使っていますから、今年はそんなに使っていないと思いますけれども、この十四年にどういうふうな政治活動費を使ったかということが判明しなければこの法案放すわけにいかぬと思うんですよ。中にはいろいろ評価すべき部分もあるし、また不十分な部分もあれば問題の部分もあると思いますんですが、それをこの三点を、私はちょっとやっぱり、の解明についてまた理事会等で対応を御相談していただきたいということをお願いして、やめます。

【福島委員質疑】

第156回参議院 法務委員会会議録第15号(同)
福島瑞穂君 社民党福島瑞穂です。
 一点だけ、ちょっと行刑改革会議について大臣にお聞きをいたします。ちょっと心神喪失者の前に一点だけ質問させてください。
 行刑改革会議が始まりました。国会議員として、あるいはこの法務委員会としても大変関心を持ち、かつ刑務所の改革が根本的に進むことを心から願っております。テーマ、議論、提言に行刑改革会議は聖域を設けていますか。
国務大臣森山眞弓君) いえ、最初から、どうぞ何でもおっしゃってくださいということで、聖域なく御意見を承るようにいたしております。
福島瑞穂君 聖域なき議論、聖域なき改革ということは私も別のところで報道で見た記憶がありますので、聖域なき議論を是非していただけるようによろしくお願いします。
 それでは、あるべき人権救済機関についての提言も範囲に含まれるのでしょうか。
国務大臣森山眞弓君) それは会議が行刑改革会議でございますので、主として刑務所の在り方にかかわる問題で、今までこうだったからとか、今までこう考えてきたからとかいうことにとらわれないように、それで聖域なきというふうに申しているわけでございまして、そのほかのテーマについても何でもお願いするということを申しているわけではございません。
福島瑞穂君 あるべき人権救済機関をどうするかは、正に刑務所問題と直結をすると。例えば、拷問禁止条約の選択議定書を例えば批准すれば人権救済機関からの査察があるわけですし、刑務所の中の問題にどうメスを入れるかという問題は、正に人権救済機関をどう作るかと、正にこの刑務所問題に直結する問題であると考えますが、いかがですか。
国務大臣森山眞弓君) 刑務所の改革に関することであれば何でもというふうに申し上げておりますので、今おっしゃったようなテーマも触れられるかもしれないと思います。
福島瑞穂君 ありがとうございます。
 聖域を設けないと、刑務所の改革という中に人権救済機関の在り方も入り得るという御答弁でした。
 この法務委員会で、参考人として菊田幸一さんに来ていただきました。やはり人権救済機関の在り方、法務省の外局ではなくきちっとした人権救済機関を作ってほしいというのを彼は言いましたし、また行刑改革会議の中でそのことをきちっと取り上げたい、あるいは取り上げるべきだということも言っていました。
 もう一つ、菊田参考人は、そこで行刑改革会議が、年内かどうか分かりませんが、提言をするまで人権擁護法案についてやるべきではないと。要するに、せっかく大臣の肝いりで行刑改革会議ができ、みんなが物すごく期待をしているところなわけですから、そこで提言があり得ることを、その前に人権擁護法案について成立させる、あるいは審議、結論を出すべきではないと言いましたけれども、その点についていかがですか。
国務大臣森山眞弓君) 菊田先生もいろいろと御自由に発言をしておられますけれども、国会でどのようなお話しなさったか詳しく存じませんが、それとはまたちょっと違う、あるいは全部はおっしゃっていないわけですから、私どもが行刑改革会議で承ったお話とはちょっと違うように思います。
 しかし、おっしゃったような趣旨のことを手紙に書いて皆さんに配られたか、あるいは私にお見せいただいたかでございまして、私は先生がそのような御意見をお持ちだということは承知しております。
福島瑞穂君 日本弁護士連合会も先日総会をやりまして、やはり同じようなことの趣旨の提言をやっております。私からも本当にお願いで、行刑改革会議は百年来の刑務所の改革になると。それと、今後を見据えたときにあるべき人権救済機関をどう作るかということが、刑務所問題と本当に実は、同義語ではありませんが、直結をするというふうに考えます。ですから、行刑改革会議が大臣の本当に決意の下に開かれて期待を大変しているところですので、行刑改革会議が提言をするまで人権擁護法案で、私から見れば中途半端に成立をさせないでほしいということを強く要望いたします。今日は、大臣が行刑改革会議に聖域を設けないで議論されるということをおっしゃっていただいたので、是非お願いをしたいと思います。
 では、心神喪失者の法案についてお聞きをいたします。
 木村副大臣、去年、百十万円、政治献金を受けたということをこの委員会でおっしゃっていただいたんですが、副大臣になられて八十万円もらい、かつ十一月にその大会で発言をされています。
 改めてお聞きをします。日精協から、あるいは日精協の関連者から何か働き掛けはあったでしょうか。
副大臣木村義雄君) 何回も申し上げておるんでございますけれども、まず政治献金は政治家の活動として法律上認められているものでございます。私は、政治資金規正法に基づきまして適正に処理をしているところでございます。
 そして、お答えでございますが、私は副大臣といたしまして、国務大臣副大臣大臣政務官規範に基づき国民全体の奉仕者として公共の利益のために職務を遂行しており、政治献金の有無にかかわりませず一部の利益のために影響力を行使したということは断じてなく、今も、今後ともあり得ないと、このように思っているような次第でございます。
福島瑞穂君 変なことを言いますが、森山大臣それから坂口厚生労働大臣はもらっていないんですよね。
 ですから、私は、全体の奉仕者ということで言うのであれば、やはり大臣、副大臣、あるいはその前後ですよね、非常に強力な権限を持っていると。ですから、自分が副大臣になって、しかもこれは心神喪失者処遇法案が衆議院でがんがん議論の最中に献金をもらったところに行き、頑張ります、成立させますということを言うのは、李下に冠を正さずではありませんが、不適切であったと考えますが、いかがですか。
副大臣木村義雄君) 何度も申し上げますが、政治献金は政治家の活動として法律上認められているものでございます。私は、政治資金規正法に基づきまして適正に処理をしているところでございます。また、私は副大臣といたしまして、国務大臣副大臣大臣政務官規範に基づきまして、国民全体の奉仕者として公共の利益のために職務を遂行しておるところでございます。
 政治献金の有無にかかわりませず一部の利益のために影響力を行使したことは断じてなく、今後ともあり得ない、このようなことでございます。
福島瑞穂君 野党は、公共事業を受注する企業から一年間は政治献金もらうことを禁止したらどうかという法案を国会に出したりしております。私は企業・団体献金についても思うことはありますが、せめて大臣、副大臣のときに、少なくとも業界団体と言われるところから政治献金を受けることは不適切であると考えますが、いかがですか。
副大臣木村義雄君) 同じ質問なんで同じ答えをさせていただかざるを得ないんでございますけれども、政治献金は政治家の活動といたしまして法律上認められているものでございますし、私は政治資金規正法に基づきまして適正に処理をしているところでございます。
 私は副大臣としまして、国務大臣副大臣及び大臣政務官規範、これは閣議決定の分でございますが、これに基づきまして国民全体の奉仕者として公共の利益のために職務を遂行しており、政治献金の有無にかかわりませず一部の利益のために影響力を行使したことはございません。まして、今後ともこういうことはあり得ない、今後とも影響力を行使することは断じてないわけでございますけれども、先生お話しありました政治資金の在り方につきましては、特に企業献金等の在り方につきましては各党各会派で十分議論がなされていくべき問題であると、このような認識は持っておるような次第でございます。
福島瑞穂君 修正案提出者へお聞きいたします。
 日精協から働き掛けはありましたでしょうか。日精協の人と勉強会をやる、あるいは会う、陳情を受ける、そんなことはありましたでしょうか。
衆議院議員塩崎恭久君) 勉強会は、私もメンバーの一人でございますけれども、なかなか時間的な折り合いが付かず、冒頭だけ出るぐらいのことがほとんどでありました。
 今お尋ねの、働き掛けがあったかどうか、これはございません。
福島瑞穂君 先ほど平野委員が提示しました資料を見ても、あるいは他のこちらで入手した資料を見てもかなりばらまかれていると、お金が。ただ、やはり自民党の極めて有力な厚生労働委員会あるいは法務委員会の人たち、あるいは大臣、副大臣に配られている、あるいは自民党のこの法案のプロジェクトチームのメンバーに配られている、そのことが特色としてあります。
 先ほども同僚議員たちから質問がありました。こういうお金のことでこの法案が審議されることは本当にやっぱりおかしいというか、これをきちっとやはり明らかにしない限りこの法案は絶対に、中身の問題もさることながら、成立させてはいけないというふうに思います。
 先ほど平野委員からもありました、私もちょっと一番驚いたのは、「日精協雑誌二十一号二巻によれば、保岡氏の私的勉強会は数回開かれ、触法精神障害者対策の認識が深まり、保岡氏が法務大臣に就任後、津島厚生大臣に話をして法務・厚生の合同検討会が開かれることに。」なったという部分です。つまり、法務省厚生労働省というよりも政治家主導の下でこの法案が作られていっているという実態もあるかもしれない。そうでないというのであれば、この間の経過を明らかにしていただきたいと、そういうふうに思います。
 ちょっと中身について質問をいたします。
 衆議院でも質問が出ておりますけれども、指定入院医療機関の予算措置なんですが、二〇〇三年度三十七億円、そして二億が人材育成ということでよろしいでしょうか。今後の予算もどういうふうになるのでしょうか。
○政府参考人(上田茂君) ただいま議員御指摘のとおりでございます。
 また、指定入院医療機関の整備につきましては、平成十五年度において八か所の整備に着手したいと考えておりまして、これに対する経費を予算に計上しているところでございます。
 また、指定入院医療機関における具体的な人員配置や施設設備の基準については現在検討を行っているところでありますが、司法精神医学が確立し、手厚い医療を実施しております諸外国の例も参考にしつつ、適切な基準を定めることとしております。
 また、本法案の関連の予算三十六億七千七百万の内訳といたしましては、今申し上げました指定入院医療機関の整備三十四億、そして人材養成研修の委託事業の一億三千二百万、そして精神科急性期医療等専門家養成研修の実施四千百万、その他の施行に必要な経費一千三百万、以上でございます。
福島瑞穂君 私はこの予算を見て驚きました。というのは、手厚い医療と言いながら二億円、そして実は八か所の病棟を造る、要するに箱物にお金を三十五億円使うと。つまり、手厚い医療と言いながら、結局箱物を造ることに予算を使っているのではないか。
 予算がこういうことに使われるのは不適切だと考えますが、いかがですか。
○政府参考人(上田茂君) 先ほど申し上げましたのは、指定入院医療機関の整備に係る経費でございます。
 また、この指定入院医療機関の運営を行うためには、これまでも申し上げておりますが、医師ですとか看護職員その他の精神保健福祉士等々の人件費などを含めた当然運営費が必要になってまいります。これは、この指定入院医療機関の運営に当たりましては、当然そういった経費を今後計上するものでございます。
福島瑞穂君 医療観察法案体制での予測該当者は二百名ということでよろしいでしょうか。──この医療観察法案体制ができたときに予測該当者は何名になるでしょうか。
○政府参考人(上田茂君) 失礼いたしました。
 本制度におけるその必要な対象者数につきましては、現時点では確定的なことを述べるのは困難でございますが、殺人、放火等の重大な他害行為を行い検察庁で不起訴処分に付された被疑者のうち、精神障害のため心神喪失若しくは心神耗弱を認められた者、第一審裁判所で心神喪失を理由として無罪となった者、心神耗弱を理由として刑を減刑された者、こういった総数が平成八年から平成十二年までの五年間で約二千人であること、あるいは通院患者の再入院も想定されることなどから、一年間の入院対象者数については最大四百人程度ではないかと推計されております。
福島瑞穂君 平成十五年度厚生労働省予算案を見ますと、非常に変だなと思います。既に予算がこの医療観察法案体制で三十七億円、さっき出ました。社会復帰対策が二百十五億円、精神科緊急体制が二十一億円。つまり、四百名に対して今年、まだ法案が成立していませんが、三十七億円予算が付いている。一人当たり大体一千万円。社会復帰対策は、大体予測該当者七万二千人ぐらいいるんじゃないかと言われておりますが二百十五億円ですから、一人当たり三十万円でしかありません。
 私が何を言いたいかといいますと、様々な例えばいわゆる精神障害者の人がいると。どうしてここの指定医療機関についてだけこういうふうにお金を掛けるのかと。少なくとも箱物だけで今年三十五億円掛けるわけですね。これは非常にアンバランスではないか、おかしいんではないか。
 改めて、ではまたお聞きします。なぜ民間に指定入院医療機関はないのでしょうか。
○政府参考人(上田茂君) 指定入院医療機関につきましては、法案第十六条第一項によりまして、国、都道府県又は特定独立行政法人が開設する病院について厚生労働大臣が指定することとされております。これは、本制度の入院医療は一般の精神医療とは異なり、公共性あるいは専門性が極めて高いこと、継続的で適切な医療を実施するためには安定した経営が行わなければならないこと、裁判所の決定に基づく医療であり、全国で公平一律に実施されなければならないこと、こういったことを考慮しまして、指定入院医療機関を国又は都道府県立病院等に限定することとしたものでございます。
福島瑞穂君 民間の精神病院は公共性がないのでしょうか。民間の精神病院は専門性がないのでしょうか。安定しないのでしょうか。
○政府参考人(上田茂君) ただいま申し上げましたように、法案第十六条第一項によりまして……
福島瑞穂君 分かっています。
○政府参考人(上田茂君) はい。したがいまして、その理由につきましては先ほど申し上げましたとおりでございます。
福島瑞穂君 やはりこの法案は非常に変ですよ。つまり、今までいろんな精神、日本は九割から八割民間です。なぜ国のものだけ、公立のものだけ特別造って、箱物でお金を使ってやるのかと。
 この委員会の中で、日精協との関係が非常に言われています。日精協は御存じ、民間の精神病院の集まりです。そこの陳情を受け、陳情を受けたというのはちょっと言い過ぎかも。そこでの政治献金がいろんなところに本当に配られて、結果として公、国立、県立が責任を取るというか、こういう病棟を造るということをやっているわけですね。それはやっぱり奇妙に符合しているんじゃないですか。民間がやりたくないことを押し付けているということではないんですか。
 改めてお聞きします。民間の精神病院は専門性がないんですか、やれないんですか、社会復帰ができないんですか。
○政府参考人(上田茂君) いわゆる民間病院におきましても、公的病院と同じように社会復帰あるいは精神医療の、高度の精神医療について取り組んでおられる施設もございます。
 しかしながら、今回の指定入院医療機関におきます医療につきましては、先ほど、例えば裁判の決定に基づく医療であり、全国公平一律に実施されなければならない幾つかの理由も申し上げましたが、このような点から、国又は都道府県立病院に限定するということにしたところでございます。
福島瑞穂君 社会復帰は民間の中でも大いにやってもらう必要があるし、国だけこういうものをやることはおかしいというか、どうも理解ができません。また、税金が結局ここにつぎ込まれるわけで、そのことも問題です。
 ところで、修正案によっても、この法律の第一条「目的」は、「再発の防止を図り、」。第一条は、「目的」で、「再発の防止を図り、」ということがはっきりこの法案の中には入っております。そして、午前中の議論で、三十四条の件について、答弁で、はっきりしない限り入院をさせないという答弁がありました。しかし条文上は全くそうなっておりません。「同様の行為を行うことなく、社会に復帰することを促進するためにこの法律による医療を受けさせる必要が明らかにないと認める場合を除き、」、「在院させる旨を命じなければならない。」。ちょっと途中省略しましたが、つまり原則として入院をさせないんだという条文にはなっておりません。
 法案は、一条が、先ほども言いましたが、「再発の防止を図り、」となっていて、三十四条は、条文上の体裁からは、「同様の行為を行うことなく、」云々という場合に、「在院させる旨を命じなければならない。」。何とかの場合を除き、「明らかにないと認める場合を除き、」在院させるとなっているんですね。要するに、原則としてこれ入院ですよ。この点はどうですか。
○政府参考人(樋渡利秋君) 委員が御指摘になった在院させる旨を命じなければならないとか、そういうことは鑑定入院のところでございまして、この医療のための入院のところとは違うということでございます。
福島瑞穂君 でも鑑定入院も、これは二か月か三か月強制入院になってしまって、その間の治療ができないのではないかと言われていますよね。その点はどうですか。要するに、原則としてここでもう強制入院させられるわけですよね。どうですか。
○政府参考人(樋渡利秋君) あくまでも鑑定のための入院はこの法案によります医療を受けさせる必要があるかどうかの判断をするための入院でございまして、その間、何度も御説明申し上げておりますように、その鑑定入院の間でも治療は続けていただくようになっておりますということでございます。
福島瑞穂君 一条の「再発の防止を図り、」という点で衆議院では結構議論されておりますが、再犯率です。これ、改めて今日ちょっと強調したいのですが、殺人を犯した一般犯罪者と精神障害者再犯率について質問通告していますが、それぞれどれぐらいか、改めて教えてください。
○政府参考人(樋渡利秋君) これも何度も聞かれていることなんでございますが、殺人等の重大な他害行為を行った者を含めまして、心神喪失者等の再犯率につきましては正確なデータはございませんが、殺人等の重大な他害行為を行った心神喪失者等のうち、過去十年以内に前科前歴を有している者の割合は、平成八年から平成十二年までの五年間の平均で三割弱、約二七・九%となっております。
 また、被害者が親族、放火については対象が自宅という場合を除いて計算しますと、過去十年以内に前科前歴を有する心神喪失者等の割合は約四割、三九・五%でございます。
 一方、統計の基準が異なりますので、一概に比較はできませんが、同じ五年間において重大な他害行為について起訴又は起訴猶予をされた者のうち、過去十年以内に罰金以上の前科を有する者が四割強、四二・九%でございます。
福島瑞穂君 済みません。ちょっと私が持っていたデータとちょっと違ったので改めてお聞きをしましたが、今の中身、済みません、もう一回ちょっとチェックをしたいと思うのですが、結局、結論とすれば、精神障害者の人と一般犯罪者ではその再犯率が、特に、今の答えだとむしろ一般の人の方が高いということでよろしいですね。
○政府参考人(樋渡利秋君) 再犯率というものの考え方でございますが、心神喪失者等で無罪になった者あるいは起訴されなかった者につきまして、これはその後、現在では措置入院を受けたりいろんな治療をやっていただくということで、そのままの状態で再犯をするかどうかということは測りようがないわけでございまして、そこで、したがいまして、その心神喪失等で無罪になった者あるいは不起訴になった者が過去十年間に、過去五年間でしたか、さっきは、失礼しました。過去十年ですね、十年以内に前科を有していたかどうかということの数字、統計を挙げたものでございます。一方で、そうでない方の全体のものはいわゆる再犯率を挙げたものでありますから、なかなか比較ができないということでございます。
福島瑞穂君 いろんなデータがありますけれども、普通の人は精神障害者の人たちの再犯率が高いんではないかと思っているかもしれないけれども、実際は全くそうではないというか、統計の取り方がいろいろかもしれないんですが、そうではないということのデータがあります。
 そうだとすると、再犯率をどう見るかということもありますけれども、場合によってはこの四十二条「入院等の決定」で、やはり「同様の行為を行うことなく、」というのが入っているわけですから、今、刑事局長は再犯のおそれなんてだれにも分からないというふうにちょっとおっしゃいましたけれども、同様の行為を行うことなくというのと再犯のおそれは私は同義語だと思うんですね。その人間が再犯をするかどうか、同種の行為するかどうかやっぱり分からないじゃないですか。精神科医の人たちのいろんなものを見ると、それはやはり分からないということになっておりますが、その点はどうですか。
○政府参考人(樋渡利秋君) そういうようなことを私は申し上げているわけではございませんでして、再犯率は取れないと、なかなか困難であるということでありまして、それと、この同様の行為を行うことなく社会復帰できるかどうかを判断していただくということとは別であるというふうに考えております。
○委員長(魚住裕一郎君) 時間ですが。
福島瑞穂君 時間ですのでやめますが、日本精神神経学会、精神医療と法に関する委員会の詳細な報告で、同様の行為を行うことなく社会復帰することができるかどうかは医学的には不可能であると、それを見るのが。不可能なものを四十二条で判断をして入院させるというところにそもそもこの法案の無理があると考えます。
 ちょっと済みません、質問通告したうち大分残ってしまいましたが、また質問したいと思います。
○委員長(魚住裕一郎君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。