会社法・設立

会社法のサブノート的メモ。
【1】定款
(1)定款
*株式会社を設立するには、発起人が定款を作成し、発起人全員が署名・記名押印する。
*定款は、公証人の認証によって、効力を生じる。
*定款には、目的・商号・本店の所在地や、「設立に際して出資される」財産の価額またはその最低額などを記載する。
*発行可能株式総数を定款で定めていない場合には、会社成立のときまでに、発起人全員の同意によって、定款変更してこれを定める。
(2)記載事項
*定款で定めなければ、その効力が生じない事項(相対的記載事項)。
 +累積投票による取締役選任を、請求できないとする場合
 +剰余金配当について種類の異なる株式を発行する場合
*以下は、発起人の全員の同意か、定款による定めが必要。
 +発起人が割当てを受ける設立時発行株式の数
 +この設立時発行株式と引換えに払い込む金銭の額
 +成立後の会社の資本金及び資本準備金の額に関する事項
(3)変態設立事項
*相対的記載事項のうち、裁判所が選任した検査役の調査が必要な事項。
 +金銭以外の財産の出資(現物出資)
 +会社成立後に譲り受けることを約した財産引受け
 +会社成立により発起人が受ける報酬その他の特別の利益
 +会社が負担する設立費用
*現物出資は、発起人しか行うことができない。
*以下では、検査役の調査が不要。
 +価額の総額が500万円を超えない場合
 +法務省令で定める方法により算定されるものを超えない場合
 +定款に記載・記録された価額が相当であることについて弁護士などの証明を受けた場合
【2】設立方法
(1)発起設立
*発起人が、設立に際して発行する株式の全部を引き受ける方法。
*発起人は、引受け後遅滞なく、その引き受けた設立時発行株式につき、その出資に係る金銭の全額を払い込み、又はその出資に係る金銭以外の財産の全部を給付する。
*ただし、発起人全員の同意があるときは、登記などは、株式会社の成立後にすることができる。
(2)設立時役員
*設立時役員は、定款で定める。
*定款の定めがないときは、発起人の議決権の過半数をもって、設立時役員を選任する。
*設立時取締役(設立時監査役)は、現物出資財産の価額が相当であることや、出資の履行が完了していることなどを調査する。
*調査により、違反などがあると認められたときは、発起人にその旨を通知する。
*調査は、設立時取締役などの全員が、それぞれ独立して行う。
(3)募集設立
*発起人のほかに、設立時発行株式を引き受ける者を募集する設立方法。
*引受人が払込みを行って、株主となる。この権利の譲渡は、成立後の会社に対抗することができない。
*引受人が払込みをしないときは、設立時株主となる権利を失う。
(4)創立総会
*払込みの履行の後遅滞なく、発起人は、創立総会(設立時株主総会)を招集する。
*決議は、(議決権を行使することができる)設立時株主の議決権の過半数であって、出席議決権の3分の2以上。
*決議事項は、招集時に決定した総会の目的である事項のみ。
*ただし、定款の変更、および、設立廃止については、決議をすることができる。
*総会の延期・続行の決議があったときは、その通知を設立時株主へ行う必要がない。
(5)発起人の責任
*現物出資財産等の価額が定款に記載された価額に著しく不足するときは、発起人及び設立時取締役は、当該会社に対し、連帯して、当該不足額を支払う義務を負う。
*ただし、当該給付者・譲渡人でない者については、検査役の調査を経た場合、または、その職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合には、支払義務を負わない。
*募集設立の場合には、検査役の調査を経た場合のみ適用される。
*発起人、設立時取締役(設立時監査役)は、会社の設立についてその任務を怠ったときは、会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
*発起人等が、その職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該発起人等は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。
*発起人等が負う責任は、総株主の同意がなければ、免除することができない。