会社法・機関

今回は「機関」。
【1】株主総会
(1)招集
株主総会は、取締役が招集する。
*株主が、理由を示して、取締役に対して招集請求することもできる。
*請求できる株主は、総株主の議決権の100分の3以上の議決権を、6か月以上前(公開会社のみ)から有する株主。この要件は、定款でさらに厳しくできる。
*招集請求した株主は、招集されなかった場合には、裁判所の許可を得て株主総会を招集することができる。
*招集する場合には、日時・場所・目的である事項などを定める。
*招集事項の決定は、取締役会の決議による。
(2)招集通知
*取締役は、株主総会の日の2週間前(公開会社でない場合は1週間前、さらに定款で短縮できる)までに、株主に対して通知を発する。
*議決権行使できない株主に対しては、招集通知をする必要はない。
*招集通知には、決定した事項を記載・記録する。
*ただし、以下の事項が総会の目的であるときは、議案の概要も記載・記録する。
 +役員等の選任、報酬
 +募集株式・募集新株予約権(有利発行)
 +事業譲渡、合併、吸収分割
 +定款変更
 +新設分割、株式交換、株式移転
*ただし、書面・電磁的方法で議決権行使できる場合には、招集通知への議案の概要の記載・記録は不要。
*株主の全員の同意があるときは、招集手続なく総会を開催できる。ただし、書面・電磁的方法で議決権行使できる場合には、この限りではない。
(3)株主提案権・取締役への請求
*株主は、取締役に対し、一定の事項(議決権行使が可能な事項に限る)を、株主総会の目的とすることを請求できる。
*大株主: 取締役会設置会社で、総議決権の100分の1以上の議決権または300個以上の議決権(数字は定款で低くできる)を、6か月前から引き続き(公開会社のみ)有する株主。
*大株主は、取締役に対し、一定の事項を株主総会の目的とすることを請求することができる。
*この場合の請求は、株主総会の日の8週間前(数字は定款で厳しくできる)までにする。
*なお、当該請求した株主が株主総会に出席しなかった場合であっても、会社は、その事項を株主総会の目的としなければならない。
(4)株主提案権・議案提出
*株主は、総会において、総会の目的である事項につき議案を提出することができる。
*ただし、当該議案が法令・定款に違反する場合、または賛成(議決権行使可能な総株主の議決権の10分の1以上)を得られなかった日から3年を経過していない場合は、この限りではない。
*株主が提案した議案が否決されても、会社は、次回も同じ議案を提出できる。
(5)株主提案権・通知請求
*株主は、取締役に対し、総会の日の8週間前までに、提出しようとする議案の要領を、株主に通知することを請求できる。
*ただし、取締役会設置会社では、大株主に限り請求できる。
*ただし、当該議案が法令・定款に違反する場合、または賛成(議決権行使可能な総株主の議決権の10分の1以上)を得られなかった日から3年を経過していない場合は、この限りではない。