民事訴訟法

会社法株主総会がひと段落ついたので、金曜日は民事訴訟法。
【1】管轄
(1)管轄
*管轄権の存在は、訴訟要件。職権証拠調べをすることができる。
*管轄権の存在は、訴えの提起の時点を標準に判断する。
*普通裁判籍: 原則は、被告の所在地の裁判所の管轄に属する。
*特別裁判籍は、以下。
 +財産権上の訴えは、義務履行地
 +手形又は小切手による金銭の支払の請求は、支払地
 +不法行為に関する訴えは、不法行為があった地
 +不動産に関する訴えは、不動産の所在地
 +登記に関する訴えは、登記をすべき地
(2)専属管轄
*専属管轄は、ほかの管轄を排除する管轄。
*専属管轄の違背は、上訴事由となる。再審事由ではない。
特許権に関する訴えは、東京地裁・大阪地裁の専属管轄。
(3)合意管轄
*合意管轄は、当事者の合意によって決定する管轄。
*第一審の管轄につき、一定の法律関係に基づく事件に関して、管轄裁判所を合意できる。
*合意は、書面をもってする。
(4)応訴管轄
*管轄権のない裁判所に提起した場合、被告が管轄違いの抗弁を提出しなかった場合、その裁判所が管轄裁判所となる。
*専属管轄は、応訴管轄を生じない。専属的合意管轄は、応訴管轄を生じる。
*被告が、本案についての弁論、または弁論準備手続での申述をしたときに、応訴管轄が生じる。
 
【2】移送
(1)移送
*移送は、管轄権を有していない裁判所に対しても、することができる。
*申し立て又は職権で、移送することができる。
*訴訟の一部の移送も、することができる。
*移送は、決定でなされる。
*移送の申立ては、書面でする。ただし、期日においてする場合はこの限りではない。
*移送が確定すると、訴訟は最初から移送を受けた裁判所に係属していたものとみなされる。
*上訴裁判所は、管轄違いを理由として原審判決を取り消すときは、判決で、管轄裁判所へ移送する。
(2)即時抗告・再移送
*移送の決定や、移送申立ての却下については、即時抗告をすることができる。
*再移送は、できない。
(3)裁量移送
*地裁は、簡裁の管轄に属する場合でも、自ら審判することができる。
*第一審裁判所は、訴訟の著しい遅滞を避け・当事者間の衡平を図る必要があるときは、他の管轄裁判所へ移送できる。
*簡裁は、相当と認めれば地裁へ移送できる。
*応訴管轄に対しても、移送申立てができる。
(4)必要的移送
*簡裁は、被告が反訴で地裁管轄に属する請求をしたとき、相手方の請求があれば、決定で、本訴及び反訴を地裁へ移送する。
*第一審裁判所は、申立て及び相手方の同意があるときは、申立てに係る地裁・簡裁に移送する。
*ただし、移送により著しく訴訟手続を遅滞させることとなるとき、又は被告が本案について弁論・弁論準備手続における申述をした後に申立てがされたときは、この限りでない。
*簡裁から管轄地裁への移送の申立ては、被告の弁論等の後に申立てがされたときでも、することができる。
*簡裁は、不動産に関する訴訟につき被告の申立てがあるときは、管轄地裁に移送する。
*ただし、被告が本案について弁論をした後で申立てがされた場合は、この限りでない。