民事訴訟法

前回(id:kokekokko:20120203)の続き。
【3】当事者
(1)当事者能力・訴訟無能力者
*当事者能力を欠く訴えは、却下される。
*訴訟無能力者は、未成年者および成年被後見人法定代理人によって訴訟行為をすることができる。
*未成年者は、法定代理人の同意を得ていても、自ら法律行為をすることができない。
*訴訟無能力者に対してした訴訟行為や、訴訟無能力者から受けた訴訟行為は、無効。
*ただし、法定代理人や、能力をもった本人による追認があれば、遡及的有効となる。
(2)被保佐人・被補助人
被保佐人、被補助人は、保佐人・補助人の同意を得て、訴訟行為ができる。
*同意は、書面による。
*応訴については、同意不要。反訴については、同意が必要。
(3)訴訟上の代理人
*訴訟上の代理人は、本人の名で、本人に代わって訴訟行為をし、または受ける者。
*代理権は、書面であらわす。
*代理権の範囲は、法定されている。
*本人の死亡や訴訟能力の喪失によって、訴訟代理権は消滅しない。
*法定代理権の死亡、訴訟能力の喪失、代理権の消滅によっても、訴訟代理権は消滅しない。
*代理権の消滅原因が生じても、相手方に通知しない間は、原則として消滅の効力が生じない。
(4)訴訟代理人
*訴訟代理人は、訴訟追行のための包括的代理権を有する任意代理人
*訴訟委任による訴訟代理人と、法令による訴訟代理人がある。
*訴訟委任による訴訟代理人は、事件ごとに委任される。
*法令による訴訟代理人は、法令上一切の裁判上の行為をできる。
*訴訟代理人が複数いるときは、各自が当事者を代理する。
*訴訟代理人が弁護士であるときは、代理権に制限を加えることができない。
*訴訟代理人を選任しても、本人は、自ら訴訟行為ができる。
(5)授権
*訴訟代理人は、訴訟追行に必要な一切の行為をすることができる。
*以下の行為をするときは、特別の授権が必要。
 +反訴、控訴、上告の提起
 +訴訟上の和解、請求の放棄・認諾、訴訟脱退、取下げ
 +手形・小切手訴訟
 +復代理人の選任
*訴訟代理人の事実に関する陳述は、本人が直ちに取り消し・更正すれば、効力を生じない。