民法物権

前回(id:kokekokko:20120206)の続き。
【4】地上権
(1)地上権
*工作物などを所有するために、他人の土地を使用する権利。
*地上権の譲渡、賃貸、担保供与は自由にできる。これらを禁止する特約は、登記できない。(第三者に対抗できない)
*土地所有権者は、地上権者の土地使用を妨げてはならない。
*修繕の義務などは、ない。
*地上権の対抗要件は、登記。地上権者には、登記請求権がある。
*建物所有を目的とする地上権は、土地上に登記のある建物が存在すれば、第三者にも地上権を主張できる。
(2)地下又は空間
*工作物の所有のために、一定の範囲のみに設定される地上権。
*第三者がその土地の使用収益権を有する場合、当該すべての者の承諾があるときは、区分地上権を設定することができる。
(3)地上権の消滅
*地上権者は、いつでも権利を放棄することができる。
*ただし、地代を払うべきときは、1年前の予告または1年分の地代相当額の支払が必要。
*地主が、地上の物を買い取る旨の通知をしたときは、地上権者は、正当な理由がなければ、これを拒むことはできない。
 
【5】地役権
(1)地役権
*要役地(自分の土地)の便益のために、承益地(相手の土地)を利用する権利。
*承益地所有者は、地役権者を妨げない範囲で、自己の土地を使用収益できる。
*地役権者は、物権的妨害排除は請求できるが、物権的返還請求権はない。
(2)付従性・随伴性
*地役権は、要役地から切り離せない。地役権だけを処分したり、他の権利の目的としたりすることができない。
*要役地を譲渡すると、地役権もともに移転する。
*要役地の所有権移転登記によって、地役権の取得も対抗できる。
*要役地だけの移転を第三者に主張するには、登記が必要。
(3)取得
*地役権は、継続かつ表現のものに限り、時効取得する。
*要役地所有者によって、承益地に通路が開設されることを要する。
*土地共有者の一人が地役権を取得すると、ほかの共有者も、地役権を取得する。
(4)消滅
*地役権は、一部を行使しないときは、時効によって消滅する。
*土地共有者の一人が地役権行使しないときは、時効消滅させることができない。
*土地共有者の一人が時効を中断すると、ほかの共有者も、時効中断する。