ムーラン・ルージュ

ベタベタに賑やかなニュージカルでした。
なにがベタかといえば、まず、高級娼婦と貧乏な詩人の悲恋、そしてそれを邪魔する金持ち貴族、でもってヒロインは不知の病、というシナリオが、もう既にベタベタです。また、ミュージカルシーンのタイミング、選曲(マドンナからデビッドボウイ、ビートルズまで)、そして、エッフェル塔の使い方なんかもベタベタ。
しかしそんな単純なベタベタが、私には心地よかったです。特に、公爵を説得する場面のテンポの良さと、タンゴの場面のもの悲しさが印象的でした。中南米的な音楽は基本的に苦手なのですが、この作品は私にも抵抗なく楽しめました。
ただラストはもう少し盛り上がっても良かったかなと。あせってエンディングに向かった、という感じを受けました。ジワッと泣かせにかかったようなのですが、ちょっと不発だったようです。

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この作品も賛否わかれそうです。賑やかさと派手さが空回りして中身がない、と思うかもしれないでしょうし、いくらミュージカルがメインだといってもあんなに話が単調だとガマンできない、と思うかもしれません。
私は、気持ち良くメドレーを観させていただいたので、満足でした。