（資料）責任に関する条文・審議（その3・現行刑法〜第二次大戦-3-）

前回（6/8）のつづきです。初回は6/7。

改正刑法予備草案
第百条
予防監護ニ付セラレタル者ハ之ヲ予防監護所ニ収容シ適宜ノ治療其ノ他監護ノ為必要ナル処置ヲ為スヘシ
第百一条
予防監護ニ付セラレタル者収容ノ必要ナキニ至リタルトキハ行政官庁ノ処分ニ因リ退所セシムヘシ
前項ノ処分ヲ為スニハ刑務委員会ノ議ヲ経ヘシ
第百二条
心神耗弱者又ハ刑ノ言渡ヲ受ケタルいんあ者ニ対シ五年ヲ超エテ予防監護ヲ執行スル必要アルトキハ裁判所ノ許可ヲ受クヘシ爾後五年ヲ超ユル場合亦同シ
第百三条
予防監護ニ付セラレタル心神耗弱者又ハいんあ者ニ付テハ刑ノ執行中仮釈放ノ処分ヲ為スコトヲ妨ケス
仮釈放ノ処分ヲ取消サルルコトナク刑期終了シタルトキハ予防監護ノ言渡ハ其ノ効力ヲ失フ
第百四条
飲酒ノ習癖アル者ニ対シ酩酊ニ因リ犯シタル罪ニ付一年以下ノ懲治若ハ禁錮又ハ拘留ヲ言渡シ又ハ心神喪失ヲ理由トシテ無罪又ハ免訴ノ言渡ヲ為ス場合ニ於テ其ノ習癖ヲ矯正スルニ非サレハ再ヒ罪ヲ犯スノ虞アリト認ムルトキハ其ノ裁判ト共ニ酒癖矯正ニ付スル旨ノ言渡ヲ為スコトヲ得
酒癖矯正ノ執行ハ二年ヲ超ユルコトヲ得ス
刑ノ言渡ヲ受ケタル者ニ対スル酒癖矯正ハ刑ノ執行終了後引続キ之ヲ執行ス
第百五条
酒癖矯正ニ付セラレタル者ハ之ヲ酒癖矯正所ニ収容シ矯正ノ目的ヲ達成スル為必要ナル処置ヲ為スヘシ
第百六条
第百一条及第百三条ノ規定ハ酒癖矯正ニ之ヲ準用ス
第百七条
無節制又ハ労働嫌忌ニ因リ常習トシテ罪ヲ犯シタル者ニ対シ一年以下ノ懲治又ハ拘留ヲ言渡ス場合ニ於テハ其ノ裁判ト共ニ労働留置ニ付スル旨ノ言渡ヲ為スコトヲ得
労働留置ノ執行ハ三年ヲ超ユルコトヲ得ス
第百八条
労働留置ニ付セラレタル者ハ之ヲ労働留置場ニ収容シ勤勉ニシテ紀律アル習慣ヲ馴致スル為必要ナル作業ニ就カシム
労働留置所ノ長ハ労働留置者ヲシテ留置所外ニ滞在シ官公設又ハ私設ノ工場、農場其ノ他ノ作業場ニ於テ就業セシムルコトヲ得
第百九条
第百一条第百三条及第百四条第三項ノ規定ハ労働留置ニ之ヲ準用ス
第百十条
懲治以上ノ刑ノ執行ノ終了ニ因リ釈放セラルルヘキ者釈放後ニ於テ更ニ放火、殺人又ハ強盗ヲ為ス虞アルコト顕著ナルトキハ予防拘禁ニ付スル旨ヲ命スルコトヲ得
第百十一条
予防拘禁ニ付セラレタル者ハ之ヲ予防拘禁所ニ収容シ改悛セシムル為必要ナル処置ヲ為スヘシ
第百十二条
予防拘禁ノ執行二年ヲ超ユルノ必要アルトキハ裁判所ノ許可ヲ受クヘシ爾後二年ヲ超ユル場合亦同シ
第百十三条
第九十九条第三項及第百一条ノ規定ハ予防拘禁ニ之ヲ準用ス
第百十四条
保安処分ノ言渡確定シタル後執行セスシテ三年ヲ経過シタルトキハ裁判所ノ許可ヲ得ルニ非サレハ之ヲ執行スルコトヲ得ス
懲役、禁錮又ハ拘留ノ執行中ニ係ル期間ハ之ヲ前項ノ期間ニ算入セス