（資料）責任に関する条文・審議（その23・現行刑法〜第二次大戦-22-）

前回（9/30）のつづきです。初回は6/7。改正治安維持法説明（案）です。

第五十六条
本条ハ予防拘禁期間ノ起算日ヲ規定ス。即チ、予防拘禁ノ期間ハ予防拘禁ニ付スル旨ノ決定確定シタル日ヨリ起算スルモノト為シタリ。
刑事訴訟法上決定ハ、即時抗告ヲ許スモノニ付テハ、其ノ申立期間三日ヲ経過スルカ又ハ抗告ノ抛棄若ハ取下若ハ最終ノ裁判タル抗告ノ裁判ニ因リテ確定シ、抗告ヲ許サザルモノニ付テハ告知（送達）ニ依リテ確定スルモノニシテ、第四十四条ニ規定スル予防拘禁ノ決定及第五十一条ニ規定スル即時抗告ニハ第五十二条ニ依リテ刑事訴訟法中決定及即時抗告ニ関スル規定ガ準用セラルル結果刑事訴訟法ノ一般原則ニ従フベキモノナルヲ以テ、本条ニ定ムル決定確定ノ意義亦叙上ノ如ク解スベキモノトス。斯クノ如ク、予防拘禁ノ期間ハ決定確定ノ日ヨリ進行スベキモノナレドモ、現実ニ予防拘禁ヲ執行セザル日数ヲ其ノ期間ニ算入スルコトハ不当ナルヲ以テ、第二項ニ於テ、決定確定後ト雖モ拘禁セラレザル日数又ハ刑ノ執行ノ為拘禁セラレタル日数ハ予防拘禁ノ期間ニ参入セザル旨規定シタリ。即チ第三十九条第二項ニ該当スル者ニシテ仮収容セラレザル者ニ対シ決定確定シタル場合ニ於テ、検事ノ指揮ニ依リ現実ニ決定ノ執行ヲ為スニ到ル迄ノ日数ハ本条ニ規定スル「拘禁セラレザル日数」ニ該当シ、又、受刑者ニ対シ予防拘禁ノ決定確定シタル場合ニ於テハ刑期終了スル迄決定ノ執行ヲ為サザルヲ適当トスベク、斯カル場合ニ対処センガ為本条第二項ヲ設ケタルナリ。第二項所定ノ場合ニ非ザル拘禁、例ヘバ、逮捕状ノ執行ニ依リ留置セラレタル場合ノ如キハ勿論予防拘禁ノ期間ニ算入セラルベキモノトス。