今年もよろしくお願いいたします。

以前書いた「今日の軍法会議」(id:kokekokko:20050510)について、id:hakuriku:20060107さまから言及いただきました。

しかし,ここに言う「軍裁判所」とは,一般名詞としての「軍裁判所」であって,特定の法律に基づく具体的な制度としての「軍事裁判所」を指しているわけではないと思います。

確かにご指摘のとおり、私も明確に考えをまとめきれていませんでした。
 
ここで言いたかったことは、「陸軍裁判所という語は、陸軍刑法上の犯罪を裁く裁判所(つまり陸軍軍法会議を含む)を広く指す語と、東京糺問司の後身であり明治15年太政官布告第57号によって廃止された陸軍裁判所を指す語とがある。最近は陸軍裁判所といえば前者をいうので、<仮説2>は成り立つように見える。」ということであり、さらには、富山単治「軍法会議法論」1ページはこれらの二義の区別について言及していない、ということです。(つまりは、陸軍裁判所にふれながらも、「軍裁判所」の語を広義の軍事裁判所で用いている、ということです。おそらく、当該文献の執筆当時でも、陸軍裁判所といえば単に軍法会議を指す、という認識が一般的だったのでしょう)
その線に沿って、5月10日に以下のように書きました。

つまり、東京に置かれた糺問司が明治5年に「陸軍裁判所」になり、一方で地方本営・分営の糺問司出張所が「軍法会議」になりました。そして、明治15年には「陸軍裁判所」が廃止されて「軍法会議」に一本化された、というわけです。
しかしその後、陸軍裁判所といえば陸軍の裁判所、つまり陸軍軍法会議を指すようになり、両者【「陸軍裁判所」と軍法会議の両者】の相違は意識されなくなった、ということです。ただ、明治15年の陸軍裁判所廃止に触れている教科書は多いのですが、この点を明確にしている記述はあまりありませんでした。

 
とはいうものの、hakurikuさまの指摘どおりに読み返してみると、どうも私の考えがいまひとつ整理しきれていなかったようです。

他の文献でも、軍法会議と軍事裁判所とを同一のものとする記述は、いくつかみられるところです。

での「他の文献」*1も同様です。
 
あと、追記ですが、古い記事への言及はもちろん歓迎です。また、2005年5月当時の日記の題名は「kokekokkoの受信日記」か「にわとり受信メモ」だったと記憶しています。

*1:具体的にどの文献だったかは、調べ直さないとわかりません。