非訟事件手続法

きのうのつづき。法務省の対照表が若干わかりづらい(改め文から機械的に作成しているからか)ので、こちらでみてみました。今改正は、基本的には内容の変更がない改正です。

新法第1条: 現行法1条と同旨。現行法には「裁判所ノ管轄ニ属スル非訟事件ニ付テハ」とあるが、登記業務もここに含めるものと解されてきた。
新法第2条: 現行法第117条と同旨。なお新法では、外国法人に関しては、民法35条1項ただし書に規定する法人(「法律又は条約の規定により認許された外国法人」)に限定する旨が明記された。
新法第3条: 現行法第119条(外国法人登記簿に関する部分)と同旨。
新法第4条: 現行法第121条と同旨。
新法第5条1項: 現行法第118条と同旨。
 2項以下: 新設。
新法第6条: 現行法第119条(夫婦財産契約登記簿に関する部分)と同旨。
新法第7条: 現行法第120条と同旨。なお新法では、「特別の定めがある場合を除き」との旨の記述が付加されている。特別の定めとは、法令上の特別の定め、たとえば夫婦の一方の死亡により夫婦財産契約が終了した場合(「規則」9条)などを指すのか。また現行法・新法ともに「申請情報」の記述を無定義で用いているが、不動産登記法18条のような規定があるほうがよいのではないか。
新法第8条: 現行法第122条1項、2項と同旨。なお新法では、不動産登記法の準用において、同法18条中「政令」とあるのは「法務省令」と読み替える、という旨の記述が付加されている。現行法では、122条2項において「申請情報ノ内容【略】ハ法務省令ヲ以テ之ヲ定ム」とされていた。
新法第9条: 現行法第122条2項と同旨。

  旧法 新法
題名 非訟事件手続法 外国法人の登記及び夫婦財産契約の登記に関する法律
第一条 裁判所ノ管轄ニ属スル非訟事件ニ付テハ本法其他ノ法令ニ別段ノ定アル場合ヲ除ク外本編ノ規定ヲ適用ス (趣旨)第一条 民法(明治二十九年法律第八十九号)に規定する外国法人の登記及び夫婦財産契約の登記については、他の法令に特別の定めがある場合を除き、この法律の定めるところによる。
第百十七条 日本ニ事務所ヲ設ケタル外国法人ノ登記ニ付テハ其事務所所在地ノ法務局若クハ地方法務局若クハ此等ノ支局又ハ此等ノ出張所カ管轄登記所トシテ之ヲ掌ル (外国法人の登記の事務をつかさどる登記所)第二条 日本に事務所を設けた外国法人民法第三十五条第一項ただし書に規定する外国法人に限る。第四条において同じ。)の登記の事務は、その事務所の所在地を管轄する法務局若しくは地方法務局若しくはこれらの支局又はこれらの出張所(第五条第一項から第三項までにおいて「法務局等」という。)が、登記所としてつかさどる。
第百十九条 各登記所ニ外国法人登記簿及ヒ夫婦財産契約登記簿ヲ備フ (外国法人登記簿)第三条 登記所に、外国法人登記簿を備える。
第百二十一条 商業登記法 (昭和三十八年法律第百二十五号)第二条乃至第五条 、第七条乃至第十五条、第十七条、第十八条、第十九条の二乃至第二十三条の二、第二十四条(第十五号及ビ第十六号ヲ除ク)、第二十六条、第二十七条、第百二十八条、第百二十九条、第百三十条第一項及ビ第三項並ニ第百三十二条乃至第百四十八条ノ規定ハ日本ニ事務所ヲ設ケタル外国法人ノ登記ニ之ヲ準用ス 商業登記法の準用)第四条 商業登記法 (昭和三十八年法律第百二十五号)第二条から第五条まで、第七条から第十五条まで、第十七条、第十八条、第十九条の二から第二十三条の二まで、第二十四条(第十五号及び第十六号を除く。)、第二十六条、第二十七条、第百二十八条、第百二十九条、第百三十条第一項及び第三項並びに第百三十二条から第百四十八条までの規定は、日本に事務所を設けた外国法人の登記について準用する。
5−1 第百十八条 夫婦財産契約ノ登記ニ付テハ夫婦ト為ルヘキ者カ夫ノ氏ヲ称スルトキハ夫ト為ルヘキ者、妻ノ氏ヲ称スルトキハ妻ト為ルヘキ者ノ住所地ノ法務局若クハ地方法務局若クハ此等ノ支局又ハ此等ノ出張所カ管轄登記所トシテ之ヲ掌ル (夫婦財産契約の登記の事務をつかさどる登記所)第五条 夫婦財産契約の登記の事務は、夫婦となるべき者が夫の氏を称するときは夫となるべき者、妻の氏を称するときは妻となるべき者の住所地を管轄する法務局等が、登記所としてつかさどる。
5−2 (新設) 2 前項の登記の事務は、同項に規定する夫となるべき者又は妻となるべき者の住所が日本国内にないとき又は当該住所が知れないときは当該夫となるべき者又は妻となるべき者の居所地を管轄する法務局等が登記所としてつかさどり、日本国内にその居所がないとき又はその居所が知れないときは当該夫となるべき者又は妻となるべき者の最後の住所地を管轄する法務局等が登記所としてつかさどる。
5−3 (新設) 3 第一項の登記の事務は、前二項の規定により登記の事務をつかさどる登記所が定まらないときは、法務大臣が指定する法務局等が登記所としてつかさどる。
5−4 (新設) 4 第一項及び第二項の規定により登記の事務をつかさどる登記所が二以上あるときは、法務省令で定めるところにより、法務大臣又は法務局若しくは地方法務局の長が、登記の事務をつかさどる登記所を指定する。
第百十九条 各登記所ニ外国法人登記簿及ヒ夫婦財産契約登記簿ヲ備フ (夫婦財産契約登記簿)第六条 登記所に、夫婦財産契約登記簿を備える。
7−1 第百二十条 夫婦財産契約ニ関スル登記ハ契約者双方ノ申請ニ因リテ之ヲ為ス (共同申請)第七条 夫婦財産契約に関する登記の申請は、特別の定めがある場合を除き、当該夫婦財産契約の当事者の双方が共同してしなければならない。
7−2 【120条2項】前項ノ登記ノ申請ヲスルニハ其申請情報ト併セテ夫婦財産契約ヲ為シタルコトヲ証スル情報又ハ管理者ノ変更若クハ共有財産ノ分割ニ関スル審判ガアリタルコト若クハ之ニ関スル契約ヲ為シタルコトヲ証スル情報ヲ提供スルコトヲ要ス 2 前項の登記を申請する場合には、申請人は、その申請情報と併せて夫婦財産契約をしたことを証する情報又は管理者の変更若しくは共有財産の分割に関する処分の審判があったこと若しくはこれに関する契約をしたことを証する情報を提供しなければならない。
第百二十二条 不動産登記法 (平成十六年法律第百二十三号)第七条乃至第十一条 、第十三条、第十六条第一項、第十八条、第二十四条、第二十五条第一号乃至第九号及ビ第十二号、第六十七条第一項乃至第三項、第七十一条、第百十九条、第百二十一条第二項及ビ第三項、第百五十二条乃至第百五十六条、第百五十七条第一項乃至第三項並ニ第百五十八条ノ規定ハ夫婦財産契約ニ関スル登記ニ之ヲ準用ス 不動産登記法の準用)第八条 不動産登記法 (平成十六年法律第百二十三号)第七条から第十一条まで、第十三条、第十六条第一項、第十八条、第二十四条、第二十五条第一号から第九号まで及び第十二号、第六十七条第一項から第三項まで、第七十一条、第百十九条、及び第三項、第百五十二条から第百五十六条まで、第百五十七条第一項から第三項まで並びに第百五十八条の規定は、夫婦財産契約に関する登記について準用する。この場合において、同法第十八条中「政令」とあるのは、「法務省令」と読み替えるものとする。
【122条2項】申請情報ノ内容其他夫婦財産契約ニ関スル登記ニ関シ必要ナル事項ハ法務省令ヲ以テ之ヲ定ム (省令への委任)第九条 この法律に定めるもののほか、夫婦財産契約に関する登記に関し必要な事項は、法務省令で定める。