薬剤師の業務範囲の見直し検討へ - 医療介護CBニュース - キャリアブレイン

washitaさんの経由(http://d.hatena.ne.jp/washita/20120615

薬剤師の業務範囲の見直し検討へ - 医療介護CBニュース - キャリアブレイン
 現行法で歯科衛生士は、歯科医師の「直接の指導」の下、予防処置として歯石の除去などを行う「女子」と定められており、男子に関しては、附則の準用規定が適用されている。日本歯科医師会副会長の宮村一弘委員は、男性の歯科衛生士の増加や、修業年限の延長を指摘した上で、女子に関する条文を改めるとともに、「直接」の文言を削除するよう求めた。

これについて、一部方面では「歯科衛生士法はGHQの指示で作られたから・・・」みたいに思われているフシもあるようなのですが、ただ、制定当時は、条文では女子に限定していなかったのです。

歯科衛生士法(昭和23年法律第204号)(制定時)
第2条 この法律において「歯科衛生士」とは、都道府県知事の免許を受けて、歯科医師(歯科医業をなすことのできる医師を含む。)の直接の指導の下に、歯牙及び口くうの疾患の予防処置として左に掲げる行為を行うことを業とするをいう。

これが女子に限定されるのは、昭和30年になってからです。

歯科衛生士法の一部を改正する法律(昭和30年法律第167号)
第2条中「含む。」の下に「以下同じ。」を加え、「者」を「女子」に改め、同条に次の一項を加える。

男子についての準用規定も、この時点で制定されました。
それまで看護婦の職域であった歯科診療補助を歯科衛生士もするようになったのを機会に、事実上女性の仕事であった(資格者は全員女性)歯科衛生士を歯科衛生婦に改める法案を提出したところ、名称変更については修正で削除された、というのが経緯です。
ただ、国会の審議でも再三「歯科衛生士は女性の適職だ」と言われていて、女子に限る扱いについては異議はなかったようです。

第22回国会 参議院社会労働委員会会議録第23号(昭和30年7月7日)
○政府委員(高田浩運君) 当時は実は私この方の関係の仕事に携わっておりましたので、その記憶に基いてお答え申し上げたいと思います。こういう制度は、実はまだ日本ではいろいろそれまでの間に、翻訳その他で言われておりましたけれども、政府の中での考え方としては、こういう形までは熟していなかったことは事実であります。従いまして、この構想というものは、それぞれやはり外国のやり方、外国の実際の運営の仕方ということを中心にして構想を立てざるを得ない、そういうことであったのでございます。そういった観点からいたしまして、実際問題として、この人たちが女であるし、また女の方が望ましい、女の適職であるということは、われわれ関係者十分承知をいたしておりました

法文上は原則女子にすることで、採用条件や学校入学条件の法的根拠となりますから、文言改正には意味があったといえます。